青山白雲
  86.01.02奥秩父 曲ヶ岳1642.4m→黒富士1635m鬼頬おにがわ1516m
木曜日 快晴 単独
<コース>甲府駅→宮沢橋→平見条→観音峠→曲ヶ岳→八丁峠→八丁峰→黒富士→鬼頬→草鹿沢そうかざわ→甲府駅

曲ヶ岳→黒富士→鬼頬  正月2日早朝とあって電車も甲府の町も人が少なく静かだ。甲府駅を出たバスが西へと向かう頃、行手に櫛形山、鳳凰三山、白根三山、甲斐駒ヶ岳等が堂々と並び立っている。快晴なので地蔵岳のオベリスク迄はっきり見えた。

 進路が北へと変わると今日登る一連の山々、曲ヶ岳、黒富士、太刀岡山が西方の茅ヶ岳と対峙して一つの山塊として目に入って来た。これ等は黒富士火山と言い茅ヶ岳等は側火山だそうだ。

 2〜3人の乗客も市内でいなくなり、8:25山峡のバス停に1人降り立つ。車道を北へ登って行く。下芦沢辺りでは太刀岡山の鋏岩が今にも上の方から崩れそうな感じで切立って迫る。今日はこの辺に下山予定だ。

 冬は休んでいる平見条釣堀を過ぎると、舗装も途切れ勝ちになる。と4〜5匹の猟犬が下って来て私の手前30m位で止まり慌てて引き返して行った。野犬には見えないがハンターも見かけなかった。(猟が終わった後犬を捨てる輩がいると聞く)

 行手に十五夜岩の連らなりを見る頃、大電波塔がその先に聳えている。84.01.01茅ヶ岳から見下ろしたものだ。

 ↓鬼頬より茅ヶ岳と金ヶ岳
鬼頬より 茅ヶ岳〜金ヶ岳  10:00観音峠着、ここからが茅ヶ岳への敷島登山口だ。反対の東へ向かう、少し登ると岩に突き当たり左をヘツルが、掴る所が碌に無くおっかない。奥多摩辺りだと鎖かロープがありそうだ。

 岩の後ろに出るとメマイ岩の標柱、次の岩も左を通る。展望は良い。南ア、八っそして隣に茅ヶ岳。木枯らしが冷たくヤッケ着用。急登に喘ぎつつ10:44曲ヶ岳山頂へ、風は収まっておりぽかぽか陽気、安山岩の腰掛が幾つかある。山々は奥秩父主脈、八っ、南ア、茅ヶ岳、富士そして甲府盆地。

 南から東へ廻り込むように下りると、藪道になる。疎林の幅広尾根、幾つかの瘤の上下と右左折、カヤト原の八丁峠は南方展望。八丁峰の捲道は北のタカ岩との鞍部に出た。ここも東面カヤト原で黒富士北側の断崖が見られる。恩賜林界標と刈払いに沿って八丁峰に登る。疎林小平頂。ブナ、ミズナラに時々シラカバやヒメシャラが混じる道を南東へ。
 ↓鬼頬より中津森と水ヶ森
鬼頬より中津森 水ヶ森  急登しばしで12:00黒富士。眺めは曲ヶ岳同様だが遠くに大菩薩が見える事と、東北方は断崖上とて遥か下の黒平くろべら集落から金峰山迄突き上げる雄大な眺めだ。タカ岩が尖がって見える。

 八丁峰に戻り手前より南への恩賜林界(市町界)稜線に乗る。行く手平頂の鬼頬、その先突峰の太刀岡山が目立つ。ここからの黒富士は西南面の断崖が凄い。鬼頬は平凡な頂だがこの名の由来は知りたいものだ。

 太刀岡山へは植林の境を行く筈だが道は無い。道のある恩賜林界を下るが南東へ下って仕舞うらしい。然し大分下った事と、戻るとバス時間の都合が悪くなるので今日はこの儘下山とする。大伐採で東方一望になる。近くに聳える立派な山は中津森だろう。右へ下る道があり山荘より林道に出た。

<コースタイム>出発4:20→甲府駅7:13→宮沢橋8:25→観音峠10:00→曲ヶ岳10:44〜11:00→黒富士12:00→鬼頬12:54→草鹿沢14:37→帰着19:30
<歩いた距離>山道10km 車道10km 計20km
<行動時間>8:25→14:37 歩行5:15 休止:55 計6:10
<掛かった費用>¥4680
<使用地図>地理院2.5万 茅ヶ岳
<参照>新ハイキング誌No.335 曲ヶ岳 保坂氏
      富士の見える山 新ハイキング社 小林経雄氏 
         曲ヶ岳から黒富士 p256
      甲斐の山山 新ハイキング社 小林経雄氏 p190〜191、p187〜188
      やまかいの四季←地質解説

 曲岳ヘツリて渡る山道の明るき草叢木枯の吹く
 黒富士の断崖下に黒平の集落遥か金峰は高し
 恩賜林の尾根行きて見し黒富士の断崖凄し谷の向うに
 伐採で見ゆ鈍頂の中津森我が憧れの原生の山

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