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13  vol.31 何で八十八夜?
2021.10.28 Thu.
 「八十八夜」とは暦日(雑節)の一つで立春(二月四日)から数えて八十八日目(五月二日・閏年は五月一日)、春から夏へ季節が移る節目の日のことです。この頃摘まれる八十八夜新茶は無病息災・不老長寿の仙薬の縁起茶として珍重されています。実際に八十八夜前後に製造される新茶は滋養分が豊富で味・香り共に充実しています。
 それでは何故「日」と数えずに「夜」と数えるのでしょうか?それは、この季節が晩霜の心配な時期で霜は日中ではなく夜半に降りることから、霜への備えを怠らないよう「夜」と数えた先人の教えなのです。
 霜害は夜半の気温が零度以下になり大気中の水蒸気や茶葉に含まれる水分が凝結し、太陽が昇って溶け出す時に新芽の柔らかい細胞を破壊します。新芽は赤茶けた色となって枯れてしまい生産家の一年の苦労を台無しにします。そこで現在茶園では「防霜ファン」が活躍しています。電柱に扇風機が付いた様なモノで降霜時に起こる気温の逆転現象(放射冷却)を利用します。茶株面付近の気温より地上6メートル位の気温が4〜5度高くなるため、この暖かい空気をファンにより吹き降ろして茶株面の気温を高めて霜害を防ぐという仕組みです。
 さて「八十八」と言えば「米寿」(八十八歳)です。これは米という字を分解すると八十八に成るからです。また「茶寿」(百八歳)は茶の字を分解すると草冠は十が二つで二十、その下を米の字に見立てて八十八、合計で百八に成るためです。百歳を越えるお年寄りが増えた昭和三十年代に出来た新語でお茶を飲んでいつまでも元気で長生きという願いが込められています。事実、茶の樹は長生きで何百年と枯れることはありません。
 今年も冬場の天候に恵まれて美味しい新茶が出来ています。白銀屋自慢の鮮度感抜群の大走り新茶、滋養豊富な八十八夜新茶、滋味濃厚なやぶ北深むし茶を飲んで新茶の季節を満喫して健やかにお過ごしください。


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