[寸評]
作者はピューリツァー賞も受賞したことのある本物の事件記者だったそうで、さすが読者受けする術にたけているというか、実に面白いです。 本筋とは関係ない小エピソードのどれをとってもそれだけで一冊の本になりそう。 スリル、サスペンス、アクション、そしてなお人間味あふれる内容は盛り沢山で、まさにアメリカン・エンタティンメントであります。
[寸評]
なんだか今頃読んでいると馬鹿にされそうですが、つい読みそびれておりました。 乱歩賞だし、文春ベスト1だし、でも「女彫刻家」の例もあるし、で読んでみてやっぱりウーン。 先入観もあったけど、こうなるとやはり私の読み方、感性に問題があるのか。 面白くないわけではないが、この話はまるで新鮮味が無いんだなぁ。 そして友人の爆弾事件以後の逃亡の経歴もなんかウソくさくて、興醒めです。
[寸評]
年1冊ペースの作者が矢継ぎ早の刊行(新聞連載だとか)ですが、これは面白い。 これまでの特殊公務員ものをまったく離れ、作風も変わってコンゲームものです。 偽札作りの描写も、いいのかなぁと思うほど詳細ですがラストでしっかり落ちを付けています。 ただグループの紅一点幸緒のキャラは疑問。 ラストからエピローグまでのユーモア(?)もノー天気すぎてちょっと合わない感じ。 しかし長尺をまったく感じさせないノンストップ痛快娯楽作です。 書名の「奪取」と「dash」の乗りも新しい作者を感じさせます。
[寸評]
ポオとバーチャルリアリティを組み合わせたアイデアは良く、長谷川がそれを体験するあたりはとても面白い。 しかし、肝心の事件については捜査、推理、謎解きなどどれも首を傾げてしまう。 警察が事件の捜査、犯人や関係者の捜索を積極的に行わないのも腑におちないし、そもそもこんな危険な体験ソフトが野放しというのも変だよ。 それと、脱字がやけに多いのも気になりました。