青山白雲  83.05.02/03奥秩父
 北奥千丈岳2600m→国師ヶ岳2591.8m金峰きんぷ2595.0m
月/火 単独       北奥千丈岳=奥秩父最高峰
<コース>塩山駅→杣口→六本楢峠→石祠峠→白桧しらべ平→北奥千丈岳→国師ヶ岳→大弛峠→金峰山→六本楢峠→杣口→塩山駅

第1日 5/2(月) 晴れたり曇ったり 杣口→白桧平→北奥千丈岳(ビバーク)
北奥千丈岳→国師ヶ岳→金峰山  中央線の車窓より沿線にはキリ、ツツジ、ヤマブキ、ヤマフジが花盛り。アカメガシワの新芽も鮮やか。先月の相模湖駅"かんげいさがみこ"のツツジの赤い花文字もほぼ咲き揃った。

 塩山からのバスで杣口下車、北に大烏山、後ろは富士。発電所への道に入ると新緑の中ウグイス、コマドリ、ヒガラ、ツツドリ等、そして大好きなジュウイチの鳴声を聞く。

 花はスミレ、タチツボスミレ、エイザンスミレ、ムラサキケマン、ミツバツチグリ、ハルリンドウ、ラショウモンカズラ、モミジイチゴ、ハシリドコロ。

   第3発電所取水管より民宿牧場柳平へ、牧草が瑞々しい。植物標本(83.01.15参照)タカネザクラ、ボタンザクラの開花を見る。

 千貫岩を過ぎ沢に沿った道は古い奥千丈登山道の標識があるが、堰堤で道不明となり苦労したので、今度は距離はあるが結局は楽で早いと林道を行く。
 ↓石祠峠から金峰山 石祠峠から金峰山
 六本楢峠に出るとシラカバ、カラマツ、ブナの原生林と植林帯が続く。大弛から下山の女性登山者2人に会う。頂上は雪があるけど頑張ってねと励まされる。

 これより西沢林道へ、この道は貫通していないので車も来ない。もっとも峰越林道も冬季より未だゲートが閉ざされたままでバイクしか入れない。ダケカンバ、コメツガ、モミが多くなる。

 水はこの先林道の各所で求められる。剣の峰西側、石祠峠というらしいが初めて金峰山〜大弛峠が眺められカラマツ林で一休みする。

 ↓金峰山五丈岩
金峰山五丈岩  12:50白桧平着、沢沿いより1:50も早かった! やはり急がば回れだった。カヤトの原で一眠りする。

 これよりシャクナゲ尾根、カヤトにシラビソの点在する幅広尾根で緩やかに登る。時々定かでなくなり赤テープとペンキが頼りになる。オオシラビソ、ハリモミがびっしりとなる頃、山の肩状地点に過ぎない奥千丈岳に着く。

 シャクナゲ、の下コケモモ、フジノマンネングサ等がびっしり、樹にはサルオガセが絡まる。14:40北奥千丈岳へ、奥秩父最高点だが生憎ガスで展望は0、少し戻りビバーク地点を探す。何とか狭いながら小平地を見付け断熱マットを敷きツェルトを張る。ラーメンを食べ、18:00には早々と寝るがマットや毛の下着の御陰か寒くない。然し時々ごそごそと近くで動きがあり気味悪い、ネズミか? 後は1回飛行機の音のみ。

第2日 5/3(火、憲法記念日) 晴  
    北奥千丈岳→国師ヶ岳→大弛峠→金峰山→六本楢峠→杣口

 ↓金峰山より小川山
金峰山より小川山  お湯丈沸かしコーヒーと御握りで済ませ、5:10出発。頂上には数名の人が居た。ガスが去来、時々近くの山が見えるのみ。

 三繋平に下り国師ヶ岳に来た頃は、ガスも去りこんもりとした北奥千丈岳が見えその先雲海に富士が浮かぶ。戻って前国師では360°佐久の知らない山々が北に遥か連なっている。

 大弛への下りは50名以上の登山者に擦れ違う。峠はだだっ広くテントも多い。小川山の大きな山体が北に見える。ずんぐりと堂々たる根張りと、コースから外れた山とて訪れる者も少ないと言う点、東の和名倉山と共通する。この2山何時の日か登りたい。

 ↓金峰山より千曲川方面
金峰山より千曲川方面  朝日岳からは金峰山がいよいよ近く見え、南アも雲の彼方に連なる。残雪は50cm位、鉄山は北を捲く。やがてハイマツ帯に出ると金峰の東肩だ。岩石累々の中9:00金峰山着。

 これで雲取に始まり6回に亙る奥秩父主脈山行の西端に達した。雲取とここが人気ありで賑やかだ。遠くから何度も見えていた五丈岩が今眼前、人が登降、下には小社がある。風を避け岩の南面でしばし日向ぼっこ。

 これからの長い下山でゆっくりも出来ず、9:30には出発。南下のコースは信仰登山盛んだった頃の表参道だそうだ。大岩を飛び越えたり鎖場、梯子がある。ハイマツや低木状のダケカンバ、コメツガ、クロベ(ネズコ)が多く、コケモモ、イワカガミ等下草と共に庭園状で、遠くの景色や五丈岩を見上げたり退屈しない良い道だ。長大なので殆んど利用されない静かなコースだった。

 ↓峰越林道より金峰山
峰越林道より金峰山  一部屋位もある下部が狭まった岩が岩盤に乗って今にも転げ落ちそうなのがあった。11:00御室小屋、甲府市管理の無人小屋だが荒れている。昔は信者の基地として盛んだったらしい。

 甲府分岐を過ぎ荒川と御堂川の出合いを丸木橋で渡り木馬道に出る。2.5万図の様に道は無く約500m川沿いに遡るとテープ地点より峰越林道に出られた。この間ツルツゲ、ヤマネコノメソウ、ヒカゲノカツラ、シシガシラ等を見る。

 林道からは金峰の五丈岩が小さく遥かに下ったものよと思うが、未だ標高は1800mだ。長い辛い林道歩きが始まったが、時々バイクやサイクリング車が通るのみで、眺めは変化に富み慰められる。六本楢峠で昨日と繋がり、その時雲で見えなかった小楢山が良いが残念!フィルム切れとなる。柳平の販売機でアイスを買い、牛糞の臭気の中を舐めながら、豆の出来た足を引きずり、充足した心で17:53杣口より帰途に就く。

<コースタイム>第1日:出発4:30→塩山駅6:54→杣口7:25→柳平9:40→六本楢峠10:30→石祠峠11:34→白桧平12:52〜13:30→奥千丈岳14:40→北奥千丈岳15:57→ビバーク地点16:40  第2日:出発5:10→国師ヶ岳5:33→前国師5:50→大弛峠6:20→朝日峠7:01→朝日岳7:47→金峰山9:00〜9:33→御室小屋11:02→峰越林道12:46→六本楢峠14:38→杣口17:53→帰着21:50
<歩いた距離>第1日:山道4.5km 車道21.5km 計26km  第2日:山道12.8km 車道23.2km 計36km 全計62km
<行動時間>第1日:7:25→15:57 歩行7:30 休止1:00 計8:30  第2日:5:10→17:53 歩行10:50 休止1:50 計12:40
<掛かった費用>¥3140
<使用地図>昭文社4万 奥秩父2  地理院2.5万 金峰山/川浦
<地名の異称>奥千丈岳→沢山
<参照>甲斐の山山 新ハイキング社  小林経雄氏 P136〜138 P170〜172
 83.01.15ゴトメキ→トサカ→黒金山

奥秩父主脈縦走
 79.12.30/31 雲取山→飛竜山
 81.08.14/15 雁峠→笠取山→唐松尾山→飛竜山
 81.12.30/31 雁峠→雁坂峠→木賊山
 82.03.21/22 三峰山→白岩山→芋の木ドッケ
 82.12.30/31 雁坂峠→木賊山→甲武信ヶ岳
 83.05.02/03 国師ヶ岳→金峰山(今回)
     主脈で途切れている所:芋の木ドッケ〜雲取山 甲武信ヶ岳〜国師ヶ岳

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