青山白雲  87.05.04〜05奥秩父
   黒金山2231.6m→ゴトメキ2247m→北奥千丈岳2600m
月/火 野宿1泊 車使用 単独

<コース>新地平→西沢渓谷→黒金山→大ダオ→トサカ→ゴトメキ(野宿)→北奥千丈岳→国師岳→天狗尾根→西沢渓谷→新地平
 ↓紅葉台から北奥千丈岳〜国師ヶ岳
紅葉台から北奥千丈岳〜国師ヶ岳  GW3〜5の連休は3が天気悪く、4/5を一泊で出掛ける。予定ではゴトメキより大丸戸、翌日は国師から甲武信へ縦走の積りだった。

 だが第1日は道無き大丸戸は時間切れで中止、2日目も疲れたので天狗尾根で下山。だが全山変化に富んだ良いコースだった。

第1日5/4 月曜日、振休 晴 西沢渓谷→黒金山→大ダオ→ゴトメキ(野宿)
 中央高速勝沼IC下車、塩山を経て広瀬湖より、西沢渓谷入口の三富村営駐車場に車を置き出発。タチツボスミレ、モミジイチゴ、トウゴクミツバツツジ、ムシカリ、ヒカゲツツジの花々。西沢山荘先より渡る吊橋からは北にごつごつした鶏冠山が高々と仰がれる。ウグイス、ツツドリが鳴き、コマドリを道先に見る。

 ↓紅葉台から甲武信ヶ岳、木賊山
紅葉台から甲武信ヶ岳、木賊山  7:30七釜五段の滝に着く。83.01.16黒金山よりここへ下りて来た。何時も変わらず見事な滝の連続だ。一方通行の帰路コースに出て愈々登りとなる。

 花未だのアズマシャクナゲの中をひたすら急登、1730mの紅葉台からは主脈の木賊山や破風山が北に見える。1960mでコメツガ天然林になり9:50大山祗神と書かれた大石のある2021m峰に着く。ここからは黒金山や国師岳が望まれる。

 次のお丸という2020m峰で10:15食事にする。コガラがつつ、じーじーと間近迄来て可愛い。シラビソのやにの匂いが漂い亜高山に来たなと感じさせる。ヒカゲノカツラ、ツルツゲ(花未だ)が多くなる。牛首のタルを経て11:50黒金山々頂へ、ここはもう3回目だ。ゴトメキ〜国師ヶ岳が展望。

 ↓黒金山より大丸戸/ゴトメキ
黒金山より大丸戸/ゴトメキ  少し南下、大ダオへ向かうが何時しか道は西北の尾根に入り込み、伐採地に至り下方に黒金山林道が見えて来て、大ダオから大分外れたのを知る。

 左へヘズりながらやっと大ダオへの道に戻る。林道より伐採が始まっている為、作業員に依って付けられた踏跡で道が乱れ引き込まれた為かと思う。

 時間を食い疲れて大ダオの草原で暫しの仮眠を取る。これからは定かでない笹藪道だ。トサカからは大分はっきりして来る。ゴトメキ手前で若い男女と擦れ違う。大ダオ迄どれ位と聞かれたので手帳に記した登りの時間1:30から1:00位と思うと答える。大ダオでテントらしい。

 立教大生遭難碑のあるゴトメキに14:53着く。ザックを置き南の大丸戸を目指したが、直ぐ道不明となりあっさり退却。広平頂は一旦道を失うと怖いので充分余裕がいる。ここの草原の木陰にツェルトザックを張った。パンと紅茶で夕食。ワンカップで一杯やり17:00にはシュラフに入る。ラジオを捻ると今日既に道は帰りの大渋滞という。19:00には寝入ったが21:00風が出て霰がぱらついたりした。

黒金山→ゴトメキ→北奥千丈岳

第2日5/5 火曜日、子供の日 晴 ゴトメキ→北奥千丈岳→国師岳→西沢渓谷
 余り良く寝られぬ儘4:10起床、4:50には出発する。だだっ広い丘陵であるゴトメキの荒れた原生林の屈曲した道を行く。白桧しらべ平は相変わらず強い風が吹き抜けている。83.01.15に利用させて貰った作業員宿舎を過ぎ石楠花新道の登りとなる。
 ↓大ダオ
大ダオ  断続する草原の彼方に南アが見え、振り返えるとゴトメキ〜大丸戸の高原状の上方に富士が浮かんでいた。この辺から雪は50cm〜1mもあるが硬いので楽だ。

 然し雪の時通った人は幾らもいないので広い尾根では暫し迷う。8:00奥秩父最高峰、北奥千丈岳に2回目の到達。今日は四囲が良く見える。

 人影のある隣の国師岳や、金峰の五丈岩そして八ヶ岳、南ア、富士・・・。三繋平を経て国師岳へ、中年夫婦がアイゼンを装着して甲武信への縦走に出たが、私は疲れたので下山に変更。天狗尾根を下る。この尾根は林道迄の約1kmがほぼ丸い巨岩累々たる中の急降で、登りは難しそうだ。

 ↓大ダオの原生林
大ダオの原生林  ダケカンバ、シラビソ、オオシラビソ、コメツガ、ハイマツ、ゴヨウマツ、ヒノキ、アスナロ、アズマシャクナゲ等の低〜中木そして地面にはコケモモ、枝にはサルオガセが下り庭園風だ。完全な風衝樹形のゴヨウマツも見られた。この辺から眺めるトサカは確かに鶏冠型に見える。

 中間地点に高さ約10mの巨岩でケルン状の所があり、天狗岩という。頂上にきらきら光る剣が立っており台座には奉納と書かれてある。最近作られたらしい新しい物だ。

 横の岩の隙間に古い半分に折れた鉄剣が挟まれており、表面を見ると大矢立 明治51年 西保下村 武蔵与垣左衛門 その他の文字が一杯彫られている。落雷で折れたと何かで読んだ気がする。又木の梯子の先に3畳位の洞窟があり、御神体らしいのが見えた。
 ↓天狗岩 遠景黒金山/乾徳山 トサカ
天狗岩 遠景黒金山/乾徳山 トサカ  岩場が段々無くなり樹林帯に入ると、甲武信ヶ岳や木賊山が良く見える地点を何ヶ所か過ぎ、程なくウインチがあった。伐採用と思われ林道に下る道を利用する。

 10:33静かで明るい車も通らないここで食事にする。これより林道近道の道標より下るが、2回目は藪酷く3回目は完全に不明となり遮二無二下りる。

 やがてネコヤナギの咲くアザミ沢沿いになり、南アで山を下ってきたような雰囲気の所だ。京の沢出合から壊れたトロッコ橋の辺りで沢を飛石で対岸へ、これより延々と西沢渓谷右岸の高みを行く軌道敷跡を辿るようになる。トンネルを2っ潜るが崩れた石屑で半分埋りおっかない。小沢を横切る毎に軌道が吹っ飛んでこれも危ない悪場だ。フキの花、この辺シシガシラが多い。

 ↓折れた鉄剣
折れた鉄剣  13:30昨日登った分岐点に達し、これより西沢渓谷一周の一方通行路とて道は林道並となる。勿論沢山のハイカーと前後するようになる。アズマシャクナゲが2〜3本咲き始めていた。

 若夫婦がこれ何の花かしらと指しているので見るとエイザンスミレだ。スミレらしくない葉だが叡山から取ったこの割と大きい花の名を教えてあげた。他にネコノメソウ、ヤマブキ、トウゴクミツバツツジ等。破風山が堂々と見える。

 西沢入口の茶店で煎餅を土産に、高速は混むと思い甲州街道で帰ったがこれも中々で8:00掛かった。

<コースタイム>
  第1日:出発4:15→駐車場6:14→滝7:33→紅葉台8:39→黒金山11:46→大ダオ13:03→ゴトメキ14:53  第2日:出発4:50→北奥千丈岳8:07→国師岳8:22→天狗岩9:09→分岐13:27→駐車場14:50→帰着23:00
<歩いた距離>
  第1日:山道14km車道3km 計17km  第2日:山道20km車道6km 計26km
<行動時間>
  第1日:6:25→14:53 歩行8:00 休止1:10 計9:10
   第2日:4:50→14:50 歩行8:25 休止1:05 計9:30
<掛かった費用>¥2350
<使用地図>昭文社4万 奥秩父2  地理院2.5万 金峰山/雁坂峠/川浦
<参照>甲斐の山山 新ハイキング社 小林経雄氏 P136〜140 
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