バイクのオイルを交換しよう!

1980年に製造された、旧車の部類に入る二輪車のオイルとエレメントを交換します。なにぶん古いバイクですので、最近のマシンに乗っている方にはあまり参考にならないかも知れません。こんなのもあるんだー、位の気持ちでご覧下さい。

今回使用するもの。一般的な工具とオイル処理箱、勿論オイルも用意します。エレメントは販売店さんに車検証や登録証を持っていくと注文ミスをせずに購入できます。

オイルの流動抵抗を減らすために、軽くひとっ走りしてくるとよいと思います。(火傷にご注意下さい!)


スパナはダメですよ。ドレンボルトを外します。レンチを包むように持ってもう片方の手で叩くと(げんこつを平手ではたくイメージ)いい感じに緩みます。

後は押し付けながら緩めていき、ねじ山が完全にフリーになったと判断したら一気に引き取るとオイルを浴びずに済みます。なお、この時軍手等の使用はNGです。熱いオイルをくらった時に軍手を脱ぐまでのタイムラグで確実に火傷します。


だばだー。あ、ドレンを抜く前に下にオイル処理箱を用意して置いて下さいね。ちなみにオイルは真下には排出されません(開口方向に放物線を描きます)ので、処理箱はあらかじめ排出方向に長辺が向くようにセットするとよいです。

この画像では分かりにくいですが、中央のマフラーのビスの裏側から右下方向に排出されています。


下からの映像です。一通り抜けたら次はエレメントです。今回交換するのは、自動車のほとんどに採用されているカートリッジ式ではなく、内蔵式のエレメントです。二輪車には比較的多い方式で、CMの様に下からアクセスする以外では、横から取り外すタイプの車両も結構あったりします。

ポタポタ鬱陶しいのでドレンボルトはいったん軽く締めておきます。今から緩めるのはエレメントのハウジング固定ボルトです。


この辺からオイルを浴びる事に無抵抗に…。外している間、止めどなくオイルが排出されます。

こんなところで時間をとられるのも癪なので(オイルを浴びながら…)大急ぎでボルトを外してしまいましょう。


言うまでもなく左が新品。左が今回用意したエレメントとパッキンです。この画像には写っていませんが、正方形のパッキンもありました。恐らく生産次期や改良の都合でハウジングの形が違ったり、他のエンジンでも同形式のエレメントを使っているためだと思います。

厳密にいうとエレメント自体も外したものと用意したものは別のものでしたが、部品に間違いがない事は確実でしたし、新しいものは上下がない構造だったので特に気にはしませんでした。(外したものには天地がありました。)


しばらく工具要らず。古いエレメントを力任せに且つ丁寧に引っこ抜きます。自動車の内張りなどもそうですが、「もう止め具がない」と判断したら基本的に剥ぎ取るだけです。

タール状にこびりついたオイル(みたいな物)はアルコールとマイナスドライバーで掻き落としました。


爪の先にある黒いやつですよ。上の画像のハウジングを裏返してパイプを押し付けるともう一段階バラせます。ここにOリングが入っていますのでねじれない様に注意して交換しましょう。

古いやつが固くなって固着していた場合は切断してしまっても構いませんが、組み付ける時に新しい方まで切れてしまった場合応急処置として古いものが使えなくなるためお勧めしません。(新しいOリングは簡単には切れませんが…。)


ぬーりぬーり…。外した逆順に組みつけていきます。エレメントハウジングのボルトは勿論ですが、先ほど仮締めしてあったドレンボルトもしっかり締め付けておきましょう。

組み付け時のストレスによるねじれ・損傷・切断などを防ぐためにオイルを薄く塗っておきます。


算数の時間??今回は「フィルター交換時」に当たるので2.4L給油します。全容量が3.0Lですので、0.6Lはエンジン内部に残っている計算になりますね。(当たり前ですが…。)

エンジン下部を清掃しておくと、後ほど行うオイル漏れの点検時に漏れが見つかりやすいです。パーツクリーナー等を使うと簡単ですが、高温時には使用しないで下さい。また、アルミ保護のクリアや塗装が施されているエンジンにはウエスを使用して下さいね。


闘魂注入!一本1Lのオイルを2本とほんの少し入れます。

この時点でレベルゲージは殆どフル表示(超えるくらい)となりますが、コレは嘘(と言うか間違い)です。エンジン底部に溜まっているだけで本来留まっているはずのところにオイルがないため、ちょっとエンジンを回すとすぐに(ゲージの表示としては)減ります。


セコイ倹約。足りない分は足せますが入れすぎると厄介なのでフルより少し少ない位置でいったんエンジンを始動させます。

この時始動後2・3秒ほどで油圧警告灯(オイル注しみたいなランプだったりあからさまにOILって書いてあったり)が消える事を確認して下さい。前述のような作動をすれば正常です。また、エンジン回転中に片方の缶にもう一方を突っ込んでおくと経済的です(苦笑)。


アイドリングでお願いします。正常よりもオイルが少ない状態ですので空ぶかしなどは厳禁です。

また、古い車種ではチョークを使わないとエンジンが始動後停止してしまう事も考えられますので、やはりオイル交換前に暖気しておくのは有効な手段だと思います。(チョークを使うと回転数がかなり上がります!)


春の日差しを感じて。そんなに長時間回す必要はありませんが、エンジンを止めた後、少し時間を置いて下さい。これは、エンジン潤滑部に残留しない分のオイルがエンジン下部に降りてくるのを待つためです。

エンジンを止めたら、心を落ち着けて季節の風を感じてみたり…


人が通るとハズカシイ…。サスのヘタリをチェックしてみたり(そしてそのヘタリ具合にがっかりして自分がヘタってみたり)して時間をつぶしましょう。

余談ですが、2.4L量ってきっちり入れれば…というのはよくないです。オイルを抜くのにかける時間は人それぞれ違いますし、オイルの温度でも抜ける量はまちまちですので。


あと一息!!ゲージを確認してみてください。エンジン始動前に比べ、表示が減っているのが分かるはすです。

この後は、フルまで足して、エンジンをかけて時間を置いてフルまで足して…を繰り返します。エンジンを停止してゲージの表示がフルから下がらない様になったら終了です。このやり方だとかなりの時間がかかりますが、一番確実なオイル交換の方法であることには間違いないと思います。


その後。エンジン下部やドレン周辺にオイル漏れが無い事を確認して下さい。

「にじみ」程度でも漏れがあった場合、この短時間に漏れた事を考えるといずれ確実に致命傷になります。パッキンにねじれ・損傷があったかも知れません。面倒がらずにチェックを行って下さい。(この場合、105円均一のケースなどを使ってオイルを受ければ再使用していただいて結構ですよ。)


タイラップって万能ですね…。最後に廃油処理です。責任を持って処理しましょう。

カー用品店ではオイル購入時のレシートがあれば廃油を無料引き取り、なんて所もあるみたいです。ガソリンスタンドやディーラーに知り合いがいる場合は、そこで引き取ってもらってもよいでしょう。管理人の地元ではオイル処理箱は可燃ごみ扱いですが、処理方法は各自治体にお問い合わせ下さいませ。

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