島田民主商工会 第27回定期総会への報告と提案

未曾有の経営困難の下で開かれる今回の総会
 昨年秋以降、“100年に一度”とも言われる、かつて経験したことのない急速且つ深刻な経済危機が進んでいます。これまでの活動から教訓を引き出し、“つぶされてたまるか”を合い言葉に、未曾有の危機を団結の力で乗り越え、営業と暮らし、地域経済とコミュニティーを守り抜くための体制と方針を決めるのがこの総会の役割であり、目標です。

経済危機の根源はどこにあるか
 現在の深刻な経済危機を乗り越えるには、現状がどうなっていて、その根源がどこにあるのかを正しく知ることがどうしても必要です。
 今回の経済危機は,去年秋の“リーマンショック”が発端です。当時、政府首脳は、「日本への影響は少ない」と、甘く見ていました。ところが今、日本は主要国の中で株価などの落ち込みが一番ひどい国になってしまいました。これは、日本経済の行き過ぎた輸出頼みの体質と、国内需要の極端な細さに原因があります。
 大企業が横暴勝手を極め、“派遣切り”、“下請いじめ”などをほしいままにする状況や、もともと低かった国保や年金などの社会保障の水準が、“構造改革”の名でさらに一層貧弱にされてしまったことも、私たち庶民の暮らしを以前にも増して困難且つ不安定なものにしています。

消費税は逆立ち政治のシンボル
 税制をめぐっても、所得税を納めるような仲間はほんの数えるほどしかいないくらい、赤字の個人・企業がほとんどなのに、消費税は最低でも10万円単位で容赦なくかかってきます。この消費税は、当初“福祉のため”という名目で導入されました。あれから20年が経ち、国庫に入った消費税は全部で213兆円に達します。ところが同じ期間の法人3税の減収は182兆円にのぼります。私たちが納めた消費税の大半が大企業向けの減税の穴埋めに使われた計算です。
 この面からも、日本の政治がいかに“強きを助け弱きをくじく”逆立ち政治になっているかは明らかです。

総選挙で世直しを
 今年は間もなく総選挙が行われます。今回の総選挙は、こうした逆立ち政治を根本から切り替えて、私たちが納めた税金は私たち国民の暮らしや福祉、次代を担う子供たちの教育などにこそ最優先で使う政治に改めさせるまたとないチャンスです。2年後の消費税大増税かそれとも4年後かを競うような2大政党では困ります。天下の悪税=消費税で一番被害を受けている私たち中小零細業者こそ、本当の意味での政治の転換を図る意思と能力のある政党・政治家を躍進させる先頭に立とうではありませんか。
 同業者や取引先、多くのお客さんや近所の人たちに、悪税の実態や“2大政党”の本当の姿などを知らせて、みんなの力で消費税の大増税計画をストップさせ、私たち業者が安心して商売ができ、暮らしていける世の中をつくっていこうではありませんか。

強く大きな島田民商をつくる活動
 この1年間、島田民商の会員は、入会が10人に対して厳しい経済情勢を受けて、廃業をはじめとする退会が16人と、前総会の会員数を上回ることができませんでした。しかし、地域経済とその担い手である中小零細業者の暮らしと営業を守り抜いていく上で民商の果たすべき役割はかつてなく重く大きくなっています。
 増税に反対し、業者の生活と営業を守るためにはもちろん、長期・低利の融資を獲得する上でも、滞納処分や差し押さえなどの徴税攻勢と闘う上からも、強く大きな民商をつくることはその要です。異業種の集まりである民商の強みを最大限に生かして、仕事の回し合いや助け合い、新製品の開発など、知恵と力、経験を寄せ集めて、生き残りと発展の道を切り開いていこうではありませんか。
 また、私たちの周りに民商の理念や活動の最も良き理解者としての商工新聞読者の厚い層をつくる活動にも取り組みます。会員数の5割増しの読者をつくり、安定した配達・集金の体制づくりに挑戦します。






支部・班の体制を整える活動
 島田民商ではこれまで、特に本格的な支部体制をつくることに成功していません。これはそのための担い手を育ててこられなかったのが主な要因と考えられます。しかし、支部・班の体制を整えることは、強く大きな民商をつくるのにどうしても必要なことです。
 班会議を重視して、月一回は必ず集まって情報交換などをすることと、当面、島田・榛南の2支部と班の役員体制づくりを車の両輪として意識的に取り組みます。この際、2世や若い世代に思い切ってよびかけ、力を発揮してもらうことにも特別な力を注いでいきます。

重税に反対し、自主計算自主申告を強める活動

 重税から暮らしと営業を守る上で一番の武器は、正確な記帳と様々な制度への正しい理解です。パソコンなどを使いこなせるようになること自体は大切なことですが、機械が勝手に帳面をつくってくれるわけではありません。そして何よりも大切なことは、できあがった帳面をどれだけ商売や節税に活かすのかということです。このためには、班会などの場で互いに教え合い学び合って日々努力を積み重ねていく以外にありません。パソコンの活用も含めて、記帳や諸制度の学習に特別力を注いでいきます。
 あわせて、今の税制は、まともに商売や納税をしていたら生活費が残らない、あるいは持ち出しになるというのが実態です。このような間違った税制は、法律の方を変えさせることも避けて通れません。この面での学習や運動を思い切って強めるようにします。

規約の改正を力に共済への全会員加入目指して
 全商連共済会は、6月の臨時総会で主に2点について規約改正を行いました。一つは、従来5日以上の入院でないと共済金が出なかったのですが、今月から3日以上の入院で出るようになりました。もう一つは、加入時に通院などしていた病気で入院した場合、これまで加入から2年経たないと請求できませんでしたが、1年で請求できることになりました。
 会員本人と配偶者は無条件で加入できることをはじめとする“仲間同士の助け合い”ならではの優位性を最大限に生かして、全会員加入を実現していこうではありませんか。一日も早くA会員(民商会員本人)の加入率を80%以上に引き上げることを目指しつつ、急いで75%突破を図ります。
 あわせて、健康診断やリクリェーションなど、“生存者重視”の共済会活動を一層強めていきます。支部・班の共済会役員(担当者)を決める努力も引き続き強めます。

業者婦人の地位向上と活動の発展目指して
 業者婦人は、経営者本人の場合はもちろん、専従者の場合であっても営業と暮らしの中でかけがえのない役割を果たしています。また、民商婦人部は、民商活動にとって欠くことのできない重要な一角を担っています。
 所得税法第56条(家族従業者への給与を経費として認めない)の廃止を始め、業者婦人の地位向上をめざす活動に、民商本体としても取り組むとともに、婦人部の活動に可能な限りの支援を行っていきます。

業者青年に希望を!
 島田民商の青年部が再建されて4年が経ちました。そして未来は若者のものです。若い世代が希望を持って商売を続けられるように、リクリェーションや様々な相談事への対応も含めて、青年部の活動について民商本体としても最大限の支援を行っていきます。また、一人でも多くの若い世代が理事などの役員に加わるように積極的によびかけます。

かわごえ道場
 かつてのようにサラ金で多重債務に陥るといった人は少なくなっていますが、長引く深刻な不況の下、「返せるはずだったローンを返せなくなった」とか、「消費税が払えず売掛金を差し押さえられた」といった深刻な相談が増えています。相談の中身や形は変わっても、まじめに働いていたりその意思のある人が路頭に迷わなくても済むように、助け合い励まし合って困難を打開する場としての道場の役割は引き続き重要です。
 宣伝の強化を含め、新たな視点で活動を広げます。

他団体・個人との協力・共同の推進
 民商自身も中心的な構成団体の一つである『消費税廃止各界連絡会』の活動に、引き続き全力で取り組んでいきます。
 “平和でこそ商売繁盛”、の立場から、毎年恒例の平和行進をはじめ、原水爆禁止と平和を守るための活動に、志を同じくする他の団体・個人とともに取り組んでいきます。また、第9条をはじめとする憲法の平和・民主条項を守り活かしていくために、『9条の会』や『憲法を守る島田榛原共同センター』に加わって、積極的に取り組みます。
 国保や年金をはじめとする社会保障の改善・充実は極めて切実です。民商も加わっている『社会保障推進協議会』(社保協)による対県交渉などにも引き続き積極的に取り組みます。各自治体に向けて国保税の減免を申請する取り組みも検討します。
 このほか、会の理念や目的と合致する目標を掲げる団体・個人と、共通する課題での協力を強めつつ、共同行動を発展させます。