RF400R復活大作戦第一弾!
学校の先生から最終的に廃車まできっちりやると言う条件で譲ってもらったSUZUKI・RF400Rの整備の模様をお伝えします。
どんなに短く見積もっても3年は動かしてなかったと言う事で(しかも庭先保管…。)ほとんどプチレストアみたいな状態です。左側に激しく転倒した後がありますが、フレームまでは逝っていないという判断を下し、何とか復活させよう、という運びとなりました。
今回はキャブレターの清掃をリポートします。
いきなり外し終わってます。今回はキャブ中心という事で前処理(?)は省略なのです!! スロットルが完全に固着していたため、スロットルワイヤ開側、閉側はキャブに付けたままで外してしまいました(笑)。
最初にフロートチャンバを外しました。長い年月をかけて熟成された(?)ガソリンが緑色に変色していました。 ドレンも詰まっていたのでチャンバが外れた瞬間変な液体を浴びる羽目に…。ちなみにこの時チャンバ固定ボルトを1本なめてしまったため、金鋸でマイナス溝を切って対処しました。
キャブ側に残っていたスロットルワイヤ2本を外しました。付くようにしか付かないのですが一応接続が分かるようにワイヤとホルダにマーキングをします。 アイドル調整ワイヤは面倒なのでそのままにしておきます。(外そうよ。)
負圧ピストンのダイヤフラムの点検です。破れもなく良好な状態でした。 負圧ピストンの摺動に引っ掛かりがないか調べておきましょう。
キャブクリーナーにジェットやニードルを浸しているところです。あっという間に緑色に…(本来は無色透明に近い)。ゴム関係の部品は浸さないように!! 付け置きには泡タイプ、ジェットや油路の貫通には噴射タイプがお勧め。今回私は両方のタイプを用意しました。
張り付いていたOリングを慎重に剥がし…たのですが、ダメでした。スナック菓子のごとく砕けていきます。何だか切ない気持ちになれました。 この他の部分も似たような状況でOリングは軒並み交換する事となります…。
よく雑誌や雑談に出てくる「外す前に一旦閉めこんで一番閉めた位置からの戻し量をメモしておく。」と言うのがこの部品、パイロットスクリューです。外すとスプリング、ワッシャ、(固着してなければ)Oリングが出てきます。紛失に注意して下さい。 今回は、ネジがかじっているのか一番奥まで閉め込めているのか良く分からなかったので勘に頼りました。…この妥協が後に悲劇を引き起こす事となるのですが。
ちょっと番外編。
ジェット類を外す時はサイズの合った工具を使いましょう。私は今回、マイナスドライバーを削ってサイズを近くする努力はしたのですが、ジェットのネジ山を1つ壊してしまいました。そこで登場するのが逆タップ。ドリルの刃が左ネジになっているのを想像していただくと早いと思います。
1つ上の画像では既にジェットに逆タップを打ち込んであります。折れたボルトなどには下穴を開けるのですが、今回はジェットの穴をそのまま利用すると言う暴挙に出ました…。 逆タップをタップハンドルでゆっくり左に回していくと、左ネジの刃が食い込み、最終的にジェットと一体となって外せます。勿論ジェットは再利用不可です。
ガソリンの流量を規制するニードルバルブです。マイナスドライバーで突いている突起がストロークする事を確認して下さい。今回は4気筒分全て固着していたのでバレル(筒側)とセットで新品と交換しました。 ニードルの先端が段付き磨耗していた場合も要交換です。
家の中で衣装ケースに新聞を広げてキャブレター清掃の図。キャブクリーナーやガソリンの匂いが部屋中に充満。家族から大ブーイング…。 この部屋で一晩寝ましたが、喉が痛くなるので皆さんは真似しない様にして下さい。(しないか。)
ここからタンク周りです。
こちらは燃料残量検出センサ。画像は清掃後ですが、タンクから外した時はチョコバナナみたいに錆が付着していました。(我ながらいい例えだ!)Oリングを新品にして再使用。タンクは転倒による凹み部分から泣きたくなる位錆びていたので中古品と交換しました。という事で、車体とタンクの色が違います…。
短いのがリザーブ、長いのがオンのストレーナです。オン側の先端もリザーブ側の様に茶濾し状になっています。画像は清掃後ですが、以下同文。こちらもOリングは新品に。 右下にちょっと見えている燃料コックも若干漏れ気味でしたが、コックAssyでしか注文できない上、バックオーダー(生産しないと在庫がない状態)が掛かっている事が判明したため放置決定。Oリング屋さんをまわる事に。
今回注文した部品です。 ほとんどがOリングやパッキンです。後が怖いのでこの辺はケチらないようにしましょう。ばらした逆順で組みつけていきます。
エンジンをかける前にスパークプラグを交換…するお金がないので、ワイヤブラシで擦って再使用します。(この辺はケチるらしい…。) それにしても3番シリンダのプラグの抜きにくい事!ラジエータのキャップを外して取り外しました。インライン4の整備性なんてこんなものなのでしょうか…。というより、タンクが外れてるのが前提ですから、CM250Tに比べたら、目も当てられませんが。
さあ!パイロットスクリューで妥協したツケがまわってきました。白煙祭です、ワッセローイ。 前述の戻し量で空燃比が左右されるため、そこがダメだとこうなります。結局、最大締め込み位置から1と4分の1戻しで落ち着くまで、3回もキャブをエンジンに脱着しました。取りあえずRF400R復活大作戦第一弾はここまで、です!
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