<アンプ製作のノウハウ>
・1点アース
シャシ内のアースラインの配線は、真空管式のアンプでは、ラグ端子に錫メッキ線を渡して、それをアースラインとする方法が一般的です。各部のアースはすべてこの錫メッキ線にハンダ付けします。入力端子のシールド線のアースも、各真空管のカソード抵抗のアースも、平滑コンデンサのマイナス側も、最終的には全て錫メッキ線のアースライン上に接続されるように配線します。この段階ではアースラインはシャシから浮いた状態なので、アースラインをシャシへ接続し、シャシを0電位とします。このとき、シャシへの接続は、必ず1ヶ所で行うようにします。シャシの0電位が不安定になると、発振やノイズといったトラブルが発生する恐れがあります。1点アースはこの問題を解決します。私は普段、平滑用のブロックコンデンサを留めている金具の1ヶ所で、シャシに落としているのですが今回はシャシに取りつけたアース端子の部分でシャシに落としています。
・ハンダメッキ
ハンダ付けを行う際には「ハンダメッキ」をしてからハンダ付けを行うと簡単かつ奇麗にハンダ付けすることが出来ます。ハンダメッキとは、ハンダ付けする対象の接続部分に、予めハンダを盛っておくことを言います。例えば、リード線をラグ端子にハンダ付けする場合、被覆を剥いたリード線の銅線部分に予めハンダを盛っておき、また、ラグ端子の方にもハンダを付着させておきます。こうしておいた後、リード線とラグ端子を接触させて、半田ごてで加熱すれば、予め盛っておいたハンダが融けて、容易にハンダ付けを行うことができます。
・配線材料
配線材料は、多少加工が大変でも、なるべく太いものを使ったほうが良いようです。信号線などは大した電流は流れないので、細い配線材でも良いのですが、高い周波数における交流電流の表皮効果等を考えると、表面積の大きな太い配線材を使用したほうが良いと思います。また、電源やヒータの配線も、余裕を持って太い線材を使用するべきです。
・配線の結束
アンプの組み立て、調整が終わった後、シャシ内の配線は結束して固定しますが、このとき、信号線と、ヒーター配線や電源の交流ラインの配線とを一緒に結束しないように注意します。一緒に結束してしまうと、ハムノイズの発生等のトラブルの原因となります。また、入力側の配線と出力側の配線とは、なるべく離して配線するようにして、信号の帰還(ループ)が発生しないようにします。入力側の配線と出力側の配線とを結束したりしてしまうと、発振等のトラブルの原因となります。
・錫メッキ線へのハンダ付け
リード線等を錫メッキ線へハンダ付けする場合、リード線が接続する部分の錫メッキ線の表面をヤスリ等で削っておくと、ハンダがのり易いです。その他、ハンダ付けする部分が古く、酸化しているような場合にも、ヤスリ等で磨いてからハンダ付けを行った方が良いでしょう。
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