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38  vol.6 闘茶(茶歌舞伎)
2010.11.04 Thu.
 闘茶の始まりは随分古く、中国唐代(619〜907)と云われ、新茶が出来上がると、茶農家達が製茶の技術を比べて、勝負を競ったと云われています。
 我が国へは鎌倉時代(1220頃)に伝来し、南北朝時代から室町時代中期にかけて公卿、武家、僧侶等上流社会で盛んに行われ、数種の茶の味を喫して茶銘を当てる遊技として行われました。次第に金品を賭けたり、終了後、盛大に酒宴を開いたそうで、京都八坂神社に伝わる古文書にも記録が残っているそうです。
 この風習がその後「茶道」の源となって行きました。
 先日静岡市に於いて第54回「全国茶審査技術競技大会」が、開催されました。これは茶の鑑定技術の習熟が目的で静岡、京都、鹿児島等全国の茶産地に於いて、予選会を勝ち抜いた、12団体120名の選手によって争われました。競技は@茶品種の鑑別A生産茶期判定B外観による産地の判定C煎出液喫茶による産地の鑑別の4部類ですが、Cは闘茶の形式が用いられています。
 即ち選手は予め見本盆に盛られた5種類の茶を拝見して産地を判別しておきます。五種の茶には、それぞれ花鳥風月客と雅な茶銘が付けられ、着席した選手には、花鳥風月客を印した五枚の木札が渡されます。茶銘を伏せた、小さな湯呑の茶が配られると、香り、水色、湯呑の底に残る僅かな澱、味をすばやく審査し、(迷いは禁物)茶銘の木札を投札します。花印が出されたのに審査を誤り鳥印の投札をすると、鳥印が出た折、その木札がないので二点失ってしまうのです。五種全部飲んで審査して一回戦が終わるのです。これを五回戦まで行うので、四、五回戦の頃は口中がまひしてここで優劣の差が出て来ます。
 一回戦毎に点数が発表され、五点満点は「皆点」、零点の場合は「チョツト」と人の心を思いやる表現を致します。競技大会もかつては茶香服大会と優雅な名稱でした。
 中国で1400年も前に始まった斗茶は、現在も茶道七事式(茶歌舞伎又は利茶)の一つとして残り、又、全国茶審査技術競技大会の一種目として生きつづけています。
 お茶のおいしい季節、精々ご愛飲下さい。


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