◎12月


厳寒の町の表紙画像

[導入部]

 地面に厚い氷の張る一月中旬のアイスランド。 レイキャヴィク警察の犯罪捜査官エーレンデュルは通報を受け、現場へ駆けつけた。 集合住宅の中庭に十歳くらいの少年の死体。 腹部を深く刺されて殺されていた。 少年の母親はタイ人で、アイスランド人の夫と去年離婚して、工場で働きながら二人の息子と暮らしているという。 その少年の十五歳の兄の行方が分からなくなっていた。 もう帰宅していい時間を過ぎている。

[採点] ☆☆☆★

[寸評]

 
「湖の男」に続くエーレンデュル捜査官のシリーズ邦訳第5作。 相変わらずエーレンデュルの娘、息子との交流などを織り交ぜながら濃密なドラマが綴られる。 今までの諸作は過去の事件の掘り起こしのような面があったが今回はリアルタイムの事件。 テーマも世界中で問題となっている移民問題を取り上げていて興味深い。 捜査劇としては、何となく事件解明に至ってしまったような印象で面白みに欠ける。 辿りついた事件の真相も、重苦しく救いのないものだった。


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