各種砂糖の成分(%)とその特徴
   しょ糖  転化糖  灰 分  水 分   色 特         徴
上白糖
 
  99.80
 
  1.30
 
  0.02
 
  0.80
 
 白 色
 
日本好みのしっとりとしたソフトな感じと風味を持ち、一般に白砂糖といわれている。調味料として、菓子用、飲み物用など何でもOKの万能選手
三温糖
 
  95.40
 
  2.10
 
  0.22
 
  1.20
 
 黄褐色
 
中白糖よりも更に純度が低く灰分などを多く含んでいる。甘さも強く、特有の風味を持つ。煮物や佃煮などに使うと強い甘味とコクが出る。

角砂糖
 

  99.80
 

  0.01
 

  0.01
 

  0.15
 

 白 色
 
グラニュー糖を四角に固めたもので、コーヒー、紅茶用として利用。
1個の大きさが決まっているので、料理・菓子づくりに便利。
1ポンド 72個入(6.3g/個)、135個入(3.3g/個)、120個(3.8g/個)、140個(3.2g/個)
氷砂糖   99.80   0.06   0.01   0.06  白 色 キャンディーとしてそのまま食べて良い。果実酒用に最も適している。稲荷鮨のあげを煮ると美しいつやが出る。
グラニュ糖
 
  99.95
 
  0.01
 
  0.01
 
  0.02
 
 白 色
 
結晶が上白糖よりやや大きく、さらさらした感じの高純度の砂糖。くせのない淡泊な甘さで広く使われる。小袋入りのものが出回っている。
白ざら糖   99.95   0.01   0.01   0.01  白 色 結晶がグラニュー糖より大きく無色透明で光沢があり、高純度の高級砂糖クッキーやゼリー、果実酒用としても使える。
中ざら糖
 
  99.70
 
  0.05
 
  0.03
 
  0.03
 
 黄褐色
 
結晶は白ざら糖とほぼ同じですが黄褐色をしている。純度の高い糖であるが一種の風味を持っているので煮物などに使われる。
粉砂糖
 
  99.80
 
  0.02
 
  0.01
 
  0.02
 
 白 色
 
白ざら糖やグラニュー糖等の純度の高い砂糖を細かくすりつぶしたものでケーキ・クッキーのアイシングやデコレーションに使う。固まりやすいので1〜3%のコーンスターチを加えることがある。
顆粒状糖
 
  99.80
 
  0.01
 
  0.02
 
  0.02
 
 白 色
 
多孔質の顆粒状で固まり難く、溶けやすくした高純度の砂糖。
アイスコーヒーなど冷たい飲み物に入れたり果物にふりかけたりするのに最適。

黒砂糖
 

 75〜86
 

2.0〜7.0
 

1.3〜1.6
 

5.0〜8.0
 

 黒褐色
 
サトウキビの搾り滓をそのままに詰めたもので、含みつ糖の一種。
不純物が多く糖度は85度くらいですが、特有の風味があり、甘さはかえって強く感じられる。沖縄や南西諸島で作られている。
                                                       成分表は5訂食品成分表より
 
各種糖類の特徴
  名   称   製造法、成分 甘味度 粘 度 浸透性 着色性 耐熱性 耐酸性       特    徴       備      考










 
砂  糖
(ショ糖)
製法:サトウキビ、砂糖大根より抽出
 
 100
 
  +
 
  +
 
  ±
 
  ±
 
  −
 
甘味の応答が早く、消失も均等ですみやか
香気成分の保留性を有する
例:香料の呈味素材、清涼飲料、調味料冷菓、菓子類など

グルコシルシュクロース
 
製法:砂糖の酵素(シクロデキストリングルカ
ノトランスフェラーゼ)転移反応
 

50〜55
 

+2〜+
 

  ±
 

±〜+
 

  ±
 

  −
 
低う蝕性、結晶防止性、保湿性、良味性、離水防止、風味のある良好な味、粘性やや大、非結晶性 液状
R:カップリングシュガー
例:各種和菓子、キャンディ

フラクトオリゴ糖
 
製法:砂糖の酵素(β-フラクトフラノシダー
ゼ、グルコースイソメラーゼ)転移反応
 

50〜60
 

+〜±
 

+〜+2
 

+〜+2
 

  ±
 

  −
 
ビフィズス因子、低う蝕性、良味性、キレの良い甘味、糖アルコールより緩下作用少。ヤーコンに多く含まれる。 液状、粉末
例:キャンディ、甘味料、冷菓、飲料、パン
 

イソマルツロース
 
製法:砂糖の酵素(グルコシルトランスフェラー
ゼ)転移反応
 

40〜45
 

  +
 

  +
 

  +2
 

±〜−
 

  +3
 
低う蝕性、低甘味度、易結晶性、低吸湿性、低溶解度、砂糖類似諸物性、濃度30%の場合、温度20℃以下で結晶化 粉末
R:パラチノース
例:キャンディ、チュ-インガム





































 

ブドウ糖
 
製法:デンプンの酵素(グルコアミラーゼ)分解
 

60〜70
 

  −
 

  +2
 

  +3
 

  +
 

  +3
 
易発酵性、易浸透性、易加熱による着色、さわやかな甘味、やや遅れて甘味が最高
 
無水、含水、精製、液状ぶどう糖
例:粉末ジュース、パン、缶詰、酒造、煉製品
果糖
(フルクトース)
 
製法:イヌリンの加水分解、精製、ブドウ糖を異性化酵素で変換
 

110〜170

 −
 

  +
 

 ー2
 

  −
 

  −
 
さわやかな甘味、甘味応答が早い、低温で甘味が強い、易加熱による着色
 
例:冷菓、飲料、洋菓子

 
転化糖

 
分解:ショ糖をインベルターゼまたは酸で加水分解、精製
 
110〜120
 

  −
 

  +2
 

  +3
 

−〜±
 

  +3 
 
濃厚な甘味、保湿性・着色性大

 
例:冷菓、飲料、洋菓子

 
水飴
 
各種オリゴ糖混合物
デンプンの酵素分解
10〜60
 
+3〜+2
 
−〜±
 
±〜+2
 
±〜+
 
  +2
 
DE値により色々な甘味度の製品がある。粘度が相対的に増加 例:各種和菓子、キャンディ、キャラメル、醤油、ソース、スナック

異性化糖
 
製法:ブドウ糖の一部を酵素(グルコースイソメラーゼ)で異性化
 

100〜120
 

  −
 

  +2
 

  +3
 

−〜±
 

  +3
 
低粘度、着色性、ソフトでさわやか、低温で高甘味、結晶抑制
 
無色ないしは淡黄色の液体
ぶどう糖果糖液糖、果糖ぶどう糖液糖
例:食品香料の呈味素材、清涼飲料、冷
マルトース
(麦芽糖)
 
製法:デンプンの酵素(α-、β-、イソアミラーゼ)分解
 

30〜40
 

  +
 

  +
 

  +
 

  +2
 

  +2
 
まろやかな癖のない低甘味、砂糖類似諸物性、安定性、保湿性、脱水性、粘性あり
 
液状、精製、無性結晶マルトース
例:各種和菓子、ジャム、飲料、粉末化材
 

直鎖オリゴ糖
 
製法:マルトースのカラム分離

 

25〜30
 

  +2
 

  ±
 

  +
 

−〜±
 

  +2
 
低甘味度、保湿性

 
液状、粉末
例:各種和菓子、パン
 

ハイマルトテトラオースシラップ
 
製法:デンプンの(G,formingアミラーゼ)酵素分解
 

20〜25
 

  +3
 

  −
 

  +
 

−〜±
 

  +2
 
低甘味度、粘性、難発酵性、保湿性

 
液状
例:各種和菓子、飲料
 

分岐オリゴ糖
 
製法:デンプンの酵素(トランスグルコシダー
ゼ、α-グルコシダーゼ)分解・転移
 

40〜50
 

  +
 

+〜+2
 

  +2
 

  ±
 

  +2
 
ビフィズス因子、難発酵性、保湿性

 
液状
各種和菓子、パン、卓上甘味料、冷菓、菓子類、ジャム、佃煮など

ソルビトール
 
製法:ブドウ糖を還元、精製

 

 60
 

  −
 

  +2
 

  −
 

  +3
 

  +3
 
清涼感のある甘味、低粘性、保湿性、浸透性、安定性、インシュリン非依存性、非発酵性、吸湿性 液状、粉末
例:各種和菓子、漬物、煉製品、甘味料
乳化香料およびベース類、代用甘味

還元水飴
 
製法:各種水飴を水素添加
各種オリゴ糖アルコール混合物
 

10〜60
 

+3〜+
 

−〜+
 

  −
 

  +2
 

  +2
 
粘性、安定性、低甘味度

 
液状、低糖化・高糖化還元水飴、分岐オリゴ糖アルコール R:HS、PO、SE他
例:各種和洋菓子、甘味料

還元麦芽水飴
(マルチトール)
製法:麦芽糖を還元・精製

 

 90
 

+〜±
 

  +
 

  −
 

  +2
 

  +2
 
清涼感のある甘味、非発酵性、吸湿性小、安定性、インシュリン非依存性
 
液状、粉末
例:各種和菓子、甘味料、ダイエットフードの甘味料など

トレハロース
 
製法:デンプンを酵素分解・転移

 

  45
 

+〜±
 

  +
 

  −
 

  +2
 

  +2
 
非吸湿性、保湿性大、澱粉の老化防止。耐冷凍蛋白変性、低う蝕性。非還元性、溶解度が低い、キレが良く砂糖以上に上品 液状、粉末
例:キャンディ、各種和洋菓子
 








 
異性化乳糖

(ラクチュロース)
製法:乳糖のアルカリ異性化

 

50〜60
 

  +
 

  +
 

  +2
 

±〜+
 

  +2
 
ビフィズス因子、高溶解性、 非消化性、着色性大
 
液状
例:ジャム、甘味料、飲料
 
乳糖
(ラクトース)
 
製法:チーズホエーより分離・精製

 

  27
 
 
  +
 

  +
 

  +2
 

±〜+
 

  +2
 
低甘味、塩味、香気保留性

 
白色結晶ないし粉末
例:ジャム、甘味料、飲料、粉末香料、菓子類

ガラクトオリゴ糖
 
製法:乳糖への微生物(Cryptococcus laureutii)による転移反応
 

20〜30
 

  +2
 

  ±
 

  +2
 

±〜+
 

  +2
 
ビフィズス因子、耐熱・耐酸性、キレの良い甘味、糖アルコールより低緩下作用
 
液状
R:カップオリゴ
例:ジャム、パン、飲料、冷菓


 

大豆オリゴ糖
 
製法:大豆ホエーより抽出・精製

 

50〜70
 

  +2
 

  ±
 

±〜+
 

+〜±
 

+〜±
 
ビフィズス因子

 
液状、粉末
例:乳製品、飲料、各種和洋菓子、パン

綿

キシロース
 
製法:キシランの加水分解

 

  40
 


 


 


 


 


 
着色性、浸透性

 
粉末
煉製品、畜肉製品、パン、フレーバー素材、焼菓子、カラメル原料など

その他

 

メイプルシュガー
 
カエデの樹液の採集

 


 

  −
 

  +2
 

  +3
 

−〜±
 

  +3 
 
特有な甘い香りを有した淡黄色の粘稠な液体、主成分はショ糖
 
菓子類、飲料、冷菓など

 

蜂蜜
 
レンゲ、ナタネ、ミカンなどよりミツバチが集めた花蜜を採集
 


 

  −
 

  +2
 

  +3
 

−〜±
 

  +3 
 
淡黄色の粘稠な液体、蜂蜜である花の種類により特有な風味を有し、主成分は果糖、ブドウ糖、ショ糖 栄養保健飲料、乳飲料、菓子類、果汁飲料など
 



甘味料













 

ステビオサイド
 

菊科のステビアの葉より抽出、精製
 

30000
 


 


 


 


 


 
白色結晶ないしは液体、甘味の質はショ糖に類似、やや苦みあり、後味が残る  佃煮、漬け物、飲料など

 

グリチルリチン

甘草の根より抽出、精製

 5000

 

 

 

 

 
無色ないし白色結晶、甘味はショ糖の約500倍で苦みを有する。甘草特有の味がする 水産製品、佃煮、漬け物
 

サッカリン
 

合成
 

20000〜70000


 


 


 


 


 
後味あり、濃度が高いと苦みあり

 
ガム、漬物、口臭・歯肉炎予防

 

ソ−マチン
 
クズウコン科のThaumatococcus daniellii の果実の成分
 

250000〜400000


 


 


 


 


 
爽快な味、マスキング効果あり、甘味の発現は遅い。
 


 

アスパルテーム
 
アミノ酸のアスパラギン酸とフェニルアラニンをメチル結合したもの
 

10000〜20000


 


 


 


 


 
極めて砂糖に近い味、わずかに甘味の応答が遅い。
 


 

グリシン
 


 

 70
 


 


 


 


 


 
苦み、酸味(刺激的な味)

 


 

スクラロース
 
砂糖に塩素原子(Cl)が3個付加したもの
 

60000
 


 


 

  −
 

 +3
 

 +3 
 
苦味や渋みが少、砂糖に近い甘味。甘味度、甘味質の増強作用。非う蝕性
 
飲料水、冷菓、キャンディー,ヨーグルト等
 



 
エリスリトール


 
ブドウ糖の酵母による発酵


 


75〜85
 


  −
 


  +2
 


  −
 


 +3
 


 +3
 
カロリーゼロ、非う触性、インスリン非依
存性、味質改善(高甘味度甘味料との組み合わせ相性がよい)、冷涼感、低吸湿性、低緩下作用、水溶性ショ糖の半分
飲料、ヨーグルト、キャンディー、ガム、冷菓、和洋菓子、チョコレート

 


 

イヌリン
 
砂糖を酵素処理(果糖を付加)

 

−−−
 

  +
 

 −
 


 


 


 
水溶性食物繊維、低甘味、整腸作用、血糖上昇抑制、コレステロールの蓄積抑制効果
 
クリーム、マーガリン、麺、菓子、飲料など
 


 
大豆オリゴ糖

 
大豆に含まれているオリゴ糖類の総称。(含:ラフィノース、スタキオース)大豆ホエ−より分離・精製
75〜75
 


 


 


 


 


 
一部が消化性、LDLコレステロールの減少、や動脈硬化の予防
 


 




 
アセスルファムカリウム


 
合成



 
20000〜3
0000


 




 




 

  −


 

  +2


 

  +


 
アスパルテームとの併用により砂糖に似た味が得られ、また単独で用いられるより甘味が増すといわれている。サッカリンと同様、特に高濃度の場合、後味が僅かに苦味あり クッキー、清涼飲料など



 


 

シクロデキストリン
一般的にはブドウ糖6〜8個が環状構造をとった環状オリゴ糖
デンプン酵素処理し、精製

−−−
 

 +
 

  −
 

  −
 

 +3
 

 +3 
 
別名CD。環の外は親水性、内は疎水性。フレーバオイルの安定化、熱pHに安定、異味異臭の除去、味・香りの改善、香料の徐放 粉末スパイス(シナモン、ハッカ、にんにく、ショウガ、ワサビ、カラシ、コショウなど)、消臭スプレー
粘 性 −:低い、±:やや低い、+:砂糖と同程度、+2:高い、+3:かなり高い
浸透性 −:かなり低い、±:低い、+:砂糖と同程度、+2:高い
着色性 −:低い、±:砂糖と同程度、+:やや高い、+2:高い、+3:かなり高い
耐熱性 −:低い、±:砂糖と同程度、+:やや高い、+2:高い、+3:かなり高い
耐酸性 −:砂糖と同程度、±:やや高い、+:高い、+2:かなり高い、+3:極端に高い
  
 一般に、糖アルコールは、50g〜80g以上摂取すると緩下作用を示すと言われている。
微生物に資化されない。