青山白雲  85.01.13奥多摩
 倉戸山1169.3m→榧の木山1480m→六っ石山1478.9m
日曜日 晴 単独
<コース>奥多摩駅→奥多摩湖→倉戸山→榧の木山→六っ石山→奥多摩駅

倉戸山→榧の木山→六っ石山  奥多摩湖の広い駐車場から今日登る予定の倉戸山への道が見え、道標より登り出す。すると下から"おーい何処へ行く"と何処からともなくじいさんが現れた。

 山姿で79.03.18横鈴尾根で会った方かも知れない。同じように四角いポリバケツに紐を通し背負っている。

 上には鋸を括り付け、ビニールパイプ製の杖を携えている。バケツの腹には"奥多摩自然愛好山岳会、菅野冨之進"とある。御前山登山禁止の表示でこちらへ来た登山者に、あれはもう解除になっていると教えていた所だという。

 ↓倉戸山へ
倉戸山へ  雲取かと言うのでこの辺行ける所迄と答えると、道を教えてくれ更に一緒に行こうと登って来る。はあはあ激しい息使いに厭なじいさんに捕まったと内心閉口する。

 しかしそれも間も無く収まり、確りした足取りになる。67歳で山が好きでこの下に夫婦で借家住いし、近辺の山を歩き廻っている。

 この道も展望台迄は良い道だがその先尾根迄はじいさんが作ったとか。倉戸山への良い道に出て、ここから行きなさいと言ってから又15分位立話。名物じいさんだ。(追記)

 ↓倉戸山より御前山
倉戸山より御前山  これより雑木の明るい尾根道を登ると、じいさんが帰りに取ると良いと教えてくれた、木にテープを捲いた所が2箇所あった。

 倉戸山はミズナラ、コナラ、クヌギ、ブナ等に囲まれた広い頂上で、奥多摩三山の御前山と三頭山が南に競い立つ所だった。大岳山は東南に遠く小さい。眼下に奥多摩湖が樹間に青く少し見えた。

 榧の木尾根を北へ向かうと雪も少し出てくる。切り開かれた平地で丸の中にHと書かれた切株が埋められているのはヘリポートだろうか。

 ↓倉戸山より榛の木尾根
倉戸山より榛の木尾根  大菩薩の嶺の連なりが見える。これより猟師に次々と会う。カラマツ林にシラカバ荘という物置?があった。榧の木山は道より僅か登った南北に細長い頂でごみ一つ無い。飛竜山、七っ石山、鷹の巣山が望まれた。

 水根分岐よりはブナの林相が見事になって来る。石尾根縦走路に出ると深山の雰囲気濃厚で、ヤマガラがツツピーと澄んだ声で鳴くのが静かな中に広がって行く。

 雪の多い六っ石山北面の捲道からは、三っドッケ〜蕎麦粒山が、そして下方に日原の石灰岩大採掘場が山を大きく削り取っている。

 ↓榧の木山より鷹の巣山
榧の木山より鷹の巣山  南方大伐採地で霞む中、大岳山〜御前山が見え小休止。ポリバケツの水場を過ぎると広大な東京農大演習林になった。

 79.12.30登らなかった三の木戸山に行って見た。展望は無かったがマツのある草地だった。石尾根も末端に近く桑畑より御前山の手前に九重山が954mながらどっしりだ。4〜5軒廃屋を見る。

(追記)
1:92.01:「富士の見える山小屋」工藤隆雄氏著、p17に依ると奥多摩一帯の無人小屋等の水場作りを20年近くやられている方だそうだ。

        
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2:新ハイキングNo.476より
菅野冨之進さんを偲ぶ第3回「倉戸山の集い」が5/21に行われます。自然と生き物をこよなく愛した男、登山者の為の水場作りとその整備を主に、20年以上も無償で続けて93.05亡くなった菅野さん。頼まれればハイカーのガイドを引き受け、獣道も知っている山男だった。奥多摩の山歩きをする人達の間では知る人ぞ知る存在でした。故人を知る人、奥多摩の山を愛する人の参加をお待ちしております。
私の逢った時67歳と言っていたので、75歳で亡くなられた訳で御冥福をお祈り致します。

御前山方面から見た倉戸山→85.12.15
<コースタイム>出発5:55→奥多摩駅8:24→奥多摩湖8:48→倉戸山10:30→榧の木山11:47〜12:30→六っ石山13:52→三の木戸山14:36→奥多摩駅16:25→帰着19:00
<歩いた距離>山道19km 車道2km 計21km
<行動時間>8:48→16:25 歩行6:00 休止1:30 計7:30
<掛かった費用>¥1360
<使用地図>昭文社5万 奥多摩  地理院2.5万 奥多摩湖
<参照>新ハイキング誌No.332 倉戸山

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