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現在の中国(中華人民共和国、大陸中国)は、人口10億以上のの多民族国家です。 漢族といわれる人たちが支配階層にいます。 この漢族といわれる人たちが皆「漢民族」かというと実際の所はそうとは言い切れない部分もあります。 漢民族ではない少数民族と一般に呼ばれる人たちには、 満州族、モンゴル族、チベット族、ウイグル族(ここまでは以前国家を持っていた民族)、 ミャオ族(テレビの旅番組のせいで結構知名度高し)、イ族、チャン族 ・・・など公称55民族ともいわれるほど多くの民族があります。 これらの民族の中にはチベット族のように自治区と呼ばれる自治行政区を持っている民族もあります。 これらの地区では独立運動や反政府運動がある場合もあります。 中国の国境がほぼ現在の位置に定まったのはまだ(歴史的に見れば)新しく、 第二次大戦後に中国共産党が「外征」を行った結果だからです。
もともとの漢民族が持っていた一種のエリート思想で、 これは、中国が暗い四海に囲まれた世界の中心で、そこに住む中国人は世界(中国とその周辺)で唯一の文明人(世界の中心の華) であるという思想です。端から見れば一見鼻持ちならない考え方に見えますが、 古代で言えば実際の所中国周辺の状況はこの通りであっただろうと推察されますから、まあ仕方ありません。 この思想の特筆すべき点は、いわゆる「教化」という考え方にあります。
近代帝国主義国家(主義というか、西欧人とそのやり方をまねた日本人)が、 人が住んでる国に行って勝手に(応じない場合は武力等脅迫によって)自分の領土にしてしまうという ずいぶん乱暴な手段を用いて領土を広げたことは歴史を学んでいれば既知のことです。 ところが歴史的に見ればこちらの方が普通であることがわかります。 世界の歴史は民族併合と民族殲滅の繰り返しで成り立っているのです。
しかし、中国は古来周辺諸国に対して「教化」を基本原則に置いてきました。 もちろん漢の武帝などのように外征をした例がないわけではありませんが、 古代においてあれだけ強大な国家にしては国境線に変化がない方だと思います。 周辺国家とは「朝見貿易」を通して中華の威光を知らしめ啓蒙する(未開の蛮族を文明化してあげる) つまり宗主国と属国関係なのですが、おもしろいことに近代植民地とは違い、朝見貿易で中国は儲からないという点がミソで その現れとして日本から派遣された遣隋使・遣唐使といった朝見においても 中国の朝廷に上納した献上品の10倍する価値の(当時の)最先端物資が下賜されていたといわれています。
四大文明は文字(歴史の明確化)を持っています。 中国の言葉に「名をチクハクに垂る」があるように、司馬遷の史記や各王朝の史書ができる前から各(都市)国家は 自前の史官を持ち、相互に(貴族の)出来事をやりとりしていました。 そのため商(殷)王朝の実在は証明され、文字誕生以前にあったとされる国家、夏王朝は実在の証明がされないため 歴史の教科書には掲載されないのです。堯・舜・禹王(夏王朝の高祖)ぐらいまでは実在していそうですが。 マヤ文明にも文字(絵文字)はありましたが、有名な王の名から文字が解読されたエジプトのヒエログリフと違い、 その後他国家への影響の少なさから文字解読の糸口を得られないまま滅亡しました。
注:インダス文明の文字は未解読ですが、四大文明に含まれています。四大文明という言葉は、それに振り回されないように 暗記のためだけに覚えるべきです。
大陸中国と台湾中国、この2国間の緊張は(チベット問題などに比べ)国際社会に広く知られています。
あくまでも領土問題なのですが、そうではない一面も持っています。
簡単に言えば「天に二日なく地に二王なし」という中国思想に関する問題です。
大陸中国がこの問題に口を挟む諸外国に対して国内干渉だと言い張る理由もここにあります。
第二次大戦中に共産党軍とともに日本軍と戦った国民党軍が、戦後の内乱で破れ、落ち延びて作ったのが台湾中国の中華民国です。
台湾中国が「自分たちこそ正当な中国の後継者だ」という限り、天(中華)に二日があってしまうわけで、
中国がまだ統一されていないということになってしまうからです。(台湾中国の名称は中華民国。)
これと似たようなことは歴史上にもありました。有名な「十八史略」の最後の国「南宋」を「フビライ・ハン」の「元」が
滅ぼしたときのことです。このときも大陸は元に制圧されたため宋の皇帝は海に逃れました。
(このときは元の軍に囲まれて宋は滅びています。詳しく知りたい方は十八史略の口語訳本が出ていますからそちらをどうぞ。)
2002年現在、台湾中国の代表は(大陸からの亡命者ではない)台湾出身者になり、今後の動向が気になるところです。
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