ラジオ・シャック |
6AB8シングル・2球ステレオアンプの製作
(画像をクリックすると拡大して見ることができます。)
2球ステレオアンプと小型スピーカ |
手持ちの真空管に6AB8が2本あったので、これを使ったステレオアンプを組んでみました。 6AB8はテレビ受像機用に設計された複合管で低周波増幅・電力増幅用の3極5極管です。ヨーロッパ系のECL80と互換です。テレビでは垂直発振・垂直増幅や同期信号の分離・増幅にも適しています。 3極部で電圧増幅、5極部で電力増幅を行っています。音質調整は付いていません。イコライザも付いていないので、MC型カートリッジのレコードプレーヤーやテープレコーダなどとの接続には向いていないかも知れません。 出力も1W程度と大きくありませんが、音量の程度がちょうどいいのでパソコンのスピーカシステムとして使っています。小型のスピーカは秋葉原ラジオセンターの菊池無線電機で購入した木製スピーカボックス入りで、1個2,280円(2008年11月)でした。 この球はカソードが共通なのですが、それぞれのユニットのグリッドバイアス電圧が異なるため、セルフバイアスで用いる場合はカソード回路に若干の工夫が要ります。詳細は回路図でご覧ください。 回路図,外観図は下記のドキュメントをご覧ください。 |
回路図(PDF 114kB) 外観図(PDF 85kB) | |
アンプの前面 |
アンプの前面です。オーディオ入力は背面に2系統設けましたので、その切り替えを右側のスイッチで行っています。 左右の音量バランスを調整できるように各チャンネルの音量を変える2つのボリウムを備えています。2連ボリウムにしなかったのは使用した真空管がジャンクで特性にバラツキがあるかもしれないことを考慮したためで、敢えて操作性を犠牲にしました。 ヘッドホンを使用するときのためにスピーカをOFFにするスイッチを設けていますが、スピーカを切り離しても出力トランス2次側の負荷は一定(8オーム)になるようにしました。また、ヘッドホンには220オームの抵抗を直列に繋いで音量を抑えるようにしてみました。 |
アンプの背面 |
背面には入力端子とスピーカ出力端子があり、入力はRCAピンジャックと小型ステレオジャックの2系統を備えています。 |
アンプの上面 |
アンプのカバーを外して上からみたところです。出力トランスは東栄変成器のT−850(2W型)、電源トランスも東栄変成器のP−45を使っています。B電源の平滑用抵抗は回路図では1.5kオーム10Wですが、手持ちの関係から2.7kオーム20Wと3.9kオーム20Wのセメント抵抗をパラに接続しています。 |
内部の配線 |
アンプ内部の配線の様子です。真空管周りの配線は1L6Pの立てラグ板を向かい合わせにして真空管ソケットと共締めで固定し、その間にCR類を渡しています。 B電源はSiダイオード2個による2相半波整流で平滑用の電解コンは比較的大きな容量の100μFを3個使っており、これらを平ラグ板にハンダ付けして実装しています。初段の平滑用抵抗はシャーシの上面に配置しています。 中央のセメント抵抗はスピーカをOFFにした時の出力トランス2次側負荷抵抗の8.2オームです。 写真では見えにくいですが、左右のチャンネルのボリウムはシャーシ内に取り付けたL型のアルミ板に固定しています。これは、ボリウムの取り付けナットを内側に隠し、ボリウム調整用の小さなツマミと前面パネルの隙間をできるだけ小さくしようとの外観上の配慮からです。 |
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