脳細胞の休憩室

3.詩  集

読んでみると心が安らぐ二人の詩をまとめてみました




 《 繊細で素直な言葉で綴る、心を打たれるものが多いですね!

  中には自分の行動を指摘されているようで ドキッとするものもあります。 》


  3−1.相田みつを作品集 (トイレカレンダー「ひとりしずか」より)


 トイレの中ではだれにも見られません。自分一人です。  だれにも見られないトイレの中で、
 このあたりまえのことをどう具体的に行ってゆくか?  というと、そう簡単なことではありませんね。

 だれにも見えないところで行う自分の行(ぎょう)ですから。 だからトイレは大事な修行をする
 道場なのです。


1.そのときの出逢いが・・・
   出逢いそしてその感動 人間を動かし人間を変えてゆくものはむずかしい理論やりくつじゃ
   ないんだなぁ 感動が人間を動かし、出逢いが人間を変えてゆくんだなぁ・・・

2.ここは孤独なところ 自分が自分になるところ

3.いまここにだれともくらべないはだかのにんげん わたしがいます

4.自己顕示 自己嫌悪 わたしのこころのうらおもて

5.花には人間のようなかけひきがないからいい ただ咲いてただ散ってゆくからいい
   ただになれない人間のわたし

6.だれうらむことはない 身から出たさびだなぁ

7.あなたのこころがきれいだから なんでもきれいに見えるんだなぁ

8.自信はなくてうぬぼればかり ああはずかしいはずかしい

9.この我執の強さそしてこの気の弱さ 共に仏さまがわたしに授けてくれたもの

10.べんかいのうまい人間 あやまりっぷりのいい人間

11.あの人がゆくんじゃわたしはゆかない あの人がゆくならわたしもゆく あの人 あの人
    わたしはどっちのあの人か?

12.アノネ がんばんなくてもいいからさ 具体的に動くことだね

13.いちずに一本道 いちずに一ツ事 観音様に助けられ 佛さまに守られて 曲りなりにも
   一本道 迷いながらも一ツ事

14.くさびだから一番大事なところへうつ くさびだから見えないようにうつ

15.おさい銭 百円玉一ツぽんと投げ 手を合わす おねがいごとの 多いこと

16.できない約束は しないことだな

17.きれいな玄関と床の間だけじゃ生活できねんだよなぁ

18.けれどけれどでなんにもしない

19.ひとつひとつかたづけてゆくんだね 具体的にね

20.かげぐちをいわれることを知りながら ほめられればすぐのぼせるわたし

21.あんなにしてやったのに 『のに』がつくとぐちが出る

22.捨てる どうでもいいものから捨ててゆくんだね

23.一病息災 貧乏神同居 しかもかくのごとくなりといえども いのち明朗いのち満点

24.親切という名のおせっかい そっとしておくおもいやり

25.そんかとくか 人間のものさし うそかまことか 佛さまのものさし

26.浄玻璃の鏡のまえに立つまでは 秘めておきたし あのことも このことも
   浄玻璃(じょうはり)の鏡:地獄の閻魔王庁にあって、亡者が生前に為した善悪総ての
   所業を映し出すと言う鏡のこと。おっかない鏡ですね。

27.アレもコレもほしがるなよ

28.体験してはじめて身につくんだなぁ

29.ふるいものを出さなければ あたらしいものは入らない

30.一生燃焼 一生感動 一生不悟

31.願(がん)

 願を持ちましょう 「願」と「欲望」とは根本的に違います。わずかなお賽銭を挙げて、それも年一回の初詣のときぐらいで、「家内安全。商売繁盛。お金がいっぱいできますように―」なんてね。 こういうのは個人的・私的な欲望です。それを私は否定しません。私も同じですから。

しかし、そういう私中心の欲望とは全く別に、
○ 核戦争など絶対に起こりませんように――
○ 世の中がどうか平和でありますように――
○ 山や海や河、そして土、水、空気、自然が、人間のつくる公害で、これ以上汚れませんよう に――

と、 心から念じたとき、それを「願」といいます。
どんな小さな「願」でも心ひそかに持ちつづけ ていると、顔がよくなり、眼の色が深く澄んできます。

ひとりひとり自分に合った「願」を持ちましょう。
そして「一隅を照らす」人間になりたいものです。





 3−2.星野富広ほしのとみひろ 氏が口にくわえた筆で描いた詩画集です

     《 星野氏は、1970年6月に不慮の事故で頚椎を損傷し、手足の自由を失う。

       その後、僅かに動く口に筆を銜えて文字や花の絵を描き続けている手記です。

       詩画を通して命の尊さ、やさしさを静かに語っています。 》

     ※画像はクリックすると拡大して見られます。

 《花の詩画集》 鈴の鳴る道 

 花は「ふしぐろせんのう」です

 1.故郷ふるさとの道 

 花は「すいせん」です

 目次と序章には「よめな」、「きんもくせい」、「海どう」が
 繊細なタッチで描かれています。

 沈丁花(1985年) 

 誰にでも やさしい言葉が
  かけられそうな 気がする
  沈丁花の香り ただよってくる朝

 ぼけの花(1986年) 

 やっと暖かくなった
  庭に出て 太陽に 顔を向け
  ボロボロと 涙を出して 遊んだ

 〈きんれんか〉(1986年) 

 花の名前を 知らない そのことが
  今朝は ばかに嬉しい
 花だってたぶん 自分に付けられている
 名前を知らないで咲いている






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よく噛締めて読むと こころが洗われるものが多いですよ!