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事業の沿革
「紅茶どめーぬ・大白木・増井」はどのようにして生まれたの?

紅茶のイギリス、香りのフランス、そして繋がる人と文化

 紅茶の本場と言われるイギリスにはオランダを通じてフランスやドイツと同じ17世紀中ごろに中国から「茶」が入ったようですが、 それ以前の17世紀の初めころ、オランダ人によって日本の平戸から「緑茶」が始めてヨーロッパへ輸出されたそうです。
 当時、「茶」は高級品だったようですがその薬としての効能も議論になり、結局オランダやドイツ、フランスなどでは定着しなかったようです。 では、なぜイギリスでは「茶」が強く愛され国民的飲料として普及することになったのでしょう。 それは、時代背景の中で様々な要因が複雑に絡んでおり簡単には答えが出せないようです。 ただ、イギリスは大陸の水(ハードな硬水)と違って軟水(軟水地区と硬水地区があり、紅茶のブレンドが異なる)で茶に適していたことや 古くからの土着の飲料である煎汁(ハーブティーのようなもの?)があったため「茶」が受け入れられ易かったようです。 他の地中海周辺の国々にはワインという強力な文化圏の存在があったことも「茶」が入りにくかった要因のようです。
 イギリスが中国との直接的茶貿易を開始したのは18世紀に入ってからですが、中国でも「緑茶」に比べると「紅茶」は比較的新しい飲み物で イギリスにおける輸入量も当初は「緑茶」が主体でしたが、イギリスにおける紅茶指向の強まりとともに「紅茶」の輸入量が増加しました。
このような歴史的背景の中でイギリス独自の「紅茶」文化が形成され、現在も生活の中に息づいているようです(日本人にとっての「日本茶」文化のそれと同じように)。
今日、全世界の「茶」の生産量の約80%が「紅茶」で、約20%が「緑茶」ですが、「紅茶」や「緑茶」以外にも様々な「チャ」や「ティ」等があるようです。 ファッションや香水で有名なフランスでは緑茶や紅茶をベースにして、花や果実、香辛料などを使用した「ティー」が好まれるようですが、その一部を紹介させていただきます。

 私は茶とハーブを栽培しておりましたので、茶とフレーバーの事業化について模索をしておりました。 そして、そのことについて金融関係に詳しい知人に相談したところ、茶業界の方を紹介して下さいました。 私がその方にお会いして自分の考えを説明したところ、「ここへ一度行ってみなさい。」と言うことで、東京のあるお店を紹介して下さいました。 私はそのお店を訪問させていただきました。そこは、ソムリエの資格を有するフランス人の方(以下、Ⅾ氏と呼びます。)が経営されているお店でしたが、 Ⅾ氏は、「ワイン」ではなく「日本茶」を愛し「日本茶」と様々な「フレーバー」を融合して彼独自の日本茶領域を開発しておられ、 その創製品や情報の提供により「日本茶」の普及に尽力されておられると言う有名な方でした。
 私が静岡から来たことや訪問した理由などを話したところ、Ⅾ氏は初対面の私にご自身が取り組んでおられる事業について詳しく説明し、親切に対応して下さいました。 途中、来店されたアメリカ人のお客さんも巻き込んで皆で「茶」の試飲をしながらという熱心さで、大変貴重な多くの時間を費やして下さいました。
日本に生まれ、日本の茶文化に対して何の疑いもなくあたりまえのように生活してきた自分には気づかないような Ⅾ氏独自の感性によるフランスと日本が融合した新しい茶文化に私は感心させられると同時にⅮ氏に感謝と敬意の念を抱きました。
 これが契機となり、私は茶やハーブだけでなく、ワインのことなど異なる文化にも広く関心を持つことの大切さを知りました。 現在、私は様々な方のご指導・ご支援により、茶とハーブの栽培そして紅茶の工房を構え、まずは独自の紅茶造りに挑戦しています。 今後は自分が「紅茶」を通して人と人の繋がりを広げられるように頑張りたいと思っています。

ワインで有名なフランスのブルゴーニュ地方

 フランス東部に位置するブルゴーニュ地方は、南西部のボルドーと並び賞される有名なワインの産地です。 世界的に有名なワインの「ロマネ・コンティ」はブルゴーニュ地方で生産され、その生産者をDRCと呼びます。 このDRCは「Domaine da la Romanee-Conti(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)」の頭文字をとっています。 そして、この「ドメーヌ」とは主にブルゴーニュ地方でブドウ畑を所有し、栽培からワインの生産、出荷までを一貫して行う生産者を言います。 「ドメーヌ」は敷地や規模は小さく家族経営のところが多く、生産量も少ないですが個性化を図りやすいといったメリットがあるようです。
 また、「ロマネ・コンティ」はブルゴーニュ地方が原産の黒ブドウ品種「ピノ・ノワール」から造られますが、 この「ピノ・ノワール」は透明感のあるルビー色でポリフェノールの一種であるタンニンが少なくなめらかな味わいのワインを造ると言う特徴があります。
 ブドウ畑を茶畑に、ワイナリーを紅茶工房に置き換えれば、「発酵工程」や「ポリフェノール」など紅茶にはワインと重要なポイントにおいて共通性があり、 自分の紅茶造りは「ブルゴーニュ地方のドメーヌ式ワイン造りの紅茶版」のように感じました。 厳密には、ワインの「発酵」や「ポリフェノール」は紅茶のそれと科学的に異なるものですが、 飲食のペアリングについて考えた時に、主役となる食べ物を美味しく演出する飲み物としてのワインと紅茶には、 ポリフェノールの機能的な面において共通性があると言えるのです。
 世界的なワインの産地として名高いフランス・ブルゴーニュ地方のドメーヌ式ワイン醸造やソムリエの資格を有し日本茶を愛するフランス人のⅮ氏、 そして、様々な出会いや繋がりをつくって下さった方々への感謝と敬意の気持ちを込めて、 この「大白木(おおしろき)」という土地に起こした紅茶事業の名称を、「紅茶どめーぬ・大白木・増井」とさせていただきました。 これを仏訳して「domaine du thé noir OOSHIROKI・MASUI(ドメーヌ・ドゥ・テ・ノワール・オオシロキ・マスイ)」、 以下略して「detnom(どぅとのむ)」とさせていただきましたので、よろしくお願い致します。

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