青山白雲  86.01.12奥多摩 三頭山1527.5m→三国山960m
日曜日 晴 単独            糠指ぬかざす尾根→笹尾根
<コース>奥多摩駅→峰谷橋→糠指山→ツネ泣峠→三頭山→→笛吹うずしき峠→浅間峠→三国山→井戸→上野原駅
 今日は三頭山を北から登り、笹尾根を行ける所迄縦走する予定。三頭山と笹尾根は78.08.27以来7年半振りだ。三頭山北の尾根が氷結の急登で時間を食い、短い日脚とて三国山で日没となり下山した。しかし初めて気候も展望も良く快適な大縦走が出来た。

三頭山→三国山

 奥多摩湖畔の峰谷橋で下車、橋を渡り馬頭トンネルを潜ると、小河内神社入口より湖に下り、ドラムカン橋で対岸へ、釣人が2箇所程固まっている。この橋はドラムカンを浮かせて括り板を渡したもので、繋の外れた所もあり板には霜も降りぷかぷか揺れておっかない。何とかへっぴり腰で渡り終える。
 ↓大沢山
大沢山  通行止の有料道路に登り付くと、湖を隔てて北に石尾根派生の倉戸山や榧の木山が高い。西少しで糠指尾根の登り口だ。イヨ山は3等点峰だが展望は無い。

 少し下ると目指す糠指山とその先に三頭山が見えて来た。これより物凄いアイスバーンの急登で迂闊にもアイゼンを置いて来たのが悔やまれる。

 西方伐採され鹿倉ししくら山や飛竜〜雲取が良く見える。道標から少し登ると山頂そして30分余でツネ泣峠に着く。(由来別記)ムロクボ尾根よりの道は2.5万図では糠指山に直登しているが、実際は捲いてここに来ている。

 ↓御前山と大岳山
御前山と大岳山  入小沢の峰を過ぎる頃は斜度も大分緩くなって来て、幅広尾根にブナ、ミズナラの素晴らしい自然林の上下となった。雪は10cm位、西から鶴峠よりの稜線が上がって来た。

 峠よりの道を合わせる地点には昔小屋があったとか。御堂峠より11:43三頭山頂へ、数人の人達が雪の無い笹地で食事中。78.05.28来た時は靄ってぱっとしなかったが今日は大展望を楽しみながらパンを齧る。快晴、無風、暖。然し行程は長いので12:05には早や出発する。

 大沢山には立派な道標があった。急降少しで平らな幅広尾根が延々と続くようになる。私好みのコースだ。展望も南方が大分伐採され権現山の長大な尾根が目の前だ。北面はカヤト原より奥多摩三山が望まれる。アカマツの大木が随分立ち枯れており景色的にも惜しい。大日の石碑のある笛吹峠を過ぎ、土俵岳、日原峠と飛ばして16:19浅間峠に着いた。ここで下山ではバスが無い恐れがあるので、無くても駅迄歩ける距離の三国山迄伸ばす事にした。
 ↓金星?と月
富士と三日月と金星?  熊倉山を過ぎ日没、上り下りも激しくばてばてになり、闇の迫る中力を振り絞って歩く。17:38三国山着、夕焼けでシルエットの富士と三日月を撮る。

 直ぐ後ろで2回続けてどさっという物音、驚いて懐電を向けるが判らない。早々と下山する。

 直ぐ軍刀利ぐんだり神社への道に入ったが、じぐざぐの急降で判りにくく、道を外しやしないかとひやひや、寒いのに汗が顔を伝う。やっと沢音が聞こえ小社に出た。小さな鳥居を潜り300mも下ると少し大きな社になり、岩清水で汗を拭い一杯、やっと人心地になる。これから参道の又長い事、18:20大鳥居で井戸集落に出て土地の人に訊くと未だバスがありほっとする。

(メモ)
1、浅間峠が俗化した事は85.04.14記した。又南面伐採植林が進んでいるが、笹尾根の大部分には大きな変化は無く久し振りの再訪を迎えてくれた。

2、軍刀利山だが、地図にも記載無い通り、多分小さな祠があったような記憶のピークがあるのがそれだろう。由緒ある立派な神社らしくカツラの大木もあると言う事をネットを調べて知った。今回は真っ暗で何にも判らず帰って仕舞った。是非ここら辺丈でゆっくり来たいものだ。軍刀利神社と大桂ー梶本さんのホームページ、木々の移ろい

3、おツネの泣き坂(ツネ泣峠):川野集落(今の奥多摩湖畔、川野辺り)に杉田入道平広重という豪族が在った。この家に"おつね"という17才の美しい娘盛りの召し使いがいた。同じ村の浄光院という寺に"香蘭"という僧がいて、この2人は恋仲だった。ところが香蘭は、三頭山を越えた西原村の寺に勤める身となって仕舞った。

 おつねは香蘭に逢いたい一心から三頭山を越え、西原の香蘭のもとへ出掛けたのだが、夜の内に戻らねばならない。短い逢瀬の後別れもそこそこに、三頭山を越えて川野集落が見える坂に来ると夜が明け掛ける。おつねは主人に叱られはしないかと泣き泣き駆け下りたと言う。これが三頭山イヨ山尾根に伝わる"おつねと香蘭"の悲恋を伝える話で、今は"つね泣き峠"として民謡にも取り入れられている。(アルパインガイド1970年奥多摩版より)

 私でも大変な思いの三頭山を往復したとは大したものだ。山道そのものは寧ろ今より良かったかも知れぬが。

峻険な三頭おば越え帰り来るおつね逢瀬の哀しき泣き坂   

<コースタイム>出発4:30→奥多摩駅7:17→峰谷橋7:57→イヨ山9:22→糠指山10:03→ツネ泣峠10:28→入小沢の峰10:50→三頭山11:43〜12:05→大沢山12:22→槙寄山13:16→笛吹峠14:29→小棡峠15:05→土俵岳15:32→日原峠15:43→浅間峠16:19→熊倉山17:15→三国山17:38→軍刀利神社18:08→井戸18:32→帰着21:30
<歩いた距離>山道28km 車道3km 計31km
<行動時間>7:57→18:32 歩行9:45 休止:50 計10:35
<掛かった費用>¥2320
<使用地図>昭文社5万奥多摩 地理院2.5万奥多摩湖/猪丸/五日市/上野原       

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