おやじがき 絶滅危惧種(レツドデータ)中年男性図鑑
作 内澤 旬子
もう御存知の方も沢山居らっさるかとは思いますが、あげて見ました(笑)
だって市立図書館でみつけたんですもの(笑)
タイトルでも察しが付く様に、日常に目撃される『オヤジ達』の観察日記です。
これがページを開いていくうちに「居るいる、こういう人居るよ!」と思わず
頷いている自分が居ます。分りやすい文章と、イラスト。まさに図鑑です。
何だか読んでいるうちに「頑張ろうぜ!」って言いたくなる、笑いとちょっぴり
寂しいというか、悲しいというか…違うな、ほんの少〜〜〜〜しのブルーが
入った気分になります。この本の装丁からしてレトロな感じが又良し。
モーリス
作 E・M・フォスター
遥か遥か以前にTVで映画を観た事があります。もう、薄らぼんやりとしか覚えていない
のですが、やたら少年というか青年が出てきた映画だという印象でした。原作を読んだのは
これが初めてです。モーリスという少年から青年に移り変わる時の、彼を取り巻く出来事
そして彼自身の目覚めというか、成長物語なのかな。只、もしこれからレンタルや何かで
この映画を観る機会が有るなら、本を読んでからでもいいような気がします。モーリスの
感情が分るからです。この時、彼はどういう気持ちだったか、何を考えていたか、つーか
そもそも考えているのかコイツ等。この彼自体、あまり華やかな人物では無かったと知って
一寸「…そうだったっけ?」みたいな(笑)主人公なんだけど、フツーの悩める青年なんだね。
何でもない事で気になったり、落ち込んだりハイになったり。只、この本が出版されるのは
当時のイギリスでは難しかったらしい。ウルフェンデン勧告という同性愛犯罪に関する
専門委員会報告で成人同士での同性愛の合法化が勧告されなかったらこの本は出版されずに
終わっていたかも知れない、
と作者のあとがきにあります。氏が今の時代に生きていたら、少しは出版しやすかった
でしょうか。…かなりしやすかったでしょうね(笑)
スウェーデン民話名作集
訳 藪下 紘一
タイトルに有る通り、スウェーデンの民話を集めたものです。1冊に12話収められ
話の採集者も異なります。17世紀にフランスで、イギリスでマザー・グース
ドイツでグリム童話が発刊され、刺激を受けて北欧でも民話採集が始まり
スウェーデンでも19世紀に採集されだしたそうです。北欧といえばオーディンや
トロ−ルがお馴染みですが、この中の話でトロールにキリスト教をおそらく
魔よけとして使っているシーンがあって一寸不思議です。挿絵も面白いので
読みやすいです。それにシンデレラに非常によく似た『灰かぶり娘』というのが
あるのですが、最後「何処まで お人好しやねん!!」と突っ込みたくなる事
請け合いです(笑)