[寸評]
作者はピューリツァー賞も受賞したことのある本物の事件記者だったそうで、さすが読者受けする術にたけているというか、実に面白いです。
本筋とは関係ない小エピソードのどれをとってもそれだけで一冊の本になりそう。
スリル、サスペンス、アクション、そしてなお人間味あふれる内容は盛り沢山で、まさにアメリカン・エンタティンメントであります。
[寸評]
なんだか今頃読んでいると馬鹿にされそうですが、つい読みそびれておりました。
乱歩賞だし、文春ベスト1だし、でも「女彫刻家」の例もあるし、で読んでみてやっぱりウーン。
先入観もあったけど、こうなるとやはり私の読み方、感性に問題があるのか。
面白くないわけではないが、この話はまるで新鮮味が無いんだなぁ。
そして友人の爆弾事件以後の逃亡の経歴もなんかウソくさくて、興醒めです。
[寸評]
年1冊ペースの作者が矢継ぎ早の刊行(新聞連載だとか)ですが、これは面白い。
これまでの特殊公務員ものをまったく離れ、作風も変わってコンゲームものです。
偽札作りの描写も、いいのかなぁと思うほど詳細ですがラストでしっかり落ちを付けています。
ただグループの紅一点幸緒のキャラは疑問。
ラストからエピローグまでのユーモア(?)もノー天気すぎてちょっと合わない感じ。
しかし長尺をまったく感じさせないノンストップ痛快娯楽作です。
書名の「奪取」と「dash」の乗りも新しい作者を感じさせます。
[寸評]
ポオとバーチャルリアリティを組み合わせたアイデアは良く、長谷川がそれを体験するあたりはとても面白い。
しかし、肝心の事件については捜査、推理、謎解きなどどれも首を傾げてしまう。
警察が事件の捜査、犯人や関係者の捜索を積極的に行わないのも腑におちないし、そもそもこんな危険な体験ソフトが野放しというのも変だよ。
それと、脱字がやけに多いのも気になりました。
[あらすじ]
アメリカ屈指の犯罪都市マイアミ。女性新聞記者ブリットは連続レイプ事件を追っていた。
そこに過去に犯罪の嫌疑をかけられながら法の網をくぐってきた者たちの変死事件が起きる。
ブリットは退職警官ダンのアドバイスを得ながら真相に近づいていく。
[採点] ☆☆☆☆
[あらすじ]
新宿でバーテンをしているアル中の島村は、いつもの朝の散歩で行った公園で爆弾事件に巻き込まれる。
彼も大学紛争の頃、友人の作った爆弾で事故を起こしていた。
その後、やくざが彼につきまとい始める。
爆弾事件の犠牲者に大学時代の恋人と友人が含まれていることを知り、警察とやくざに追われながら真相に迫っていく。
[採点] ☆☆☆★
[あらすじ]
親友雅人の借金をヤクザに返済するため手塚道郎はATMの紙幣センサを欺く偽札を作る。
しかしヤクザから逃げ切れずつかまった雅人を助けるため警察に通報。
雅人は収監され、逃げのびた道郎は戸籍を捨て別人となって潜伏。
誰にも気づかれず自然に世間に流通する完璧な偽札を作ることを目指す。
[採点] ☆☆☆☆★
[あらすじ]
電脳研究所の開発した究極のバーチャルリアリティ。
視察に来日した香港の有力財閥の副社長がそのソフトを体験中に死亡する。事故か殺人か。
懇意にしている警部から助言を依頼されたコンピュータ会社の技術課長長谷川は、同じソフトを体験し推理をめぐらせていく。
[採点] ☆☆★
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