■後書き
さて、これで「KT66シングル・ステレオ・アンプ」の製作は完了しました。私は今、製作の完了したアンプにCDプレーヤーとスピーカーを接続して、好きな音楽を聴いているところです。今のところ本機はエージング中であり、このアンプ本来の音が出てくるまでには、今少し時間がかかります。アンプの製作は完了したわけですが、これでオーディオの楽しみが終わったわけではありません。むしろ、これからオーディオの本当の楽しみが始まるのだと、私は思います。
好きなCDを聴きがら、例えば音色を大きく左右するカップリング用のコンデンサを取り替えてみたり、真空管を他のメーカーの物に替えてみたり、本機のような自己バイアス方式のアンプであれば、カソードバイアス抵抗と共に出力管を変更してみたりと、好きな音楽を好きな音で、最もリラックスした状態で心地よく聴くための工夫や改造といった、オーディオの本当の楽しみが、これから始まるのです。
もちろん、こういった「オーディオの楽しみ=好きな音楽を心地よく聴く」ための工夫といったものは、真空管アンプに限ったことではなく、スピーカー・ユニットやエンクロージャ、CDプレーヤー、接続ケーブルなど、システムとしての完成度を高めて行くことで初めて実現できることです。真空管アンプの製作は、多彩なオーディオの楽しみのごく一部に過ぎません。
目的は、あくまでも音楽を聴くこと。言葉や文章で表わすことの出来ない音楽の感動を、オーディオ・システムを通して、そこにある空間に再現することです。真空管アンプの製作というのは、そのためのアプローチの一つに過ぎません。
このドキュメントをまとめながら、私自身、アンプ製作の手法や、ノウハウの再確認を行うことができました。内容的にはまだまだ手を加えたい部分や、書き足りない部分もありますが、このドキュメントが、アンプを製作する際の参考になれば、これに勝る喜びはありません。
 KT66-SingleStereo(1)
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 KT66-SingleStereo(2)
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