青山白雲  84.09.23〜24道志 杓子山1597.6mと不動の湯
日/月 一泊  妻と
妻と富士吉田、杓子山の懐の渓流沿いに在る不動の湯(自炊)に一泊、第1日目は山頂を往復した。

第1日 9/23 日曜日、秋分の日 晴
出発6:11→富士吉田駅9:20(タクシー)→不動の湯9:44→入大権現いりおおだす峠11:00→杓子山12:00〜12:48→不動の湯入14:40

杓子山と不動の湯  中央線車窓からはヒガンバナが点々と土手に咲き、クサギ、イチジク、ザクロ等が実を付けているのが見られた。

 大月より乗り換えた富士急行の車中で、一緒に座った高年夫婦、奥様が地元の人で横浜より実家に帰る所というが、不動の湯を知らず何とかさんに聞けば判るから行って見ようという。それ位宣伝をしない町営の鉱泉宿だ。(新ハイキング誌紹介、温泉本等にも載っていない)

 富士吉田駅よりタクシーで行く、高く見える富士の頂は初冠雪だ。行手に杓子山が見えるが、内野方面からは鹿留ししどめ山と連立して一山としての形をな為さないこの山も、ここからは立派な尖鋒に見える。不動の湯に着いたが寄らずその儘登る事にする。ひんやりとした林道を行くと、ツリフネソウが一杯だ。高くなるにつれ忍草しのくさ山の彼方に富士が大きい。写真を撮ったりしながら咲き乱れる秋草を記録する。

 ノコンギク、ノハラアザミ、ナンブアザミ、フシグロセンノウ、サラシナショウマ、テンニンソウ、ミズヒキ、キンミズヒキ、ゲンノショウコ、フジアザミ、ヤクシソウ、ハンゴンソウ、ホソバトリカブト、カワラナデシコ、コシオガマ、トモエシオガマ、オトコヨモギ、アキノタムラソウ、ナンテンハギ、ママコノシリヌグイ、イヌタデ、イタドリ、ツユクサ、ススキ、エノコログサ、キンエノコロ、ヤマセリ、アカソ、ナギナタコウジュ、アキノウナギツカミ、ウド、ヤマハギ、ヒキオコシ、カラマツソウ、チジミザサ、ワレモコウ、アキノキリンソウ、ヤマホタルブクロ等々。

 マツムシソウも数花あったがあの高原の群生が見たく思う。山の名花キバナアキギリとセキヤノアキチョウジを妻に教える。面白い蔓草カラハナソウ(雌株、果実の果穂)には妻も頻りに感心する。
 ↓富士を背に杓子山へ
富士を背に杓子山へ  入大権現峠に登り付き、これより約1:00の急登だ。誰かが残した杖があったので拝借、草薮が意外に凄く手強い中、タチフウロ、ウメバチソウ、ハナイカリ、タムラソウ等にも目を留め12:00山頂へ。

 3人のパーテイーが居た、内野より立の塚峠経由で来たそうで、写真を撮って戴く。富士は何時の間にか雲に隠れてしまった。辺りはノコンギクの群落だ。今度携帯している小型の単眼鏡の威力に妻はびっくり。3人は高座山へと向かい私達も食事、少憩の後下山する。

 ヤマハハコ、オヤマボクチ、シュロラン、アブラチャン、ナガバノコウヤボウキ、ノコギリソウ、ヒヨドリバナ、クサボタン、レイジンソウ、コヤブタバコ等を更に見付け、峠の指導標に杖を立てて置く。

 14:40不動の湯に入る。2階の一室で西陽だが富士が良く見える。前の崖地はニセアカシアの林だ。先ず入浴、主成分はカルシウム・イオンで打身、胃腸に良いらしい。食事はコイン・ガスコンロで食器もある。キンピラ、鶏肉、ピーマン、椎茸の炒め、ビールで夕食。缶詰、ラーメン等も売っている。地元の人々は日帰り休憩が多いらしく、駐車場も昼間は山梨、夕方から他県のナンバーだった。標高950mとて暮れると涼しい。

第2日 9/24  月曜日、振替休日 晴
 今日も爽やか、富士が朝陽で少し赤味を帯びている。一浴後、釜飯とスープで朝食。富士を飽かずに眺めていると手前の鳥居地峠〜忍草山にハイカーが数人歩くのが見られた。宿の周辺を散歩する。ここはカロート沢沿いに在るが、奥に800年の歴史を持つという不動尊が祭られている。沢路でイタチササゲ、キツリフネを見た。昼食はインスタントラーメン。妻は4回入ったが私はのぼせ性なので3回で飽きる。

 帰りのタクシーを呼んで貰い待つ間、管理人と世間話。この湯は胃腸に良い為、瓶に500本も詰めて持ち帰った方が、治ってお礼に来られた時残ったのを置いて行かれたが、それが7年後も腐らなかったそうだ。富士吉田からバスで御殿場に出たが、渋滞が酷かった。しかし御陰で旧鎌倉往還が梨ヶ原々生林を横切る頃は、鬱蒼としたアカマツ、ハリモミ等がじっくり眺められた。例のカラハナソウも沢山ぶら下っていた。

<歩いた距離>8km
<掛かった費用>交通費¥10770 宿賃5400 雑費2780 計18950
<使用地図>地理院2.5万 富士吉田
<参照>78.01.01〜02杓子山→三国山
       80.09.28杓子山→鹿留山→石割山
       84.04.29倉見山→杓子山→鹿留山

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