IGMA Guild School 2001
スクール4日目(クラス2日目)
朝6時半にはみなダイニングに集まり始める。私の部屋からダインニングルームの半分が見えるのだが、もう人影が動いている
カフェテリアはバッフェ形式、 ダイニングは海洋学校らしく世界の国旗が(日本のはなかったが)
ここで平均的1日をご紹介しよう。
まず朝食は6:30〜7:30 7:45から最初のクラスが始まり、9:45〜10:00まで休憩。おやつタイム。
各エリアにお茶やジュース、マフィンやドーナツなどがたんまりある「おやつステーション」がある。
10:00〜12:00までクラス。12:00〜1:00までランチ。
1:00から3:00まで3クラス目、3:00から15分間また休憩。3:15〜5:15 4クラス目。
5:30〜ディナー 7:30〜ナイトセミナーやイベントなど 11:00までVIPルームにて談笑可といったところ。
さて。
朝食も少しずつメニューが違っていて、今日は持参したインスタント味噌汁とマグカップラーメン、後はフルーツとタマゴなどを選んだ。
朝食後、コーレイ氏の部屋へ行く。この棟の部屋は私の所より狭いがなんとお風呂がついている!!
だから少し高いけど人気がある。申込み用紙にそれらしいことがかいてあったのはこのためかと納得。
コーレイさんは奥さんと2人で参加しているとか。30歳代のビジネスマンらしいが、同僚に、休暇を使ってミニチュアを作りに行くと言うと、「ドールハウスの?」と変な顔をされるので、最近は言わない事にしているとか。
ビル・ロバートソン(木工・メタル)のクラスだけを毎年とっているとのことで、どうやら彼の熱烈なファンらしい。
アルファベットで日本語を書き、ジジ(ダンナ)にEメールを送る。
★☆ イス(2日目) ★☆
今日は足の部分の溝引き。でもこれは前2本の片側だけなので、そんなに手間はかからない。座部分と接着して、骨組の横サポートを接着する。
そういえば、きのう40歳代の大男ジムのジュラルミンのトランクの話を書いてなかった。
同じクラスの生徒で、大柄な、クロ縁のメガネをかけ、低い声の男だ。彼が持参した大きなジュラルミンのトランクを机の上に置いた時は、まるでゴルゴ13のようで何が出てくるんだろうと緊張したけど、開けて見ると、ドレメルの電動ハンドツールがぎっしりだった。おもむろにスタンドを取り付けて、自分のワークステーションを立ち上げてしまった。恐るべし。「なかなかやるな」と少しビビったが、結果はあまりやらなかった。けっこう集中しているので写真を撮るのをついつい忘れてしまう。あしたは撮らねば。
ランチとディナーの時に、サイレントオークションの品物がダイニングの出口付近に並べられる。自分の買いたいミニチュアの番号と落札価格を書いてボックスに入れておくシステム。
私も自分のミニチュアをドネーションしたので、いくらで売れるか楽しみ。今日は和風のルームボックス。
みんなのツールバック ダイニングの入り口に置いて食事をとる
★☆ メタル(2日目) ★☆
せっかくサンディングしていたのに、隣のアリソンが心配そうに「どう?」と覗き込んで見てくれたところ、ピット(金属の表面に穴や回復できないキズ)があると言い出し、アランも飛んできて。「あっ、これじゃだめだから違うの使って」と言われまた最初からやり直し。え〜ッと思ったけど、仕方ない。この工程のおかげでクラスが終わるときには、手や作業台が真っ黒になっていく。ウエットティッシュを持って来て正解。
私以外は皆リピーターなので、もう何日も前からクラスが始まっていたかのようなムードがあって、まるで私が転入してきたかのような気がする。
でも居心地はよい。
きょうは両側を2ミリほど削る方法を教えます。と言ったのでどうするのかと思ったら、結局やすりでこすって削るのだ。おかげで手は真っ黒。2時間中ギコギコ音がクラスをつつむ。でも明日は待望のソルダリング(はんだづけ)だというので楽しみだが。
★☆ フラワー(2日目) ★☆
先生がデモをしたあと席に戻ってそれをやってみる
この教室は太陽が差し込むので暑い。しかも狭いのでドアを開けていても暑苦しい。
皆も顔を赤くほてらせて頑張っている。何人かの人はその前のクラスもとっているらしく、私が教室に入るともうすでに半分の人はそこにすわっている。
今日は2種類目の花。まず先生の机のまわりに集まり手順をみせてもらい、その後、各自自席に戻って作り始める。1本に付き15枚ほどの花びらをつけていき、それを4本くらい作ると、もう時間がきている。
けっこうリピーターの人も多く最初からリラックスしたムードで、世間話などしながら手を動かしている。私のクラスは皆たわいもないおしゃべりをしながら、楽しくミニチュアを作っているので、緊張感は全然感じない。
ここには家具のクラスとダブっている人が何人かいることがわかってきた。
凄い速さでしゃべるマージ・・・私は密かに彼女を”3倍速マージ”と名付けた。それから小朝に似たオランダのゲイおじさん・・・彼には”オランダ亭小朝”と命名した。
マージは初めての参加。小朝さんは4回目の参加のようで、今回彼の選択したクラスの先生が直前に心臓マヒをおこしてキャンセル。来校するまでそれを知らず急遽、家具と花のコースに変更したそうだ。今日はその話題でひとしきりおしゃべりが盛りあがっていた。
私は寡黙な日本人を演じているので、聞くと言うより、その場に居合せるといった感じ。でも人間観察ができて面白い。
あっという間に2日目が終わり、ディナー。今夜もセミナーがあるので何だかすごく忙しい。
ちなみにディナーやランチには必ずアイスクリーム6種+ケーキ各種のデザートがあって、これは老若男女、肥満度を問わず人気があった。
メインディッシュのメニューも毎日変わって、味もおおむね好評の様だ。
夜のセミナーは今日までなのだけど、すでに時差ぼけ寝不足、栄養不良でお疲れモードの私はここでちょっと失敗をやらかしてしまった。
今夜はスカーフをつくるクラスだったのだが、講習直前、私は大きな誤解をしていることに気がついた。
てっきり、スカーフ→三角か四角の絹のスカーフ→、用意するもの→針・糸・ハサミ→縫い物・・・という要素で想像が勝手に働いてしまい、スカーフをミニチュアでどう作るのか楽しみ、と思っていた。(言い訳をするならセミナーは2時間だけのクラスでパンフには写真などは載っていない)、今パンフを読み直すと、このクラスは Knitting miniature scarf と書いてあって、実は編物のしかも棒編みのクラスだったのだ。おまけに、ここで言うスカーフとは日本のマフラーのことで、細い針金の編み棒で刺繍糸を使って編むというもの。
なおかつ、編み方が日本と逆で、私が昔25年位前に習ったたときはガーターとメリヤスだったのだが、それさえも糸のかけかたや目の拾い方などが、何と言うか鏡の中をみているようで全く逆さなのである。最初の目の作り方も母親に習ったものを思い出しながら試行してると、先生曰く「ああ、そう言うのもあるって聞いてたけど見るのは始めてだわ」なんて嬉しい事をおっしゃる。
期待通りの悪戦苦闘。隣の人は既に5段ぐらい編んでいるのに、私は3段で目を滑らして落としてしまい始めからやり直し!トホホ・・・。いや〜興味はありますが 鍵編みで事足りていたものですから・・・と心の中で叫びつつ、同じ部屋の3メートル先でやっている絵付けセミナーの方に目が飛んでいる。(いかん、いかん) それを見透かすかのように、先生が 「飽きた人は別のキットが入ってますから・・・」なんておっっしゃる(ギクッ)
*途中で挫折する人(がけっこう多いらしい)のためにキットの中に編物とは関係ないミニチュアキットが入っていた
10人のうちほとんどの人はすでに慣れているようで特に質問も出ずスラスラと静かに編んでいる。私ともう1人だけは相変わらず悪戦苦闘で先生を独占している状態。先生はスーと言い70歳近くのおばあちゃん先生だがとても上品で優しい。
結局はじめの13目からを先生に作ってもらうことに。
こころなしか隣の人の視線が 「この人これでもスカラなの」と言いたげな冷たいもので、最後まで会話をしてもらえなかった。
結局3段を編んだところで終わり。でもミニチュアなので3段といってもほとんど確認できず糸が針金に絡まっているよな感じ。
全然予期しないプロジェクトとは言えすご〜く恥ずかしい。
昔、楊枝で編んだことがあったけれど、針金は滑ってお手上げ(でも皆は出来てるのにね・・・・)
スー先生とはこのセミナーだけの一期一会のはずだったがが、意外にも最後まで「えにし」があった。
スー先生と生徒 これはスー先生個人の作品製作中
部屋にもどってスーザンに事を話すと大笑いで受けて、作ったものを見せろというがとても見せられない。
結局最後は見せたけど、カルチャーギャップかケアレスミスか、おまけに時差ぼけ天然ボケ、スカラーの面目丸つぶれ。
「大丈夫、スーはいい人だから気にしてないわよ」とわけのわからん励ましをもらう。
まもなく向かいのトニーが入ってきて、クラスで作っている人形を見せてくれた。
トニーの作った人形は老婆とか売春婦。なんでそんなスレたものを作るのかといえば、これはあるミュージカルの登場人物でそのワンシーンをミニチュアで再現するからとのこと。なるほど。
トニーと作った人形の土台を2体
しばらく、私の作品アルバムを見ていた彼女が声をあげたので何かと思ったら、以前私のルームボックスを掲載してくれたイギリスのドールハウス雑誌の表紙にちょうど先生の作品が・・・ 彼の名前はジェームス・キャリングトン。彼は辻村ジュサブロー系の雰囲気のある男性で見るからにアーティスト。
しばし、ドールの話や色々な話題が持ち出される。トニーはインディアナ州からきた一年生で、スーザンは色々詳しく知っているベテラン生なのであれやこれやのだれやそれやのミニレクチャーがベットルームでひらかれた。