予告編

(画面)宇宙空間。・・・その中に浮かぶ青い惑星。地球。

(画面)地球を背に宇宙空間を航行している宇宙戦艦ヤマト。しかしその姿は朽ち果て,その主砲からは一発の砲弾も発射される様子はない。表面は穴だらけで修理は全く追いついていない。もはやまともな部位などどこにも見当たらない。すでにこの段階で,この戦艦はその機能をほとんど喪失している。それはただの鉄くずのスクラップに過ぎない。エンジンが稼動している事自体が奇跡である。破片や部品,機器などもぽっかり開いた穴や甲板,装甲などからはがれ,宇宙空間に散乱し続けており,それはすでに自己破壊の状態に陥っている。・・・宇宙戦艦ヤマトを神話と信じる方々には誠に申し訳ないが,これがパラレルワールド(平行世界)である”さらば宇宙戦艦ヤマト−愛の戦士たち”のラストシーンのヤマトである。・・・よってここからの後日談となるこの物語は”宇宙戦艦ヤマト2”以降のヤマトの世界とは一線を引くものとお考え願いたい・・・。これもまたパラレルワールドなのだ。

(画面)宇宙戦艦ヤマトの左側舷。
(ナレーション)・・・君は覚えているか。あの時の笑顔を・・・。
(画面)やさしく笑いかける古代 進。
(画面)まばたきをして笑顔を返す森 雪。

(ナレーション)・・・君は覚えているか。あの時の涙を・・・。
(画面)敬礼しながら涙を見せる藤堂平九郎。
(画面)右拳を胸にあてて涙を流している島 大介。相原義一。太田健二郎。南部康雄。

(ナレーション)・・・そして・・・君は覚えているか。・・・あの若者たちの艦(ふね)を・・・。
(画面)宇宙空間へ遠ざかる宇宙戦艦ヤマト。・・・やがて見えなくなる。

(ナレーション)・・・人生には,忘れられない物語がある・・・。
(画面)宇宙空間。一筋の閃光。

(メインタイトル)遥かなる我が宇宙戦艦ヤマト(ヤマトの文字は起動表示)

(画面)海面から飛び立とうとする宇宙戦艦ヤマトの左側面。アングルが回転。
(画面)ヤマトの後部の描写。海面からゆっくりと浮かび上がる。
(画面)宇宙空間を疾走する白い巨大彗星。
(画面)前方に都市帝国。手前にそれに立ち向かっているヤマト。回転ミサイルを右舷に直撃され,爆光を放つヤマト。

(ナレーション)・・・シリーズ史上最も過酷(かこく)な運命をたどった宇宙戦艦ヤマト・ファーストシナリオ・・・。
(画面)笑顔も力なく,古代の腕の中で力尽き頭を傾げ,息絶える森 雪。
(画面)滅茶苦茶になった医務室。愛猫を抱いたまま診察ベッドの下敷きになって爆死している佐渡酒造。傍らには破壊されたアナライザー。
(画面)震える手で必死にレバーを握りしめ,計器類に突っ伏し,眼を閉じる事無く息絶える徳川彦左衛門。
(画面)唯一動く首をわずかに上げて軍帽のつばの下から最後の力で笑いかける土方 竜。
(画面)操縦不能となり燃え盛るコスモタイガー戦闘機コクピットで覚悟の敬礼をする山本 明。
(画面)外れたヘルメットの下で満足気に笑みを浮かべ,こと切れている加藤三郎。
(画面)開眼のまま敵の銃弾を浴び続け,倒れそうになる巨体をそれでも足をふんばって立ち往生している斉藤 始。
(画面)憎むべき機械の腹の中の動力炉で不敵な笑みを浮かべ自爆スイッチを押す真田志郎。
(画面)愛する者たちを失い,愛する者たちに別れを告げるべく最後の敬礼を返す若きヤマト艦長古代 進。
(ナレーション)・・・物語の時計が動き始める・・・。

(画面)宇宙空間に浮かぶ地球。
(画面)宇宙空間。青い地球をバックに浮遊している白い救命艇。
(画面)救命艇の内部。そこには赤,緑,黄色のユニホームを着ている若者たちが思い思いの体勢で身体を支えている。
(ナレーション)・・・ガトランティスとのファースト・コンタクトにて辛うじて生き残ったヤマト戦士,17名・・・。
(画面)救命艇内部。島 大介が外を見ている横顔。そこへ重なるように太田健二郎が後方から顔を出す。
(画面)太田が右。島が左のツーショット。
(画面)背中から振り返る島。
島「俺たちは古代艦長と約束したんだ。命あるかぎり,生きて生きて生き抜くんだ・・・!」

(画面)宇宙空間。地球軌道上。島たちが乗っている白い救命艇に近づいていく一隻の地球型宇宙船。
(ナレーション)・・・そして,さらに時は流れた・・・。
(画面)宇宙空間。
(字幕)西暦2202年(画面中央横文字)
(ナレーション)・・・生き残った戦士たちのその後・・・。

(画面)テレビ画面。評論家が映っている。
評論家「・・・彼らの心の中には個人的な人間としての幸せよりも世界・・・いや宇宙規模での幸せを望み,自分を犠牲にしてでもそれを守ろうとすることしかできなくなったのではないかと・・・」
(画面)テレビ画面。ひとりの婦人が映っている。
森 明子「(泣きながら)ヤマトの人たちは皆人殺しよ! 娘を返してちょうだい!」

(画面)入院先の病室。ベッドの上でパジャマ姿の島 大介。相原義一を振り向く。
島「(驚きと戸惑い)・・・お,俺が地球艦隊司令・・・!」

(画面)白衣の白髪頭の穴井雷蔵(あない らいぞう)教授。
穴井「今地球防衛軍はどんな感じかね。わしたちの方は宇宙艦の建造でおおわらわじゃ。ガトランティスはまた攻めてくるんじゃろうかのう」
(画面)南部康雄のアップ。
南部「可能性は大です。あの時の白色彗星からの警告やメッセージから推察すると,あの都市帝国にはどうやらガトランティスの重要人物がいたらしいのです。報復してくることは十分考えられると防衛軍司令部は考えているようです」

(ナレーション)・・・新たなる脅威・・・。
(画面)白い惑星。惑星ガトランティス。
(画面)手前に操作盤デスク。その椅子に腰掛け右足を左ひざへ組み,デスクの上に右拳で頬杖(ほおづえ)をついている若者。
レック・アルド・ズォーダー「(笑み)彗星要塞を破壊され親父殿(おやじどの)を殺されて,それでもなお敵に背を向けて逃げ帰ってきたか,バルゼー」
(画面)右ひざを突き,ひざまずいているバルゼー。
(ナレーション)・・・生きていたバルゼー。

(画面)暗闇に浮かび上がる鋭い両目。
両目「お前が私を拾い上げたのか,バルゼー」
(画面)険しい表情のバルゼー。
バルゼー「・・・彗星要塞のウィークポイントをヤマトのクルーに教えたのか。デスラー。なぜそのようなことをしたのだ?」

(ナレーション)・・・そして,最強の独裁者・・・。
(画面)笑みを浮かべるレック・アルド・ズォーダー。
レック「・・・お前のひいきするあの宇宙戦艦ヤマトは,無残な宇宙の塵(ちり)と成り果てたぞ。生意気にも我が親父殿と刺し違えてな」
(画面)暗闇の目。
両目「なるほど。あの戦争気違い閣下のお坊ちゃんか。・・・謹んで(つつしんで)お悔やみ申し上げる」

(ナレーション)・・・さらに,デスラーの行く末に関わってくる少女。
(画面)ダークブラウンの髪。緑がかった黒い瞳の女性戦士。
フロール「(怒った顔で振り向く)・・・私の名はフロール・レイム・ズォーダーだ!」
(画面)歯を食いしばって見上げるバルゼーの左横顔ローアングル。
(画面)さすがに驚きを表情に表すデスラー。
(画面)気の強そうな表情のフロール。
(画面)デスラーの表情から驚きの表情が消えていく。
デスラー「(ゆっくりと笑み)・・・ほう。これは,これは,プリンセス。近づきになれて光栄の至りだ」

(画面)宇宙空間を航行する白い小型宇宙艇。同機へ襲いかかっていくデスバデーター戦闘機4機。
(画面)コクピットで操縦管を握るデスラー。
(画面)デスラーの後ろで振り返るフロール。
フロール「な,何だ?」
(画面)微笑するデスラー。
デスラー「どうやらお客さんらしい。おもてなしをしなければいけないようだ」
(画面)宇宙空間でデスバデーター隊と空中戦を繰り広げる白い宇宙艇。
(ナレーション)・・・三たび歴史の表舞台に上ったデスラー。・・・彼の前に次々と立ちふさがるガトランティスの刺客たち。

(画面)赤いデスバデーターコクピットのバルラン。
バルラン「塵一つ残さず吹き飛ばしてくれるわ! デスラー!」

(画面)あどけない顔立ちのガトランティスの若者のアップ。
ジューイ「・・・そんな薄っぺらな野蛮人のはったりなんか見え透いてるんだよ! 所詮,自分の国を滅ぼした無能な指導者じゃないか! 大国ガトランティスの足元にも及ばない小国ガミラスのぶんざいで!」

(画面)エアバイクにまたがり,左手で銃を構える女性戦士。。
ビリュー「お前の相手は私だ! デスラー! (銃を連射)」

(画面)スクリーン上でにこやかに首を傾ける絶世の美女。
パメラ「ふうん。あなたがデスラー?。あら,いい男じゃないの」

(画面)冥王星大気圏内。パラノイア戦闘機隊。先頭の一機の戦闘機。
(画面)耳の大きなガトランティス人の若者。
キーク「(通信マイクへ)デスラー! よく聞け! あの時のミル兄さんの屈辱と苦痛をお前にも味わってもらう! 覚悟しろ!」
(画面)画面を手前に通過する白い宇宙艇。それを追うパラノイア戦闘機隊。

(画面)白い小型宇宙艇を弾き飛ばすように立ちはだかる巨大宇宙戦艦バルゼミア。
(画面)見下ろすようにバルゼーの厳しい表情のアップ。
バルゼー「行かさんぞ! デスラー!」

(ナレーション)・・・そして,もはや定説となったヤマトシリーズの論理にも切り込んでいく・・・。
(画面)肌の色が地球人と変わらない不敵な笑みのデスラー。
デスラー「ふふ。ガミラスを滅ぼそうとしたコスモクリーナーDが本当に平和的なマシンだとでも? イスカンダルが地球のために製造したとでも言うのかね? 私がなぜ,わざわざ地球を選び,そしてなぜ時間をかけて放射能で汚染させるような手間をかけたと思っているのかね?」

(ナレーション)・・・あの伝説の女王でさえもファーストシナリオでは健在なのである・・・。
(画面)スクリーン上で,いぶかしげに目を細めるスターシア。
スターシア「デスラー。あなた,今度は何をしようとしているのですか。あなたが向かうところ,いつもろくなことがありません」
(画面)苦笑するデスラー。
デスラー「相変わらず,手厳しいね。スターシア」

(ナレーション)・・・そして物語の舞台は太陽系へ・・・。
(画面)第11番惑星ゼナ宙域にて壊滅している地球監視艦隊。
(画面)被弾しているアメリカ空間騎兵隊所属宇宙揚陸(ようりく)艦レムナント。
(画面)歯を食いしばっている空間騎兵隊隊長ソマリア・ギル。
ギル「(英語)・・・ジーザス。ガトランティスだ。間違いない。しかし,それにしても・・・」
(ナレーション)・・・刻一刻と太陽系へ迫って来る絶望的に圧倒的な軍事勢力・・・。

(画面)夕日の中,英雄の丘に向かって敬礼する島 大介。後方には藤堂司令長官。
(画面)左側に藤堂司令長官。右側に島。ゆっくりと藤堂司令長官が島の両肩に両手をのせる。
藤堂「・・・君は強運の持ち主だ。ここに眠る戦士たちは確かに優秀だった。君よりも優秀だったかも知れない。しかし生き残ることができなかった。・・・いいかね,島君。人の上に立つ軍人にとって最も必要な条件は生き残ることだ」
(画面)島のアップ。
(ナレーション)・・・しかし島 大介に迫る暗示的な運命・・・。

(画面)目を細める佐渡蔵造(さど くらぞう)医師。
佐渡「・・・言っておきますが,私はあなたのよく知っているあのやぶ医者とは違いますよ。病気に関する妥協(だきょう)は一切しません。あなたの病気はすでに,ほぼ把握(はあく)しているのです。下手な嘘はあなたのプライドと身体を蝕む(むしばむ)だけですよ」
(画面)パジャマ姿の島。
島「・・・あなたのおじいさんは立派な軍医でしたよ。先生」
(画面)デスクのカルテに向き直る佐渡医師。
佐渡「・・・島さん。いつからあなた,ご自分の症状に気がついていたのですか。すでに自覚症状があったはずですが・・・?」
(画面)うつむく島のアップ。

(ナレーション)・・・そして島 大介の覚悟の旅立ち。
(画面)実家の玄関先。外へ出る島。後ろから彼の弟の次郎が駆け寄る。
次郎「兄さん。いつ頃また帰って来れる? 訓練学校の入学式には来てくれる?」
(画面)実家の玄関先。振り返る軍服の島。
島「(微笑み)・・・もちろん。・・・もちろん行くよ,次郎」
(画面)次郎のアップ。
(画面)片手を振り背中を見せる島。
(画面)島を見送った後も身じろぎしない次郎のアップ。
(画面)歩き遠ざかって行く島の後ろ姿。
(画面)島を見送った後も身じろぎしない次郎のアップ。後ろから母親の姿。
母親「どうしたの? 次郎・・・?」
次郎「(母を振り返らず)・・・兄さんが・・・。(・・・涙)・・・兄さんが,初めて僕に嘘をついたんだ・・・」

(画面)地球を背に画面に迫ってくる宇宙戦艦アンドロメダ。
(相原の声)・・・月面基地より入電。・・・”貴艦の航海の安全と幸運を祈る。”
(画面)ヘッドマイクを装着している相原。後方には一段高い位置に設置されている艦長席に座っている島。上官の正装。
相原「(後方を向く)・・・提督(ていとく)。返信はどうしますか」
(画面)目深にかぶっている軍帽から優しげな瞳の島。
島「・・・そうだな。・・・諸君の命運を,はるかなるヤマトが加護たらんことを祈る。命を惜しめと」
(画面)一斉に敬礼している月面基地のスタッフたち。
(画面)艦長席で敬礼を返す島。
(画面)画面いっぱいに通り過ぎていく宇宙戦艦アンドロメダ。

(ナレーション)・・・島 大介にも新旧入り乱れるスタッフたちが付き従う。
(画面)アンドロメダの操縦管を握る藪 秀樹(やぶ ひでき)。
藪「・・・速度。第一船速から第二船速へ・・・」

(画面)艦内マイクへ話しかける南部康雄。
南部「ブラックタイガー隊,待機解除。ゆっくり休めよ」
(画面)ヘルメットを外す桂(かつら)隊長。
桂「(にやり)・・・過保護なこった」

(画面)計器類に顔を近づけている土方(ひじかた)機関長。
土方「波動エンジンシリンダー内,圧力上昇・・・」

(画面)大きなドーム型ゲージを見ながら報告する穴井沙織(あない さおり)
沙織「南南西の風,風速8メートル。気温摂氏28度。気圧1024ヘクトパスカル・・・」

(画面)眉毛が下がる島。苦笑する。
島「・・・このアンドロメダにはかつてのヤマトの乗員だけじゃなくて,佐渡先生や森さんも含めてヤマトの乗員の関係者までそろってしまっている。・・・ブラックタイガーまで・・・。こんな一隻にこれだけ集まっているのは,これは絶対に偶然じゃないな」
(画面)微笑みかける白衣姿の森 綾乃。(もり あやの)
綾乃「・・・そうですね,提督。もちろん偶然なんかじゃないと思います」

(ナレーション)・・・そして相まみえる両雄(りょうゆう)。
(画面)笑みを浮かべるデスラー。
デスラー「ヤマトは強かったよ。シマ」
(画面)微笑む島。
島「ガミラスもな。デスラー」
(ナレーション)・・・しかし,それぞれの思いとは関係なく,時代の流れは再び戦争へ・・・。

(画面)振り向く太田。鬼気迫る表情。
太田「(冷や汗)・・・は,八時の方向に戦艦バルゼミア!」
(画面)前方のアンドロメダへ向かう宇宙戦艦バルゼミア。
(画面)バルゼーと精悍(せいかん)な顔つきの副官のアップ。
ナスカ「あのトンガリ帽子は艦首波動砲を撃つつもりです」
バルゼー「阻止しろ」

(ナレーション)・・・太陽系史上最大の艦隊戦。・・・10倍以上の勢力のガトランティス大艦隊を迎え撃つ地球全世界の艦隊。
(画面)フランス艦隊指揮官ジーザック。
ジーザック「(仏語)・・・全艦隊,攻撃準備! 目標,敵巨大艦隊! 砲撃準備!」
(画面)振り返るスタッフたち。
(画面)険しい表情のジーザック。
ジーザック「(仏語)・・・各艦隊,艦載機発進準備! 砲撃と同時に攻撃を開始せよ!」
(画面)朝鮮艦隊指揮官ユン。
ユン「(ハングル語)・・・忘れるなよ! お前たちの後ろにはお前たちを信じている,かけがえのない人たちがいるんだ! 絶対に背後には抜かれるな!」
(画面)中国艦隊指揮官チャオ。
チャオ「(中国語)・・・艦隊戦闘配置。惑星恒転速度維持。地球から離されるな。展開・・・!」
(ナレーション)・・・それは正に,愛の戦士たちの再来・・・。

(画面)画面にひしめきあうガトランティス大艦隊。
(画面)背後の地球をかばうように大きく展開する地球連邦連合艦隊。
(画面)高笑いするレック・アルド・ズォーダー。
レック「その程度の勢力で,私を楽しませるつもりか? 期待しているぞ,地球の虫けらども!」
(ナレーション)・・・果たして人類は故郷を守りきることができるか・・・。

(画面)宇宙戦艦アンドロメダ周辺で繰り広げられるブラックタイガー隊とデスバデーター隊の攻防。
(画面)手前のデスバデーターから発射されたミサイルが弧を描いてアンドロメダ左舷に直撃。爆光。
(画面)ぶれる画面。歯を食いしばる島。
島「・・・沖田さん。土方さん。・・・古代。・・・俺たちを守ってくれ・・・!」

(ナレーション)・・・そして物語は驚愕(きょうがく)のクライマックスへ。

(画面)父親の手を握って,上を指差す男の子。
男の子「・・・お父さん。見て・・・」
(画面)目の部分が点滅するアナライザー。
アナライザー「・・・ナツカシイ ヒカリ・・・」

(画面)艦隊戦の情景。爆光を放って沈没していく宇宙駆逐艦。宇宙戦艦。撃墜されていく戦闘機の数々・・・。
(ナレーション)・・・味方はおろか,敵でさえも感嘆せしめた宇宙戦艦ヤマトの戦いを後世へ語り伝えよ。
(画面)迫って来る宇宙戦艦バルゼミア。
(画面)仁王立ちのバルゼー。
バルゼー「お前たちは,それでもあの宇宙戦艦ヤマトの仲間たちか!」
(画面)爆撃を受けて炎上するアンドロメダ。

(画面)被弾し,爆光を放って傾いていくアンドロメダ。
(ナレーション)・・・構想に構想を重ね,今なおも構想中。賛否両論覚悟で,筆者独断と偏見のヤマト・パラレルワールド! 倦怠(けんたい)気味の全てのヤマト世代にカンフル剤。懐かしいあの頃の感動。まだまだあの時の気持ちは思い出せる。宇宙戦艦ヤマト・ファーストシナリオ第3弾!

(画面)幼いわが子を抱きながら悲痛な表情の主婦。
主婦「・・・お願いよ。必ず無事で帰って・・・」

(画面)天井の装甲に大きな穴があき,宇宙空間が見えている。・・・両手を精一杯伸ばして絶望的な表情で虚空へ吸い込まれていく戦士。

(画面)艦長席で力なく突っ伏す島。

(画面)上から銃を構えるフロール。
(画面)下から銃口へ振り向くデスラー・・・。(ストップモーション)
(画面)ブランク。

(ナレーション)・・・ヤマトの歴史は伝説となる・・・。

(島の声)・・・ターゲット・スコープ,オープン!
(画面)スコープが立ち上がる。

(島の声)・・・電影クロスゲージ,明度,20!
(画面)スコープにゲージが点灯する。

(画面)スコープ越しの島 大介。顔中冷や汗。揺れる瞳。
島「・・・目標。・・・宇宙戦艦ヤマト!」
(画面)ブランク。

(注1)・・・これは,あくまでも筆者独断で書いたものであり,株式会社 東北新社殿とは一切関係ありません。
(注2)・・・ヤマトを知らない世代の方は,”宇宙戦艦ヤマトTVシリーズパート1”(劇場版パート1はNG)と劇場版”さらば宇宙戦艦ヤマト-愛の戦士たち”をご覧になってください。(他のヤマト・シナリオとは関連ありません)
(注3)・・・BGMについて。”COLUMBIA RECORDS ETERNAL EDITION”から引用させていただきました曲番号を提示致しております。尚,所々曲番号がブランクになっているところについては読む方の感性にお任せいたします。

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序節 永遠の旅へ旅立つ戦艦