大自在
ウィスキーといえば一昔前まではアイリッシュ、スコッチ、アメリカン、カナディアンが主流だったが、近年はジャパニーズを加えて世界五大産地。ハイボールブームも追い風に業界の立役者の一人となった団塊の世代のブレンダーが顧みて言う「万樽万酒」が振るっている▶芳醇な原酒の出来を願って日々顔色をうかがいつつ5年、10年、20年寝かした数十年の樽は同じ手法で詰められてはいても味も香りも千差万別。しかも年ごとに違うそれらをブレンドして常時、美酒を提供する作業はまさにジグゾーパズル▶さらに飲み手は味覚、嗅覚と極めて主観的な立場で、ちょっぴり視覚を交えて味わい方もそれぞれ。・・・・・国産ウィスキーの歩みは間もなく90年。「やってみなはれ」が企業風土のサントリー、究極の味を追い求めるニッカ、後発のキリン・・・互いの競い合いが世界一の評価をもたらした▶黒船が伝え維新後に初輸入。そして1923年、京阪の境山崎で鳥井新治郎がスコッチに倣って初の蒸留。ここにも定番と開拓に磨かれる日本のものづくりの原点が見える。・・・・・ 2011.11.13 静岡新聞朝刊『大自在』より
マスター
「何になさいますか」「マティーニをコースでお願いします」。「ちょっと待っティーニ」「はい、お待ティニしました。ドライマティーニです」「いただきまティーニ。とってもうまティーニ」。「はい、ウォッカマティーニ」「かなりさっぱりとした味わいです」。「はい、ジャマイカマティーニ」「香ばしい感じです」。「はい、テキーラマティーニ」「まぁ、素敵ーニ」。「はい、スモーキーマティーニ」「こくがあって芳醇な味わいです」。「はい、最後にご当地マティーニの板屋町ーニ」。「結構ハマッティーニ」。「なんだか酔ってきまティーニ。ちょっと寝まティーニ」「それは困っティーニ」。カクテルの王様と称されるマティーニですが、おちゃめなカクテルです。
二橋さんと四條さん
<ジャスティス>と<Dr.サスペンダー>。2人ともオープンの時から通っているんですが、ある日マスターが僕らをイメージしてカクテルを作ってくれたんです。僕のは爽やかなフルーツ系、彼のは薬草系のカクテルで結構人気なんですよ。もう一つの自慢はこの店の新人バーテンダーの初仕事となる一杯を必ず僕らが注文していること。毎回おまかせで作ってもらうんですが、今まで20人はいたのに誰一人同じカクテルを作った人はいなかったんです。おもしろいでしょう?ちなみに彼は毎年新年の幕開けには必ずここにいてこの店の仕事始めの1杯としてマティーニを注文するんです。今年は仕事先の東京からわざわざ戻ってきて、1杯飲んでまた東京に戻った!そういえば、店にあるジンを全部試すといってストレートで24杯飲んだこともあったなぁ。そうそう、この店の掟をひとつ教えましょう。誰かがにニコラシカを頼もうものなら、「ニコラシカ大会に参加の方はいませんか?」ってマスターが叫んで、みんなで一斉にその強いカクテルを飲むことになってるんです(笑)。今日は2杯飲みました。
マスター
心地良い響きはBarにおける醍醐味の一つです。バーテンダーの数だけ、シェイキングのスタイルがあり、また、同じ材料でもシェイキングによってシャープに仕上がったりマイルドな味わいになったりするので不思議です。お店では恒例の二人での同時シェイキング(シンクロシェイキングと呼んでいます)は、お客様の負担にならないように配慮して行っているのですが、時々驚かれたり感心されたりします。今夜も「美味しくなあれ」という思いを込めてグラスに注ぎます。
松本さん
今年結婚しました。5年つきあった夫と初めてのデートでトライアングルに行きました。お酒のことなんて何も知らなくって・・・。マスターに私のイメージで頼んだ(ワガママ言ってスイマセン)カクテルは”すみれジェンヌ”でした。本当においしくってステキな思い出です。結婚祝いにまた二人でトライアングルに行きたいと思います。
マスター
穏やかなほほ笑みと豊かな福耳、そして夢見心地・・・といった風情の愛らしい姿。いつ誰かが言い出したかは分かりませんが、「なんてありがたい顔をしているんだ」と言われる方も少なくありません。言われてみると、そんな顔してませんか?この童子達が善き人との縁を運んでくれるような気がします。当店に足を運んで頂いた皆様にも、福を授かる素晴らしい幸せが訪れることを心より祈っております。
カウンター 12席 テーブル 16席
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ワオン浜松1F
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