児童文学 あ行


 
   いまえ よしとも (今江祥智)   

 ●「タンポポざむらい」   長 新太(絵)   ポプラ社

    主人公・木田一平太   年齢など・元服する頃のおさむらい→おしょうさん
2007年4月読
 

初版が1975年になっているので、私が子どもの頃からあったのだけれど
 この頃読みました。長さんの絵とタイトルから面白いお話かな?
 と思い手に取ったのですが、内容は藤沢周平の短編のように人生を語っていました。

 あたまの毛がタンポポの綿毛のように薄く、お城づとめも辞めさせられて
 それでも「お城づとめばかりが、さむらいの生きかたではない。」といさぎよく
 ひきさがり、今までのように本をよみ、刀、やり、弓に馬のけいこと真っ直ぐに
 はげみます。どんな状況になろうと、自分がどのように生きていくのかが
 しっかりと見えていて、すっくと生きていきます。
 タンポポざむらいの生き様に背筋がシャンとします。
 

 

 

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  おかだ じゅん (岡田淳)

   ある方がファンということで、今まで一冊も読んでいなかった
 岡田淳さんの本を読み始めました。
   

 ●「ようこそ、おまけの時間に」   岡田淳(作・絵)   偕成社

   主人公・松本賢   年齢など・6年生
2007年
    

 12時のサイレンの鳴るほんの短い時間が別の世界では
 同じ学校の子どもたちが生き生きとお互いに協力し合って
 大きな問題を解決していきながら成長していきます。
 
 現実の世界ではない、隙間の時間の不思議な雰囲気を上手く
 出していると思います。
 
 現実世界から離れて、非現実的な夢のような時間にこそ本来の自分が
 見出せて、子どもたちがお互いを深く理解しあっていくところが
 気持ちよく描けていて、同年代に読んだらもっと楽しかっただろうなと思いました。
 

 

 

 ●「2分間の冒険」   岡田淳(作・絵)   偕成社

  主人公・   年齢など・6年生
    

クラスでの作業中にちょっとズルして抜け出してやろうと
 した2分間にする 別世界での冒険です。
 
 一番確かなのはダレカ?
 子どもと老人だけの世界。竜退治。
 面白いのは竜とのなぞかけ。
 
 

「放課後の時間割」   岡田淳(作・絵)   偕成社

  主人公・ぼく   年齢など・小学校の図工の先生
  2007年10月5日読
    

小学校の図工の先生をしてる主人公のぼく、彼が
 ある日<学校ねずみ>なるものと出会う。
 そのねずみは白衣を着て二本足で立つ。
 そして、ぼくに<学校ねずみ>たちのお話を
 月曜日の放課後に伝えてくれる事になった。
 
 様々な学校ねずみのお話を、それぞれのねずみの特徴に合わせて
 いろんな形式の手法で表現しているところが楽しいです。
 
 

 ●「リクエストは星の話」   岡田淳(作・絵)   偕成社

  主人公・ぼく   年齢など・一人暮らし?の男性 
  2007年10月18日読
    

 ぼくは星のでてくる話を
 しなければならなくなった
 というのは、
 とつぜんあらわれたあいつが
 「星のでてくる話をしておくれ。」
 と、いったからだ。
 
 という書き出しからはじまります。
 突然現れたあいつって誰?どんな奴?って
 思っているともう 1つ目のお話の世界に突入しています。
 そして 3つのお話が終わると 
 5階建てアパートの5階のベランダでのできごとである事を知ります。
 ぼくは あいつからもお話を引き出す事に成功します。
 そしてあいつの荒唐無稽なお話が
 私には 一番惹きつけられました。

 
 

 
  ●「扉のむこうの物語」   岡田淳(作・絵)   理論社

  主人公・柏木行也   年齢など・6年生 
  2007年10月26日読
    

 日本にヨーロッパのファンタジーと肩を並べるものがあるとは!
 というのがまず感想です。
 冬休みの宿題に物語を作ることにした 行也は 父親の勤める小学校の
 倉庫で題材を探す事になり、そこにあった壁にはついていない扉から
 不思議な世界への冒険が始まります。
 メリー・ウィドウ(陽気な未亡人)なる喫茶店のママと元の世界へ戻るべく
 不安と戦いながら 不思議な住人達と出会って 帰るための方法を探っていきます。
 
この世界では 全ての人が分類されています。そして、分類されると
 不安は無くなりこの世界にいられるというのですが・・・
 
 そこで 私が確かちょうど主人公と同じ6年生の頃
 クラスのみんなを 王様、女王様、医者、学者、などと
 役があるように思えて 自分は平民だなぁって思って隣の席の男の子に
 話したことを思い出しました。
 彼は とても正義感のある子で運動も出来クラスの女の子から
 人気者でした。(私はなぜか 恋愛?対象には感じられず、話しやすい
 友人と思っていましたが)
 彼は私の言葉に「オレにはそうは思えないなぁ。そうやって考えない方がいいと思う」
 と言いました。同感してもらえると思っていたので どうしてだろう?と私には
 分かりませんでした。それから そのことについて考えることは無かったのですが
 この物語で 何十年?前に私が考えていたことは 人を分類していたんだよなぁ。
 分類ってそういうことだったんだと 気づかせてくれました。
 
 とにかく、上等のファンタジーです。
 
 
 
 

 ●こそあどの森の物語 1
  「不思議な木の実の料理法」   岡田淳(作・絵)   理論社

  主人公・スキッパー   年齢など・10年前に森にやってきた少年 
  2007年10月18日読
    

 こそあどの森の郵便配達ドーモさんが雪の中
 スキッパーへの荷物を運ぶ所からこの物語が始まります。
 ドーモさんは わけあって ポットさんトマトさん夫婦と
 スキッパーの住む ウニマルなる家に行くわけですが、
 どうも この主人公のことをどう扱ったらいいか戸惑っているらしいのです。
 内気な無口な少年のようです。ここのところがちょっと面白い。
 最初から素敵な主人公でないのです。
 どんな主人公なのだろう?どんな風に交流していくのだろう?
とワクワクします。
 
 また、楽しいのは著者の描く ユニークで楽しげな
 この森の住人たちの家の断面図?です。
 おじゃまできるのであれば ぜひ伺いたい!と
 想像しただけで うれしくなるようなお家です。
 
 
 

 ●こそあどの森の物語 2
  「まよなかの魔女のひみつ」   岡田淳(作・絵)   理論社

  主人公・スキッパー   年齢など・10年前に森にやってきた少年 
  2007年10月30日読
    

 あらしが去った後 スキッパーが森でめずらしい鳥をみつけます。
 足の長いふくろうです。つかまえて ウニマルに運びます。
 そんな頃 こそあどの森では一騒動が起こっていました。
 愛妻家のポットさんが 行方不明になっているのです。
 こそあどの森の住人みんなで ポットさん捜索がはじまります。
 
 出てきたものがちゃんと ジグソーパズルのように 一つ一つ
 気持ちよく合っていくのが 岡田さんのお話ですが これもきちっと
合っていきます。
 
 ポットさん行方不明に関わる犯人?が意外な人で
 意外な理由だったりするのも とっても楽しませてくれます。
 
 
 
 

 ●こそあどの森の物語 3
  「森のなかの海賊船」   岡田淳(作・絵)   理論社

  主人公・スキッパー   年齢など・10年前に森にやってきた少年 
  2007年11月2日読
    

 1で少し登場した 旅の笛吹き二人組みナルホドとマサカが
 なぜ旅をしているのかが分かります。
 う〜ん 意味があって旅をしていたのね。
 スキッパーのひらめきから この二人の旅の理由と
 こそあどの森にある秘密とに 住人がやっぱりみんな引き込まれて
 不思議な体験をすることになるのですが・・・。
 これが 壮大でとってもロマンチックな物語です。
 

 
 

 ●こそあどの森の物語 4
  「ユメミザクラの木の下で」   岡田淳(作・絵)   理論社

  主人公・スキッパー   年齢など・10年前に森にやってきた少年 
  2007年11月6日読
    

 小さい頃にこの森にやってきたスキッパーには
 ふたごの女の子だけが知っている子ども。
 遊びといえば 読書と散歩。かくれんぼって何?
 本で調べてみても 何が楽しいのか良くわからないのです。
 そんなスキッパーが 森で出会った子ども達。
 いままでした事がない 体を使った遊びをして
 楽しさを知ります。この子ども達は誰でどこから来たのでしょう?
 とっても ファンタジックなお話です。

 ●こそあどの森の物語 5
  「ミュージカル スパイス」   岡田淳(作・絵)   理論社

  主人公・スキッパー   年齢など・10年前に森にやってきた少年 
  2007年11月12日読
    

 ある草の実をコーヒーのように飲むと・・・。
 おとなしくて 人との会話も思うようにできないスキッパーが
 歌って踊って・・・。
 
 気持ちがすれ違って、冷戦状態だったポットさんとトマトさん夫婦も
 心を歌にすれば・・・。
 
 こそあどの森の住人みんなでミュージカル!

 トワイエさんだけは もう一つのお話で 6のお話につながる
 体験をします。
   
  

 ●こそあどの森の物語 6
  「はじまりの樹の神話」   岡田淳(作・絵)   理論社

  主人公・スキッパー   年齢など・10年前に森にやってきた少年 
  2007年11月15日読
    

 しゃべるキツネに頼まれたスキッパーは 
 巨大な樹木にしばりつけられていた少女を助け出します。
 巨大な樹と少女は時空を超えて神話の世界から来たようです。
 
 はるか昔神話の世界から来た少女から 大切な事を思い出させてもらいます。
 
 

 ●こそあどの森の物語 7
  「だれかののぞむもの」   岡田淳(作・絵)   理論社

  主人公・スキッパー   年齢など・10年前に森にやってきた少年 
  2007年11月21日読
    

 旅に出ている博物学者のバーバさんから届いた手紙で
 フーという不思議な生き物の存在を知ります。
 そして そのフーがこそあどの森に来ているらしいのです。
 
 誰かの望む姿に 話すことも相手の心を読んで
 相手知っている誰かに 変身できる生き物フーがいたら・・・。
 

 ●こそあどの森の物語 8
  「ぬまばあさんのうた」   岡田淳(作・絵)   理論社

  主人公・スキッパー   年齢など・10年前に森にやってきた少年 
  2007年11月28日読
    

 バーバさんからの手紙でスキッパーは石読みという技を知ります。
 石を触っただけで その石からその場にあった記憶を読めるという技です。
 これに魅了されたスキッパーは石読みの訓練を自ら始めます。
 
 そして双子たちが出会ったというぬまばあさんの話は本当なのか。
 最初はいつもの双子たちの作ったお話の世界ではと思っていたのですが・・・
 

 ●こそあどの森の物語 9
  「あかりの木の魔法」   岡田淳(作・絵)   理論社

  主人公・スキッパー   年齢など・10年前に森にやってきた少年 
  2007年12月6日読  

 こそあどの森、双子たちの住む湖のそばにある日テントが張られ
 二人の姿が確認されます。好奇心旺盛な双子は、スキッパーを誘って
 探ろうとしますが、こそあどの森の大人たちも巻き込んでいきます。
 
 さて、この二人は何のためにやってきたのでしょうか?
 
 善と悪とは、人の心の不思議さを感じさせてくれます。このお話を読んでいて
 新美南吉の「花の木村と盗人たち」を思い出しました。
 

 ●「びりっかすの神様」   岡田淳(作・絵)   偕成社

  主人公・木下始   年齢など・4年1組 
  2007年11月2日読
    

  転校してきた4年1組の教室であいさつをしようとしたとき、突然
 目の前に透き通った男の人が空中を飛んでいるのが見えた。
 背中に小さなつばさがあった。
 
 びりっかすになるとこの小さな男の人が見えて会話もできるようになる。
 始はびりっかすになるようにするのだけれど びりっかすになるのも
 苦労があるのです。
 
 物語の最初に夫に先立たれたお母さんが始に言った言葉が印象的でした。
 「たしかにお父さんは、お父さんのやり方でがんばったんだと思う。
 でも、お母さんの気持ちをいっとくわ。もしがんばるっていうことが
お父さんみたいに生きるっていうことだったら・・・ひとに勝つことが
 がんばるっていうことだったら、始、お母さんはあなたにがんばってほしくなんかないのよ。」


 
 


  ●「選ばなかった冒険」−光と石の伝説−   岡田淳(作・絵)
  偕成社

  主人公・青木学   年齢など・6年1組 
2007年12月16日読
    

 テレビゲームで敵を倒していくものは どうにも納得がいかない遊びです。
 このお話でも、著者は問題を投げかけています。
 
 自分がやっているゲームのコマになったらどうなるのだろう。
 暖かな安全な部屋でゲームをやっているのとは大きな違いがあります。
 
 学は、6年になって初めてテレビゲームをしたのだけれど クラスメイトの
 あかりと共にどうやら ゲームの世界に入ってしまったようです。
 自分の身を守るということは敵を倒さなくてはいけない。殺さないといけない。
 どうしたら平和な世界にできるのだろうか?
 

 ●「竜退治の騎士になれる方法」   岡田淳(作・絵)   偕成社

  主人公・津村康男   年齢など・6年生 
  2008年1月24日読
    

 6年生の津村康男は目玉焼きにコショウがどうしても欲しくて
 コンビニに買いに行きました。その帰り道でおさななじみの井口優樹
 という女の子と思いがけず会い、何年も親しくしていなかった二人が
 急接近するのです。
 それには、康男が学校に忘れてきたプリントを思い出したことから
 始まります。
 二人で誰も居ない教室へ侵入?すると、不思議な人がいます。
 全く見た目日本人の男性が居て「ジェラルドいうねん」と関西弁です。
 そして彼は 竜退治の騎士であるといいます。
 その上「竜退治の騎士になる方法」がまず、トイレのスリッパを揃えることです。
 
康男がコンビニから学校へ行って帰ってくるまでの短い時間のお話ですが
 その間におさななじみの二人がいい時間を取り戻せるようになるのです。
 
 騎士になる方法も、なぜトイレのスリッパ揃え?と思いますが
 そこから始まるというのです。なかなか奥が深い。
 実際我が家は玄関の靴が役2名揃えられません。
 やってあげるより、自分でやらせなくては!とほっておいていましたが
 気になっている私がびっし〜と靴を揃えることから、変わることもあるのかも
 と思いました。
 
 また、話の中にコショウが重要な小道具となっています。
 チョッと前に「くしゃみ講釈」の落語のCDを聞いたところだったので
 私にとってタイムリーでした。
 


 
 

 ●「手にえがかれた物語」   岡田淳(作・絵)   偕成社

  主人公・季夫(ときお)   年齢など・6年生の夏
  2008年1月25日読
    

  手にかいた絵で人形劇をしながら、話がすすんでいく。
 そんな物語をかいてみたいなと、ずっと思っていました。
 
 という著者の思いが作品になったそうです。
 
 6年生の夏に季夫はいとこの理子と、あきらおじさんの所に
 遊びに行きます。あきらおじさんは、道子おばさんと子どもの居ない
 生活をしていましたが、道子おばさんを亡くして今は一人で暮らしています。
 
 季夫たちはそんなおじさんを元気づけてあげたいと思います。
 画家である あきらおじさんは画材を持って公園に出かけていて
 そこで、二人と自分達の手に描いてもらった理子や季夫やおじさんが
 冒険する物語を作りはじめます。

 


 
 

 ●「もうひとりのぼくもぼく」   岡田淳(作・絵)   教育画劇

  主人公・一人(かずと・カズト)   年齢など・4年生 
  2008年1月26日読
    

 4年生の一人は、お母さんと家のすぐ近くの山、みわけ山に
 登ります。お母さんは小学校の先生をしていてその遠足の下見に
 付き合わされたのです。
 みわけ山は 船に乗った人が夜に場所を見分けるにその山に灯した
 火を見た事から みわけ山と言われるとか。
 また もう一つに 辛いことがあって、もう生きられないと思った人が
 この山の神さまにお願いすると身を分けてくれ、辛い思いをもった身は
 その山に残り、元気になって帰ってくるという言われ。
 
 さて、一人はその山のヤマモモの木の根元で帰ろうとして
 呼ばれた お母さんに ぐずぐずする子はおいてく、さっさとする子は
 おいでと言われ それを勘違いして ヤマモモの木に住むおばばさまが
 身を分けてしまうのです。
 
 さてさて、ぐずぐずだけが無くなってさっさだけになったら
 どうなるのか・・・。


 ●「学校ウサギをつかまえろ」   岡田淳(作・絵)   偕成社

  主人公・藤田恭   年齢など・4年生 
  2008年2月1日読
    

 2学期に転校してきた 伸次は大真面目にでたらめな事をいうので
 1週間でだれも本気にできないようになった。
 その伸次と達ちゃんと山田と恭が放課後遊んでいると
 伸次がウサギが工事現場に入っていくのを見たというのです。
 飼育当番の美佐子も2学期の終わりに転校してきた子ですが
 何か言われた女の子2人とけんかをして それ以来笑い顔も見たことがない
 暗い美佐子といわれる女の子です。
 学校のウサギは美佐子によると居なくなったらしい。
 伸次の話も信憑性を帯びてきて、のんこも加わった6人で探すことになるのですが
 これがなかなか大変です。みんなで工夫していくうちに・・・。
 
岡田淳さんのお話にしては、不思議な事は出てこないのですが
 ちょっとホッとするいいお話になっています。

 

 ●「星モグラサンジの伝説」   岡田淳(作・絵)   理論社

  主人公・作家のぼく   年齢など・ある夏
  2008年2月2日読
    

  作家であるぼくがある夏、友人の家にひとり泊まりこみに
 いくことになった。その友人の家の庭で出会ったモグラが本にして
 欲しいと、モグラに伝わるお話をはじめるのです。
 
 サンジというモグラが好きなことを突き詰めていったら、
 モグラ界の英雄になっていたのだが、それはサンジには知る所ではないし
 どうでもいい事なのです。
 サンジのしてきた英雄的伝説には著者の自然環境に対する思いがさらっと
 描かれているところがにくいです。
 
 
 

 ****************  

 

 ほーむ