青山白雲
  84.02.11道志 九鬼山970.3m→大桑山985m→倉岳山990.1m
土曜日、建国記念日 晴 単独           前道志西部縦走
<コース>田野倉駅→九鬼山→鈴ヶ音峠すずがーとーげ突坂とっさか峠→麦的山→大桑山→高畑山→穴路峠→倉岳山→鳥沢駅

九鬼山→大桑山→倉岳山  中央線大月乗換、富士急行で次の駅、田野倉に一人下車。国道と線路の間の小道を歩いて行くと、行手に九鬼山が長く尾根を引いて立派だ。

 富士や鹿留山、杓子山、三っ峠、高川山等が雪化粧して冷気の中にクッキリと見える。踏切を渡り送水トンネルを潜るとそこに今にも潰れ掛った様な札金さつかね鉱泉が在った。

 林道はやがて沢沿いの山道になる。ジグザグ登って行くと三っ峠や高川山が後ろに競り上って来る。札金分岐を過ぎ77.11.06に神楽山より来た稜線に6年振りにぶつかる。あの時苦労した急登を避け、左の捲道を行くがこれも雪で危険だ。やっと朝日小沢よりの尾根に出て頂上へ8:28到着した。

 ↓九鬼山より百蔵山〜扇山、奥に麻生山〜権現山
九鬼山より 権現山 百蔵山〜扇山  樹々でパッとせず櫓に登ったあの時と打って変わり西〜北、木が払われ富士から扇山迄大展望。

 分けても大菩薩の連嶺は縦位置よりで、パノラマ的のと違った重厚な眺めで、茅ヶ岳で急逝された深田さんが山岳展望はこの方が良いと言っていたのを思い出す(別記)。少し先へ出ると富士や三っ峠が富士吉田の市街を下に圧巻。

 ここより始まる前道志西部の縦走に出発、大桑山迄道標皆無、多数のハンターに会う。雪の上に鳥の足跡一つ無く銃声の一発も聞かれなかった。奥道志大展望地を過ぎ、特徴の無いクヌギサス山を越え急降、鈴ヶ音峠に出た。車道で道が途切れており右へ取り北上する無線塔への道に入る。

 ↓九鬼山より鹿留山と富士
九鬼山より鹿留山  途中富士の見える所で食事にするが、キツツキのドラミングが盛んだ。少し登ると突坂峠、少し西には木の下に小さな石仏があった。

 トレースを追って行くと麦的山で細長い山頂の北西端が三角点だった。途中の鞍部に赤テープあり、登って来る道がさっき鈴ヶ音峠で左に取れば出られたみたいだ。

 突坂峠に戻り目指す大桑山が大きいが、山頂はマツの中らしいので、展望が良さそうな無線塔へ先ず行って見た。期待に違わず西〜北が良く見え、扇山の中腹には大ゴルフ場が出来ていた。九鬼山からのここ迄辿って来た稜線も見通せた。これよりの登り益々眺めは良くなるが、やはり山頂は育ったマツで邪魔だった。

 14:07高畑山着、これで前道志主脈の全山が赤線で繋がった。穴路峠を経て倉岳山には15:12、未だ山のスケッチにいそしむ青年がいた。北に急降するトレースあり、行ってみる。1m位ずつ滑って行くのでスキーの様に快適だ。仕舞いにトレースを見失い沢に出て道探しに苦心、やっと桑畑に出て安心、虹吹橋は直ぐだった。

<コースタイム>出発4:25→田野倉駅6:32→紺屋休場やすんば7:48→九鬼山8:28→クヌギサス山10:30→鈴ヶ音峠10:47→突坂峠11:42→麦的山12:04→無線塔12:55→大桑山13:23→高畑山14:07→穴路峠14:46→倉岳山15:12→鳥沢駅17:00→帰着19:00 <歩いた距離>山道17km 車道5km 計22km
<行動時間>6:32→17:00 歩行9:10 休止1:20 計10:30
<掛かった費用>¥1730
<使用地図>地理院2.5万 大月/上野原/都留/大室山

<地名の異称>九鬼山→鈴入ノ峰 高指→ミカゲ山、馬場ボッチ クヌギザス山→桐水差山  鈴ヶ音峠・・・朝日小沢称(スズガートーゲ) 大平称・・・小沢峠、鈴懸峠・・・林道出来てからの称  麦的山→鈴ヶ尾山、大秋日山、お観音山
<参考>甲斐の山山 新ハイキング社 小林経雄氏 p52〜56
    82.01.24高畑山〜倉岳山〜高柄山 83.04.03高畑山〜秋山二十六夜山

(別記)I君が冗談めかして「素人は連峰を横から見るデス、玄人は縦から見るデス」と言ったが、なるほどその言葉に感心した。そうだ、たいていの人はパノラマ式な連峰の眺めを喜ぶものだ。それは分かり易いからだ。ところが連峰を縦から見ると峰々が複雑してちょっと見ではパノラマ式ほど美しく感じられない。つまり受け入れ難いのだ。だが本当に山を知っている人はかえってこの方に美しさを感じる。景色が複雑でそれだけ奥深さがあるのだ。
(朝日新聞社 深田久弥 山の文庫3 山岳展望 p31より)
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