TITLE

 私が製作した真空管式のアンプを紹介します。出力管にビーム管または5極管を使用したアンプは全て3極管接続です。

 シングル・アンプの整流方式は、全て整流管(東芝製5U4GB)による全波整流です。プッシュプル・アンプの整流方式は、ダイオード(東芝製1S2711)による全波整流または倍電圧整流です。

 能率の高いフルレンジ・スピーカーを使用しているため、初段の球にはローノイズなものを使用しています。また、CDプレーヤーからの出力をメイン・アンプに直接入力しているため、初段のゲインは若干高めに設計してあります。

【2A3-Single】 【350B-Single】 【6V6G-PushPull】
【6L6-PushPull】 【6CA7-PushPull】 【アンプの内部】


 
2A3 Single Stereo
 オーディオ用の出力管としては最もポピュラーな球である2A3を使用したシングルステレオ・アンプです。2A3はアメリカのRCA社が1933年に開発した低周波電力増幅用3極管ですが、WEの300Aを意識して開発された球のようです。基本的にはRCA45の後継管です。

 300Aと比べると外観も諸元も控えめな球ですが、最適負荷抵抗値が2.5Kと低く直線性に優れた扱い易い良い球です。ハムノイズ対策のため、ヒーター電圧も2.5Vと低くなっていますが、今となってはこのことが仇となって直流点火を難しくしています。

2A3-SS クリックすると回路図が表示されます。
 3極管のシングルアンプなので、出力はあまり出ませんが、秋の夜長に読書などしながら、MJQのヴァンドームあたりをBGM代わりに聴いたりするのに適したアンプです。

【TOP】


 
350B Single Stereo
 低周波電力増幅用ビーム管の350Bを使用したシングルステレオ・アンプです。350BはRCAが開発した6L6を、WEが6L6-SPECIALとして改良した球です。従って動作条件等は6L6と同じでOKです。

 純然たるオーディオ用真空管なので、回路構成はごく標準的な構成とし、初段はEF86三結、ドライバ段は12BH7Aのパラ接続です。初段のEF86はGEC(UK)のMIL規格品(低雑音管)であるCV4085を使用しています。ビーム管をこの種の前段構成でスイングすると、十分なエネルギー感が得られます。

350B-SS クリックすると回路図が表示されます。
 大抵のソースは無難に鳴らすことの出来るアンプですが、私はイーグルスやダイアストレイツ、フィル・コリンズ等といったポップスを聴くのに使用しています。

【TOP】


 
6V6G Push-Pull Stereo
 低周波電力増幅用ビーム管の6V6Gを使用したプッシュプルステレオ・アンプです。6V6GはアメリカのRCA社で1935年に開発れた民生用の低周波電力増幅用ビーム管で、当時のラジオやステレオに多用された球です。最適負荷抵抗が8Kと高いため、出力トランスの特性が音質を大きく左右することになります。

 初段はSRPP、位相反転段はムラードタイプとしています。更に初段には6SN7の高信頼管である5692を使用しています。5692はS/Nの非常に優れた球で、聴感上もその違いがはっきりと判ります。

6V6G-PP クリックすると回路図が表示されます。
 私の好きなアンプの1台で、トランペットやサックスといったホーンがとても自然に鳴ります。ケニードーハムの「Quiet Kenny」などは、このアンプの得意なアルバムです。

【TOP】


 
6L6 Push-Pull Stereo
 低周波電力増幅用ビーム管の6L6を使用したプッシュプルステレオ・アンプです。6L6も先の6V6G同様、アメリカのRCA社で1935年に開発された球ですが、6V6が民生用に開発された球であるのに対して6L6は当初から軍事用に開発された球であり、初期の6L6はメタル管でした。

 私が使用している6L6はロシア製(6L6WGC)ですが、最近では東西冷戦の終結により、MIL規格の品質の良いロシア製の球が、比較的安く入手できるようになりました。回路構成は3極管SRPP+PK分割+6L6PPです。

6L6-PP クリックすると回路図が表示されます。
 レイ・ブライアント・トリオの「ALL MINE AND YOUR'S」というアルバムの「WALRUS WALK」という曲のベース・ソロは、このアンプでしか出せない音がします。

【TOP】


 
6CA7 Push-Pull Stereo
 5極管の6CA7を使用したプッシュプルステレオ・アンプです。6CA7は世界的にヒットした低周波電力増幅用5極管で、アメリカのGE、ドイツのテレフンケン、シーメンス、日本の松下などで大量に生産されました。スリムな球ですがB級PPでは100W以上の出力を取り出すことも可能です。

 初段とドライバ段に使用したGE製12AY7は、米JAN規格 (アメリカ海軍規格:JUNCTION_OF_AMERICAN_NAVY)のものを使用しています。特に初段の球は多少高価でもローノイズなものを使用するようにしています。
6CA7-PP クリックすると回路図が表示されます。
 このアンプは、娘(長女)の誕生記念に製作したものです。このアンプはNFBを掛けずに6CA7三結の持つ音を楽しんでいます。スリムな球に似合わず力強い音がします。

【TOP】


 
INSIDE クリックするとTOPに戻ります。 真空管アンプ内部の様子
 6V6Gプッシュプル・ステレオ・アンプの内部です。カップリング用のコンデンサーはコーネルダブラ社製(US)です。

 抵抗類は、以前はアーレン・ブラッドレィ社(US)のものを使用していましたが、最近では生産拠点を米本国から他の国に移したため、品質が低下しているようです。

 トランス類は平田電機のものを使用していますが、理由は「取り付け時にGT管と同じ丸穴を開けるだけで済むから」です。

 電源の整流用ダイオードは、東芝の1S2711ですが、このメタルカン・タイプの優れたファースト・リカバリー・ダイオードは既に生産中止となっており、私も在庫が数本しかありません。

【TOP】