青山白雲  83.11.03丹沢 山神峠越→弁当沢の頭 1288m
木曜日、文化の日 晴 単独
<コース>新松田駅→玄倉→山神峠→弁当沢の頭→棚沢の頭→丹沢山→塔ヶ岳→大倉→渋沢駅

山神峠越→弁当沢の頭  83.07.24山神峠越えの時は藪山で梃子摺り、時間不足になり鍋割山へ変更した。今日は予定通り弁当沢の頭への尾根に取り付く。

 玄倉集落より急登の末山道は水源地を過ぎると、大きな山抜けに遭遇し迂回する。峠の向こう側でも数箇所あった。夏の台風の仕業か。

 ノコンギク、ヤマセリ、ゲンノショウコ、アキノキリンソウ、シロヨメナ、ミズヒキ、リュウノウギク、ノハラアザミ、タマアジサイの花々そしてマムシグサの赤実。

 ナンブアザミが群生して咲いている所で、大体大きいが1本2m近いのがあった。

 全体にリンドウとイワシャジンを多く見る。イワシャジンは崖地に必ず見られ可愛い水色の鐘形花を垂らす。クサギの実も美しい。

 ↓山神峠道から丹沢湖、不老山
山神峠道から丹沢湖 不老山  峠で4回目にして初めて、堂々とした丹沢最高峰の蛭ヶ岳を仰ぎ見る。雨山峠〜秦野峠通行止とあった。下って例のキャンプ適地からの大石山方向の眺めも良い。夏ここで朝を迎えたら素晴らしかろう。

 青空バックに紅黄緑褐濃淡様々の色合いの樹々の葉・・・この辺の岩場イワタバコの多い所だがその花も終り、今はダイモンジソウやイワシャジンが盛りだ。シラヒゲソウも見られた。

 10:57林道直前で樹間より熊木沢とその上に蛭ヶ岳を望む高みで少憩。玄倉川沿いの林道ユーシンより刳貫いた丈のトンネルを抜けると、小さい貯水池の熊木ダム、少しで出合の広々した河原になる。79.07.23蛭ヶ岳より下ってきた地点で、この辺"丹沢自然休養林"とて素晴らしい原生林で四囲を埋めている。熊木、箒杉両沢の間を主脈の棚沢の頭迄続く尾根が在り、真ん中に聳えるのが目指す弁当沢の頭だ。

 ↓ユーシン辺りの熊木沢
ユーシン辺りの熊木沢  赤テープより笹の中をジグザグと良い道だ。沢が遥か下になる頃尾根通しとなる。やがて南展望の菅と岩の地点に出ると、今度はブナの疎林を登る様になり、12:53南北に長い平頂の弁当沢の頭に着く。

 実に良い雰囲気を持つ山で、・・沢の頭等というのは惜しい。(三省堂、コンサイス日本山名辞典にちゃんと載っているが)

 只東北部が放置された桧林で一寸気分を壊す。蛭ヶ岳の見える所で文字通り弁当を使う。山仕事の人が食事に適当な地点とか何処かで見た覚えがある。桧林の笹薮より獣道が通じ鹿のヌタ場を見られ、糞もあった。下の方でキーッと鋭い声がした、ここは彼等の聖域だ。

 ↓弁当沢の頭より蛭ヶ岳
弁当沢の頭より蛭ヶ岳  これよりの登りも今日一の良いコースで、枯木にびっしりとサルノコシカケ、ブナに登るイワガラミ。そして紅葉、山岳展望と脚も滞り勝ちだが、行程が長いのでゆっくりと出来ないのが残念だ。

 ブナは巨木が多くなり黄葉今や盛りだ。又ヤシオツツジの黄葉は一部上の方は真赤だったり複雑な色模様を呈している。富士、そして臼ヶ岳〜蛭ヶ岳の彼方に桧洞丸や大群山が覗く頃、危険なガレ場に出た。南下に沢が煌めき今登って来た尾根を挟む。

 14:12主脈縦走路、棚沢の頭に到達、何時来ても良いブナの草原だ。先は長いが道は良いし灯具もあり不安は無い。一登りで不動の峰へ、休憩舎のベンチでは青年がザックと靴を投げ出して泥の様に眠っている。そっと通り過ぎ丹沢山の見える風衝草原で一休み、この辺のブナは枯れ落ち始めている。細長い淡緑の薄い葉を沢山付けた中木を時々見るが、この高さで瑞々しい葉一体何の木だろう。
 ↓丹沢山の鹿
丹沢山の鹿  丹沢山に着くと、角の立派な鹿のお出迎え。78.07.02の時の仔鹿の成長した姿だろうか? 竜ヶ馬場よりガスに包まれた美しい大山を眺めながら塔ヶ岳へ、見事な大観に一瞥をくれ幾人かのパーテイーと前後して下山に掛かる。

 途中でトップリ暮れ、秦野の夜景を見ながらのゴロ石や滑る赤土の苦しい降下を続ける。バス停に後20分位の地点で登って来た人が、未だ人は下りて来ますか、灯具はあるようですか等と訊かれる。登山者を誘導されている方らしく御苦労様だ。

<コースタイム>出発5:55→新松田駅7:03→玄倉8:05→山神峠9:48→出合11:54→弁当沢の頭12:53〜13:12→棚沢の頭14:12→丹沢山15:22→塔ヶ岳16:18→大倉18:28→帰着19:40
<歩いた距離>山道27km 車道6km 計33km
<行動時間>8:05→18:28 歩行9:00 休止1:20 計10:20
<掛かった費用>¥1460
<使用地図>昭文社4万 丹沢  地理院2.5万 中川/大山/山北/秦野
<参照>79.09.16鍋割山 80.04.20山神峠 82.05.23丹沢主脈縦走 

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