「金利は何%ですか?」
相談に来られた方にこのような質問をしますと、金利のことを全く意識されていない方が多いことに驚きます。
借りたお金には利息を付けて返さなければならないことは常識だと思いますが、利息制限法という法律によって、金利の上限は以下のとおり制限されています。
借金の額(元本) |
上限金利 |
10万円未満 |
年20% |
10万円以上100万円未満 |
年18% |
100万円以上 |
年15% |
ですが、多くの消費者金融業者(サラ金)やクレジット会社は、これまで、この上限金利を上回る金利で営業を行っていました。なぜこのようなことが許されていたのかという点は、やや小難しい法律の話なので省略しますが、上限金利分を超えて支払った利息は法律違反ですから、借金の元本の返済に充てられるべきものです。
50万円を、年28%の金利で借りて、30日後に2万円返済した場合を考えてみましょう。
この場合の約定金利年28%による利息の金額は、
50万円×28%÷365×30= |
11,506円 ・・・ (1) |
となりますので、元本の返済には、
20,0000円−11,506円=8,494円
しか充てられず、まだ491,506円の借金が残ることになります。
しかし、利息制限法で許された金利は年18%ですから、
50万円×18%÷365×30= |
7,397円 ・・・ (2) |
が本来の利息であり、(1)−(U)=4,109円も余分に利息を支払わされていたことになります。したがって、この4,109円は、元本の返済に回すことになりますので、借金の残額は487,397円となります。
このような計算を、取引を始めた何年も前にさかのぼってやり直していくことを、「利息制限法に基づく引き直し計算」といいます。引き直し計算をすると、5〜7年ほど取引をしていた方は、借金がなくなってしまうケースが多くあります。
そして、実際には借金がなくなっていた(=返済する必要がなかった)にも関わらず、その後も支払っていたお金のことを一般に「過払い金」と呼んでいます。この過払い金は、皆さんが払いすぎてしまったお金ですから、逆に年5%の金利を付けて、業者から返してもらうことができます。業者から返還を受けた過払い金を、他の業者の返済に回せば、全ての借金がなくなることもありますし、さらに手元にお金が残ることもあります。
業者 |
ご相談時の残高 |
解決結果 |
A社 |
▲100万円 |
過払金150万円回収 |
B社 |
▲100万円 |
過払金30万円回収 |
C社 |
▲ 50万円 |
過払金20万円回収 |
D社 |
▲ 50万円 |
適法残高30万円返済 |
合計 |
▲300万円 |
170万円 |
Xさんは、A社との取引期間が10年以上と長かったので、回収した過払い金の金額も高額になりました。そして、3年前から借り始めたD社の借金も、引き直し計算をした結果、30万円の残高に減額できましたので、過払い金から一括で返済を行い、手元に170万円が残ることとなりました。
ただし、最近は、過払い金の返還に耐えかねて、消費者金融業者の廃業・倒産が相次いでいます。相手が倒産してしまえば、過払い金を返してもらうことは難しくなりますので、お早めに、当事務所にご相談下さい。
(借金に関する相談料は無料です。電話:054-272-6191)