星の降る場所で願ってる








ああ…あたしは死ぬんだ。

自分のことなのに人事のように思う。

だって、

ミーア・キャンベルはもうとっくに死んでいたから。

あの日に。

「あたしはラクス!ラクスなの!ラクスがいい!!」

あたしがミーアを殺した。

 

「ミーア!!」

アスランが傍に来てくれた。

あたしの顔を覗きこむ。

悲しそうな顔。

ありがとう

悲しんでくれて。

でも

笑って欲しいな。

あたしはアスランを困らせたり、怒らせることしかできなかった。

だから笑って。

あたし、あなたの笑った顔見たことないんだもの。

 

 

ねぇ、アスラン

あたしのこと忘れないでくれる?

忘れられちゃうのは、やっぱ悲しいし。

あ、あとね、贅沢をいうとね、たま−にでいいから

あたしのことを思い出して、「ミーアがいたらなぁ」なんて思ってくれないかしら。

あたしがいたかもしれない未来、想像してくれたら素敵!

これってワガママかな?

 

 

確かにあたしのしたことは皆をだました、悪いことだった。

誰に責められても仕方ないね。

でもあたしは後悔はしていないの。

だってあなたに会えたから。ラクスだからあなたに会えたの。

本当はずっと不安だった。不安で苦しくて…押しつぶされそうだった。

必死でラクスを演じる日々。

それはあっけなく終わりを迎えたわ。

でも

絶望の闇の中で、貴方は来てくれた。

もう一度手を差し出してくれた。

それだけで充分よ。

 

あたしのアスランに対する気持ち。

この気持ちを名付けるつもりはないの。

憧れや恋なんて言葉で片付けてしまうのはイヤ。

あたしだけの真実の気持ち。

だから

この気持ちと共に眠るの。

ホント言うともっと一緒にいたかったけど…

あたしは貴方の幸せを願っているね。

偽りじゃないこの想い、アスランに届くといいな。

 


「アスランに逢えてホントにうれしい」







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