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このページは、仮想三国志8のプレイ記が書かれています。ページ作者以外にはどうでもいいような背景については、 序を参照してください。
209年1月現在、「劉備」は「荊北」5国、「司隷」2国、「長安」「江陵」「永安」の都合9国を治めていた。 現在は手に入れたばかりの「司隷」2国に文官の多くを送り込み、「内政重視」方針を採らせている。 連合結成中で、連合国は、盟主「劉備」の他「孫堅」「馬騰」「Bi竺」である。 現在「劉備」は対「劉璋」前線の要衝「永安」にいる。
209年正月の「評定」において、各地に放ってある密偵からの情報を分析したところ、
見過ごせない内容が含まれていることが判明した。
「「張魯」が「長安」を?」
「はっ、「長安」「太守」「呂蒙」様からも同様の連絡がございますれば、間違いないかと。」
「馬鹿な、「張魯」とは連合こそ組んではいねえが、「反董taku連合軍」の頃からの友好国なんだぜ。」
「劉備」が信じられないという顔を文官に向けると、文官もそれ以上は押せなかったが、
「李恢」が文官に助け船を出した。
「「張魯」殿は、昨年の「連合結成」時に「加盟」なされませんでしたな。」
「ああ。」それは「劉備」も認めた。これまでずっと連合に「加盟」してきた「張魯」どんが急に断ったので、
何か災害でもあったのかと外交官を使わして見舞金を送ったのだが、帰ってきた者の話では特に変わった様子も
見受けられなかったとのことだったが…。
「私も不思議に思いまして、さる信頼できる者から南鄭城内の様子を聞いたところによりますと、
「加盟」を蹴った件も「長安」を手に入れるためだった由にございます。
かの国の「評定」でそのように方針転換が決定されたと申しておりました。」
「しかし、「張魯」どんが「長安」をとっても、一時的に領土が増える以外に何もいいことなんて無いんじゃねえのかい。 あの国は道教の国で漢とは反りが合わないはずだから、帝を手に入れたところで何ができるわけでも無し。 こっちだって攻撃されれば黙っているわけにはいかねえ、反撃するのは目に見えているじゃねえか。 それに確かあっこの国は、主立った将官が10人ぐらいしかいねえはずだ。1国を守るには十分かもしれねえが、 2国を治めるのすらきついはずだぜ。」
それについては「陳震」が見解を示した。
「先秋「漢中」に行った私が見たところでは、「漢中」は十分に開発が行われている様子でした。
しかれば、それが逆に作用したのかもしれませぬ。」
よく分からないといった顔の「劉備」に「陳震」は話を続ける。
「つまりはこういう事でございます。「張魯」殿のお立場が単に一太守であれば、
「漢中」が十分に栄えておれば、有能な官として朝廷の覚えも目出度く満足できるでしょう。
しかしかの国は道教国家であり、儒教一尊の漢帝国とは相容れませぬ。よって昇進などあり得るはずもなく、
「太守」以上のものを目指すとなると、
自力で勢力拡大を行わなくてはならない事情があると言えまする。」
「そういった視点で周囲の国を見回しますると、「馬騰」殿の「武都」は土地がやせ魅力が少なく、
「劉璋」殿の「Fu」は軍備が万全でございます。残るは殿の領土、というわけでございます。」
「さらに申さば、欲に目の眩んだ者は、それ以外のものが見えなくなるものでございます。」
「ふうん、そういうもんかねえ。じゃあ夏になったらもう一度「張魯」どんの真意を確かめてみるとしよう。
それでもし敵対が真意であるなら、こちらもそれ相応の礼で返してやらねばなるめえ。
帝にもしもの事があってはまずい。
万が一に備えて「長安」「上庸」にある程度の将は配置しておくことにしよう。」
「劉備」は浮かない顔で春の評定を閉めた。
「張魯」の敵対行動は決定的となった。「劉備」自身の放った密偵によって「張魯」が「戦争重視」を国家目標とし 矛先が「長安」であることが判明したのだ。
「劉備」が諸将に向かって問う。
「大義もなく勝てっこないのに何故戦をするのかねえ。なるべくなら戦は避けたい。誰か「降伏勧告」を
してやってくれないかい。」
「諸葛亮」が首を振る。
「「劉備」様、それは難しゅうございます。どなたが行っても「張魯」は首を縦には振りますまい。
不首尾となればその使者が恥をかくだけにございますれば、まずどなたも行きたがらないでしょう。」
「劉備」がそうだよなあという顔をして俯いた時、文官の中から声がした。
「劉兄ぃ、俺が行ってきてやってもいいぜ。」
声の主は「簡you」であった。
「兄ぃの気持ちはよく分かるし、俺は別に功名なんぞ気にしねえから今までろくな役に立ってこなかったしな。
恥のかきついでだ、行ってきてやるよ。案外「張魯」だって腹を割って話をしてみれば、分かってくれるかもしれねえ。
「長安」さえ無事なら兄ぃだって攻めようとは思わないだろ?」
「おう、「簡you」来てやがったか、珍しいじゃねえか、お前が評定に真面目に…、いや、 うん、その通りだ。せっかくの友好国だ、方針さえ変えてくれりゃこっちは全く構わない。 頼むぜ、「簡you」。無駄な血は流したくねえ。」
漢水沿いに遡上し南鄭に到着した「簡you」は、まず南鄭城民の声を拾って回った。
すると、どうも1年くらい前から雰囲気がおかしくなってきたらしいことが分かった。
やたらと馬の値段が高騰し、見慣れぬ顔の貴人の往来も増えたとのことだった。
さらには「楊松」という者が「張魯」に重用されるようになってから、
「徴兵」される者が増え、「訓練」も頻繁になったらしい。
「楊松」について聞くとこれがまた評判が悪い。「簡you」が外国の人間だからか、
喋る相手が見つかって良かったとばかりに出てくる出てくる「楊松」の悪口。
金を貰って牢から悪人を逃がした、悪徳商人から袖の下を受け取って商いを牛耳っている、
町娘の依頼があった時いやらしい見返りを求めた、泥棒を見逃した見返りに盗品の一部を受け取った、
どこまで本当やらと思いながらも「簡you」は、
「こんだけ「私欲」の塊みてえなヤツも珍しい、
それに「見慣れぬ顔の貴人」というのが奴らだとすると…、こりゃ交渉は厳しいかな?」
と、何かを考え込む様子で「飯店」に帰った。
次の日「簡you」は「張魯」に面談を申し出た。
ピリピリとした雰囲気の文武官がで居並ぶ中、
ちょっくらごめんよとばかりに威厳のかけらもなく「張魯」の前まで進む「簡you」、早速話を切り出す。
「「張魯」さんよう、これまでだって仲良くやってきたじゃねえか、なんで今になってこうなっちまったんだい?
昔ならいざ知らず、ここまで国力に差が出てから討って出るってえのは、ちと解せねえ。」
「簡you」の脅しにも「張魯」は屈せず黙ってこちらを向いたままだった。すると列将の中から声が挙がった。
「「簡you」殿、我らは同盟国でもなければ、連合国でもございません。それに、そもそも
「劉備」殿も「長安」を攻め落として、他から漢帝を奪ったのではありませんでしたか。」
諸将からも「そうだ、そうだ。」との声がかかる。
「簡you」はチラと横目で言い出しっぺを一目見て、
「こいつが「楊松」か、なるほど小悪人面してやがる。
丁寧な言葉で喋ってる割に内容は全部悪口だ。いるんだよなこういうヤツ。
この手のヤツは、どんな美辞麗句を口から出していようと、目を離した途端懐刀を突き出す。
こいつが諸将を焚き付けやがったな。」と感じ取った。
「だいたいお前等五斗米道が帝を手に入れてどうしようってんだよ、
下手なことすりゃ中国中の諸侯の袋だたきに合うってのに。」
どうやら将等は皆「虚言」に乗ってしまっており、状況判断ができなくなっているようである。
ポーカーフェイスはお手の物の「簡you」は気にせず続けることにした。せめて「閻圃」には 期待していたのだが、「楊松」が手を回し追い落としたらしく「閻圃」は文官側の遙か末席に立っている。
「では、どうあっても戦うということでしょうかな。」
「うむ。我らとて見苦しい戦いをするつもりはない。
攻めれば必ず奪う自信があり、
攻め寄せられれば互角以上の戦をして見せましょうぞ。」
「張魯」は自信満々にそう言い放つと、「簡you」との面談を打ち切った。
帰都した「簡you」は、「劉備」その他諸将に向かい「降伏勧告」の不首尾を簡潔に済ませ、探ってきた城中の様子について 重点的に述べた。「張魯」の態度、「楊松」の人物、城中の様子、特に「諸葛亮」に目配せをしてから 「見慣れぬ顔の貴人」について述べた。
「諸葛亮」は「馬謖」と視線を交わして頷きあってから話を切り出した。
「「劉備」様、おそらくそれは、「魏公」の使者だったのでございましょう。
我らの連合により、国境地帯の守備に不安を感じた「魏公」が、遠交近攻策を取ったものと思われます。」
「遠交近攻ったって、「張魯」どん自身の周りには同盟国もないし、 攻められれば遠い「曹操」の国から「援軍」なんぞ来やしないぜ。」
「連合軍という手があります。」
「諸葛亮」は「劉備」の甘い認識を改めた。
「「張魯」が前もって守備の甘い後方国家を幾ばくか切り取っておいて、「長安」の帝から勅を引き出します。
そこで「曹操」が「反劉備連合軍」を提唱する、という筋書きでございましょう。」
「ございましょうって、それに乗りそうで、俺らに勝てそうな国なんて「曹操」本国を除けば、 「劉璋」ぐらいかい、あそこには「張任」「黄権」がいるからなぁ、それでも互角の戦いはできるぜ。」
「南の国をお忘れ無く。」
また「諸葛亮」は「劉備」の甘い認識を改めた。
「今は連合軍結成中ですから、「盟約破棄」される虞はありませんが、その後はどうでしょう。
かの国が敵方に回るとすると「馬騰」殿を除く全ての国が敵に回る絵図すら書けなくはありません。
あとは、「張魯」殿に「益州」牧などの餌をちらつかせれば…。」
「そのよう点を「魏公」が「張魯」殿に説いたとしたら、信じない、と言い切れないのでは。」
「さらに言いますれば、かの国にも使者が訪れていると考えるべきでしょう。金品を送り懐柔しつつ、 「張魯」の動きも流し、長江以南の支配権を認めるよう帝に上申すると約束をしている、といったところでしょうか。」
「ここで、張魯を叩き、甘い菓子を与えられて夢想している者共の目を覚まさせてやらねばなりません。」
「わかった。「張魯」どんも覚悟を決めて啖呵を切ったんだ。今回は相手の方が準備万端だろうが、 それでも「長安」の裏戸がいつも開きっぱなしじゃ不用心でいけねえ。「上庸」の「張飛」と「長安」の「趙雲」に 連絡を取ってくれ。目標は「漢中」とな。」
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