青山白雲 07.12.05/06西伊豆→南伊豆 堂ヶ島→下田 

 妻と西伊豆へ1泊で出掛けた。2人での旅行はもう何年ぶりだろう。20年以上になると思う。松島に似ているといわれる堂ヶ島に行くのだが、部屋からの展望が良い松崎にある国民宿舎「伊豆まつざき荘」にした。そして堂ヶ島の見物に行くという予定。しかし天候の良いうちにと先に堂ヶ島に行ったら風が強く、遊覧船は欠航で遊歩道からの見物のみとなった。

堂ヶ島
   ↓大島
大島  第1日 12/5(水)晴 伊東駅→下田駅→(婆娑羅峠経由)→松崎→堂ヶ島→松崎(泊)

 伊東からだと修善寺にバスで行き、そこで又バスに乗り換え南下するか、伊豆急行で下田へ出て婆娑羅峠越えで行くかだが後者にした。

 10:36発。伊東からは伊豆高原駅から先は初めてだ。間の日なので電車もバスも空いていて全て座れた。各駅でのんびり走る電車から、海や温泉地を眺めながらの旅は良い。河津あたりまでは海が良く見え、大島が大きく他の伊豆諸島も望見される。

   ↓トンボロ現象の地点
トンボロ現象の地点  11:54下田駅着。伊東駅よりずっと立派だ。ここから出る急行バスで婆娑羅峠越えをする。国道414号線(下田街道)を伊豆急に沿って北上、蓮台寺駅、次の稲梓いなずさ駅より左折稲生沢川沿いとなる。

 国道とも別れ横川温泉を過ぎ山間部に入ると殆ど人家もなく、伊豆独特の纏まりの無いころころとした小山があちこちにある中を縫って行く様になる。

 婆娑羅峠300mはトンネルであっという間に越えてしまう。北に高いのが婆娑羅山608.4mだろう。峠の世界さんのホームページによると下田と松崎を結ぶ峠道は廃道ながらしっかり道形は残っているらしい。バサラとはサンスクリット語で金剛を意味するとか。近くには長九郎山995.7mもありいずれ登ってみたい山だ。

   ↓仁科灯台を望む
仁科灯台を望む  下りとなったバスはその登山口にある大沢温泉を過ぎると那賀川沿いの平野を走るようになる。瓦屋根が多いのがこの辺の特徴だろうか。やがて松崎に到着、そのまま北上13:11に堂ヶ島に下車した。

 しかし風が強く期待の遊覧船は欠航だ。やむなく国道136号沿いの店でラーメンを食べ、西伊豆歩道堂ヶ島コースへ。

 天窓洞という穴の下を覗くと海水で、天気の良い日は遊覧船がトンネルを潜ってここを通るそうだ。展望地に出ると目の前に三四郎島があり、干潮時は陸続きになる"トンボロ現象"が見られるそうだ。この時もそこに白波の線が見られた。

   ↓松崎の夕陽
松崎の夕陽  どの売店も暇そうだ。近くに"らんの里堂ヶ島"という大きな公園施設があるが、時間的に中途半端なので端折りバスで松崎へ戻る。"まつざき荘"は海岸ぷちに去年新築された6階建ての綺麗な宿だった。海に面した5階10畳の和室に入る。

 駿河湾に沈む夕陽を見るのが今回の一番の目的だったが、雲が少しあってその中に沈むまあまあの夕陽であった。

 浴場は6階で泉質は我が家と同じ硫酸塩泉だ。食事は2階の食堂で一番安いCコース。伊勢海老、さざえ等特別注文もあるが、我々はもう食が細くなり食いきれないのでこれで十分だ。40名位居たろうか、殆ど中高年夫婦で子供は皆無、静かなものだ。

   ↓西伊豆の海岸
西伊豆の海岸  窓際で浴衣でお互いを撮る。こんな事は箱根以来何十年振りだ。夜は羽根の掛け布団1枚だが、空調が効いているので熱い位だった。

 第2日 12/6(木)晴 松崎→(マーガレットライン経由)→下田駅→寝姿山→下田駅→伊東駅

 風は止んだが一浴の後バイキング風朝食をとり帰ることとする。松崎は"なまこ壁"で有名だがそれも見ず、海岸ぷちの遊歩道を少し散策の後10:33のバスで帰途に就く。同じコースもつまらないのでマーガレットライン(国道136号線)という南伊豆回りに乗った。昨日のバスは急行の観光バスなので乗り心地が良かったが、今日の定期バスはがたがたと今一。でも海岸の高見を行くバスからの眺望は良い。

   ↓ウンナンゲッコウカ
ウンナンゲッコウカ  松崎を離れると山の中腹を行くようになりまつざき荘がはるか下に小さく見える。ひとしきり彫刻ラインと名付けられた白い彫刻の点在する道を行くが、自然の風景に馴染まない不要なものだ。

 岩地、石部、雲見温泉と狭い海岸ぷちの小平地に同じような温泉宿が続く。

 雲見温泉からは富士山が見えるそうだが、今日は雲の中に中腹がチラと見えた。波勝崎は国道から見えないが、母が存命の時老人クラブだったかで行った時の話として、猿に引っ掻かれた所として記憶されている。

   ↓センニチコウ
センニチコウ  何処までも小山が連続しその少しの隙間に人家が点々と在る。この国道が無ければどうにもならない地域だ。国立公園内を通っている訳で、東京のようにスギ、ヒノキでずたずたでなく、自然林ばかりの中を走るので、折柄の暖冬で季節遅れの紅葉が楽しめるバスの曲折は快適だ。

 妻良めらを過ぎると国道はようやく山を離れるが、この辺地図で見ると、石廊崎に掛けて海岸ぷちに南伊豆歩道がありそのうち行ってみたい。やがて青野川に沿うようになると"下賀茂熱帯植物園"があり人家も増えだし、11:23下田駅に着く頃は大都会に入った気分になる。

   ↓下田湾
下田湾  ロープウェイで下田を一望出来るという寝姿山200.1mに登ってみる。ゴンドラからは背後に市街地が眼下に、上では下田湾がパノラマだ。

 三角点はもう少し先らしく、そこから北へ高根山343.3mへのハイキングコースがあり、蓮台寺下車で逆行が良さそうだ。

 一帯は黒船見張り台跡などもあり、ツワブキ等自生の植物の中にセージ、サンショクノボタン、センニチコウ等園芸品種の草木が配植されウンナンゲッコウカという黄色の珍しいものもあった。

 降って駅の食堂で昼にし、また各駅でのんびり帰る。電車のごとんごとんの振動が久し振りで心地よく15:00には伊東に帰れた。

 <交通費>伊東駅〜下田駅1570円 下田駅〜(婆娑羅峠)〜堂ヶ島1360円 堂ヶ島〜松崎260円 松崎〜(マーガレットライン)〜下田駅1780円 ロープウェイ1000円
 <宿泊費>伊豆まつざき荘1泊Cコース9475円

 紅葉の山を抜けると海沿いのカーブを列車は軋みつ走る

 松生えの島に激しく水飛沫堂ヶ島には鳶旋回す

 手の入らぬ山峡を行くバスよりは遠く霞みて駿河湾見ゆ  07.12.12 

 

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