墓地を決める
お墓は一生一度の大きな買物ですから、気に入らなかったら買い替えるという訳にはいきません。
それだけに慎重に選ばなければなりません。
どんな点に注意すれば、後々、後悔しないですむかをチェックしましょう。
宗教は適切か?
私営霊園や公営霊園の場合は、宗教宗は関係ありませんが、寺院墓地の場合は同じ宗派の人しか買えないことも多いようです。 ですから買う前にまず自分の家の宗派を確認することが大切です。 ただし、過去の宗派は問わないお寺もあるようですので、一度 石材店に相談してみるといいでしょう。
   墓地の環境はよいか?
これからお墓参りに行くような場所ですから、立地条件は重要です。
人によって好みがあるので一概に言えませんが、心の安らぎを感じられ、自然が多く平坦な地形がお参りしやすい場所といえます。
自宅から墓地までのアクセス
一般的に、連れ合いが亡くなる頃には皆さんそれなりにご高齢のはずです。ですからお墓参りに行くには遠方では大変です。自宅から車などを使って1時間以内で行ける場所が理想的です。
墓地までの交通機関をチェックして、後々大変な思いをしないように。
お布施の相場を知る
寺院墓地を選ぶと、いつでも葬儀や法事を頼めるお寺さんがいるのは心強いですが、気になることはお布施の
相場です。 墓地の永代使用料が安くてもお布施が高くてお寺との付き合いができなくなるということもありえます。
直接聞けない場合は、目上の方や石材店に聞いてみるのもよいでしょう。
運営主体の信頼性
墓地の運営は永続性の観点から、公共性の高い自治体や宗教法人が行っています。
しかし、それぞれの墓地は、管理費などで整備し、存続していくわけですから、将来、予算が足りなくなって十分な管理がされなくなる場合もあります。
ですから、墓地を求める時はその霊園の将来を見極めて購入しましょう。
また、お寺の場合は後々の法要などをそこで頼む訳ですから、住職の人となりが信頼できるかどうか充分、確認しましょう。
永代使用料について
「墓地を買う」といっても、正確にはその土地を買う訳でなく、使用権を得るということです。
ですから永代使用料というのは、「これから家が続く限りこの場所を使わせていただく」ための費用なのです。
また墓地を使わなくなったからといっても、永代使用料は返還されませんのでご注意下さい。
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墓石を決める
@デザインを決める
お墓の形や大きさに決まりは有りませんので、原則的に予算が許せば自由に形を決めることができます。
しかし、墓地には区画が定められていますので、その区画に収まる大きさということになります。 また、墓地によっては形式についてある程度の規制をしている場合もあります。
お墓のデザインにはさまざまありますが、最も標準的なのは「和式角柱型」と呼ばれるものです。 これは台石の上に竿石と呼ばれる塔状の石を建てたものです。
また芝生の墓地などには「洋型墓石」とよばれる形式をよく見かけます。 洋型といっても、日本で造り出されたものですから、和洋折衷型と考えることもできます。
厚めの台石の上に、低く幅の広い石を載せた形が一般的です。芝生墓地などにある横長の墓石です。 最近では、和型よりも安定感があり、モダンに見えることから人気が高まっています。
公園墓地や霊園によっては「洋型墓」で統一するところも増えてきましたので、事前に確認して下さい。 また一般的な形式にとらわれない個性的な「デザインの墓石」を求める方も増えてきました。 この背景には家制度をもとにしていた墓地のあり方が個人を主体としたものへと変化しているという事情があると考えられます。
自由な形式を認める霊園などでは、故人の職業や趣味、宇宙観などを表した意匠的な墓石を見ることもできます。墓石は材質も形もさまざまです。 最近では自由な発想で建てられることも多く、墓石にも「自分らしさ」を表現したいという考える人が増えてきました。
本やゴルフボールなどと言った生前の趣味にちなんだオリジナルデザインの墓石も見られるようになりました。
A石の種類を決める
お墓は何代にもわたって子孫に受け継がれていくものです。 したがって硬度が高く、風化しにくい石を選ぶことが大切です。
風化作用に強く磨くと光沢が出る素材としてしられているのは、花崗岩、安山岩、閃緑岩、斑糲岩などです。 よく御影石という名前を耳にしますが、それは花崗岩の総称です。 六甲山嶺の神戸市御影付近が産地として有名だったのでそう呼ばれるようになりました。
御影石は墓石として最も人気があり、国内産地としては茨城県 「稲田みかげ」、山梨県「甲州みかげ」、 愛知県「三州みかげ」、香川県「庵治石」、山口県「徳山石」が有名ですが、現在では多くを外国から輸入しており、中国、イタリア、ウルグアイ、アメリカ、オーストラリア、 インド、アフリカ、スウェーデンといった国々からさまざまな石が輸入されています。
ちなみに最近の傾向として関西では青っぽいもの、関東では白系、グレー系よ黒系統の色が好まれます。
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B刻む文字を決める
●石碑に刻む文字
墓石に名字や名前を刻む習慣ができたのは明治以降のことです。 明治時代になって共同墓地が造られるようになり、どれが誰の墓かわかるようにしなければいけなくなったため、家名や名前を刻むのが一般化したようです。
墓石に刻む文字は、お寺や霊園によって、ある程度の決まり事のある場合と、まったく自由な場合と、まったく自由な場合とがありますので、あらかじめ確認して下さい。
最も一般的なのは、家名を刻むお墓です。 「○○家之墓」、「○○家先祖代々之墓」、「○○家累代之墓」などですが 最近は「家」という概念が希薄になったせいか、「先祖代々」とか「累代」の文字を省き、和型墓石には「○○家之墓」、洋型墓石には「○○家」というように刻む場合が多いようです。
その他に「南無阿弥陀仏」、「南無妙法連華経」といったお題目を刻む墓石も見られまが、 こうしたお題目は、宗派によって決まっていますから間違わないように気をつけましょう。
また、この世で生きた記念となる言葉、詩や俳句、辞世の句などの文字を入れる人もいます。
●書体に関して
書体については書体見本のなかから好きなのを選びます。 楷書、行書、草書、隷書などがありますが、解りやすいということで楷書体が好まれます。
また、自筆の文字も刻めます。
石碑に文字を刻む時、その下地となる文字の良し悪しで石碑が生きるか死ぬかきまりますので、文字の選択は慎重に吟味したいものです。
●墓誌に刻む内容
個人の家のお墓の場合、故人の戒名や死亡年月日などを墓石の側面に刻みますが、墓石とは別に墓誌を建立することもあります。 墓地の面積にもよりますが、最近は墓誌を建立するほうが多いようです。
また墓誌には、故人の「戒名」、「俗名」、「死亡年月日」、「年齢」などを刻みます。
C付属品を決める
お墓は遺骨を納める納骨室(カロート・納骨棺)、 お墓を囲む外柵、それにお墓の中心である石碑の三つが基本的な構造ですが、様々な付属品がお墓を飾っています。
●墓誌
故人の戒名や死亡年月日、生前の経歴などを刻むものです。 最近のお墓には付属している場合が多いようです。
●花立て・香炉・水鉢
この三品はお墓には欠かせないものです。 花立てにはステンレス製の金具を付けます。香炉には「屋根型」、「経机型」など様々な形があります。
水鉢は花立てと一体の「切り出し型」や花立てと別の「三点型」などがあります。 何れも基本的には石碑と同じ石で作ります。
●塔婆立
塔婆を立てるために必要ですが、宗派によっては使用しない場合もあります。
●外柵
周辺との境界を分けるために墓地の回りを囲んだもので様々な形式があります。
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お墓を建てる
@墓石の加工
1.切断 2.研磨
採石場で切り出された石材は加工工場に運ばれ加工工場で、石碑用、外柵用など用途別に切断されます。 切断された後は、ダイヤモンドの砥石で、丹念に磨かれます。
3.手加工 4.文字彫刻
細かい部分や曲面などを手加工で仕上げます。 お客様の依頼にしたがってサンドブラスト機を使い文字を彫刻します。
A墓石を建てる
1.基礎工事
基礎工事とは、図面に従い外柵や石碑を据付けるためにコンクリートの基礎を打つ工事のことです。 耐久性と強度を向上させるため、外柵の基礎工事には鉄筋を配します。
2.外柵工事
基礎工事を終えたら、外柵の据付けを行います。
3.石碑据付
外柵工事を終えたら、石碑の据付を行います。
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