青山白雲 06.09.04伊東 汐吹崎・扇山 52m
火曜日、晴

 山というに値しない高さだが、海の突端からの雄大な景観には、十分満足できた。伊東駅より新井行きのバスが、30分おきに出ており終点で下車。海沿いのR135バイパスを、下田方向へ歩き出す。
   汐吹崎・扇山
 やがて富戸・川奈方面への道に入る。この辺りから振り返ると、宇佐美から延々続く海岸線と、伊東市の背後の大平山などの稜線が、大パノラマとなって煩い国道の騒音も我慢出来る。

 沖合い遠く初島、近くには手石島が浮かび、テトラポッドに砕け散る波しぶきで、汐の香も漂う。

 この辺から手石島にかけては浅瀬で、東と西の波がぶつかり合う瀬合い、通称三角波と言いサーフィンに良い。歩道も尽き狭くなった道を車に気を付けながら歩き、3階建てのビルを過ぎしばしで間もなく汐吹公園に到着する。

 トイレ、自販機のある小公園で、市では全く宣伝しないので穴場かも。ここでゴツゴツした面白い形のニガガシュウ(ヤマノイモ科、ツル性)のムカゴを採集。一面に咲くカンナの中を海岸へ下りる。

    ↓汐吹岩とハマカンゾウ
汐吹岩  この先汐吹岩へと道がある。「岩の内部が空洞になり、流れ込んだ海水が空気の圧力で噴き出す。荒れた日の満潮時は高さ数10mに達し、音も迫力があるが波の無いときは見られないこともある。」とガイドブックにはある。

 今日は少し高波気味ではあるがそれ程でもなかった。それでも道に波が被るので、これより凄いときは当然近づけないだろう。

 戻って扇山へ、祠と展望台があり、52mと馬鹿にしてはいけない360°の雄大な景色が展開していた。相模連山、快晴なら富士もその上に半身を見せているはずだが、今日は雲隠れだ。

    ↓手石島と遠く初島
手石島と初島  手石島が眼下に、遠く軍艦のような初島が相模灘に浮かぶ。南方に目を遣ると川奈崎の突端に灯台が小さく見えた。ここは空気の澄んだ冬訪れると良い所だ。

 はるばる遠くから訪れる方は、ここだけでは少し物足りないかも知れない。それで帰りにはバスには乗らず、バイパスを北上すると伊東港魚市場を経て、大川に架かる渚橋に出る。ここからは山と海に囲まれた伊東の中心部がパノラマで見渡せる。

 伊東はこの大川によって出来た扇状地にあり3〜4階程度以上の高い建物が無いので広闊な風景は気持ちが良い。橋の袂には三浦按針碑がある。(注1)

    ↓東海館
東海館  渡ってなぎさ公園、海を見ながら一休み。このバイパス沿いには干物屋やレストランがあり土産や食事に良い。

橋を戻り大川沿いの遊歩道ですぐ旧道にでると木造三階建ての東海館(注2)があり一浴、駅まで歩いても15分位。またはバイパスをそのまま北上、駅入り口の信号を左折すると伊東駅は直ぐだ。

(注1)三浦按針:ウイリアム・アダムス、イギリス人航海士。日本に漂着、家康に見出され伊東で帆船を建造する。 参照 ウイキペディア事典

   ↓宇佐美海岸より手石島、扇山方面
宇佐美より扇山 (注2)東海館:昭和3年開業した木造3階建てのしゃれた温泉宿。その後廃業、市が買い取り観光施設としてよみがえらせた。入館料200円。入浴料500円。休館日、第3火曜(祝祭日の時は翌日) 参照 伊東観光協会

(注3)観光番:廃交番を観光案内所にしたもの。

(注4)東海バス、伊東駅1番線新井行き、ほぼ30分おき、200円。
(注5)1989年7月、有史以来の海底火山噴火が手石島付近で起こり手石海丘と命名。

 高波はテトラポッドへ波しぶき狭霧となりて国道を越ゆ

 手石島磯辺に舟は近付けず白く泡立つ波に囲まれ    06.09.04

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