振子時計の分解整備 (オーバーホール)
初めに
今でもいくつか新品は販売しています。 戦前はかなりの数のメーカーがあったようですが機械の部分は今も昔もほとんど変わりなく、機械時計の進化は当の昔に行き着いた感じです。
昭和初期でももうすぐ100年で、探すともっと古いものが今なら見つかります。
カレンダー付きは昭和40年代のクオーツ式が普及する時期の物です。
それ以前はメカ的には完成していたのでデザインに凝った物もあります。
しかしながら、ほとんどが壊れる(動かなくなる)まで、ノーメンテが多く時計屋さんで購入した古時計以外はほとんどが問題ありと思います。
複雑と思われる時計ですが、実はそんな事も無く運針用の部分だけで言えば7つ位の歯車の組み合わせです。
その他に報時用のパーツやカレンダーのパーツがあったりしますが。
腕時計のような特別工具も必要ないですが、それでも時計です。
素人が簡単にいじれるものでなく知識や経験が無いと壊すどころか怪我します。
私も素人なので、細かい解説はしません。
時計屋さんのHPを探すと少し教えてくれるとこがあるかもしれません。
そちらを参考にしてください。 初心者がやってしまうヤバイとこだけは書いていこうと思います。
もし自分でやってみるつもりなら、壊す事を覚悟するのと、最低限構造は理解してからにする事をお勧めします。 (笑)
完全に分解したらパーツの洗浄をします。 こびり付いた油粕を丁寧に落とします。
歯車の軸が入りホゾ穴は1ミリ位のところもあり、傷つけないような物で掃除します。
この時ホゾ穴の変形に注意します。 程度が悪いと楕円形になってしまっていてぐらぐらする場合がある。
これが見られる場合は厄介な事をしないとならない。
歯車は薄く曲がりやすいものがあるので慎重に! 落っことすと壊れる。
この作業の時に歯車のかけを見つけた場合は最悪です。 直す手段はありますが熟練の時計師の仕事です。
必要な事がすべて終われば、組み上げに入ります。
ばらした時の記録の逆にホゾに入れていきますが、無理に押し込んだりこじたりしないこと。
軸を曲げたり折ったら・・・・。 -−→ ゴミ箱行き。
ピンセットを使い慎重に置いていきます。
最後に上のフレームを入れますが、これが難易度が高い。 失敗するのはこの辺です。
報時用の歯車でタイミングを合わせる物があるので注意する。 間違えるとボンボンといつまでも時報を叩き続けます.笑
無事に組み立て終わったら重要な油さしをします。
適当な油で代用はよした方がいいです。 まともに長期間正確に動かすためにはどうしても時計油が必要です。
通販で探すと見つけられますが(ウォッチ用ではなく、クロック用です) 使う量は数滴を取り分け極細の筆で置いていく。
ゼンマイはまた別にそれようがある。 機械油使ったらくっ付きますよ。
ところで、Webmasterはケースも分解掃除しています。 丸いガラスは魚眼のような球面ガラスで割ると代わりを探すのは困難。 本体の汚れを綺麗に取ると昔の艶が出てきます。 ベニヤ板ではなく無垢材です。
ざら回しをして滑らかに動くか確認する。 時報もうまく数えるか確かめる。
いよいよ本体に取り付け振子をつけて稼動させます。
運がよければ脱進が行われ時を刻みます。 補修して正常に組めば動かないはずは無いので原因がどこかにある。 一番重要でなるべく触りたくないアンクル付近をよくみる。
振子の振りとアンクルの動きがずれて無いか見ておく。
うまくいったら、そのまま稼動させようすを見る。 どのぐらい時間のずれが出るかも観察する。
一月で5分ぐらいですか。
ところで、高級時計だと年差数秒と言うクオーツ時計もありますね。 値段も高い
また月差30秒でも、一日一回修正する電波腕時計もある。
まあ、どちらが良いかは結論の出ない話ですが。
定期的な掃除と適正な注油を欠かさなければオバーホールまではしなくてもすむ場合もあるらしいです。
”大きな古時計”の歌によると100年で止まったそうですが、手入れが悪かったのか。
ところで、この歌ネタを出されるまで知らなかったのですが、原文は
My grandfather's clock was too large for the shelf, おじいさんの時計は棚に置くには大きすぎたので90年もの間、床に置かれていた
So it stood ninety years on the floor; それはおじいさんの背丈より半分以上も大きかったが 重さはおじいさんの体重と1グラム程も違わなかった
It was taller by half than the old man himself,
Though it weighed
not a pennyweight more.
It was bought on the morn of the day that he was born, その時計はおじいさんが生まれた日の朝に買ってきたもので いつもおじいさんの宝物であり、誇りだった
And was always his treasure and pride.
But it stopp'd short, Never to go again, でも おじいさんの亡くなったその時に急に止まって動かなくなった。
When the old man died..
90年だったんですね。 日本語にしたとき語呂が悪かったんでしょうか? 笑
なお、このGrandfather’s Clock の時計のその後を歌った続編 Sequel to “Grandfather’s
Clock”
がある。 古時計はがらくた屋に売り払われ、バラバラに解体されたという歌です。
替え歌。
「大嘘つきな古狸」(「おおきな態度の古狸」)
「豪華な金時計」
ゼンマイが弾けないように針金で留めてある。
まず、手に入れた時計の現状を確認します。
動くのか? 動き出すけどいつの間にか止まるのか? ゼンマイが巻けるのか? 欠品があるのか、箱が壊れていたりガラスが無かったりとか・・・。
自分のレベルで出来るかどうか考えます。
分解するときはスケッチとデジカメで常に記録します。 これが組み立てるときの説明書なり困ったときのヒントになります。
部品によっては、フレーム外した瞬間に弾けたりするとこもあります。
特にゼンマイは危ないです。 玩具のゼンマイとは違うので見掛け以上に力があり”破ざすと怪我”します
止めのやり方を理解してから始めます。
基本的に分解に力はいりません。 もし硬いような感じがしたら何かがまだ止まっているか、錆なんかで固着している事が考えられます。
無理して力かけて1ミリの軸を曲げたり折ったりすると、それで終わりです。 −→ゴミ箱行き。
真鍮の部品は曲がりやすいので、やってしまうと素人には修正困難です。
進むごとに記録は取り続けます。
ゼンマイの力を先に開放させる事はすでに分かっているはずですが、アンクルや風車を外すと、取った瞬間に残っていた力が解放され一気に回りだします。 パーツが吹っ飛んでわけが分からなくならないように。 (笑