青山白雲  82.08.15大菩薩 日川  にっかわ尾根
日曜日 小雨後曇 単独        日川尾根最高点1627.1m
<コース>塩山駅→裂石(大菩薩登山口)→上日川峠→砥山→砥山峠→中日川峠→日川尾根最高点→日川無線中継所→下日川峠→日川林道→初鹿野はじかの

 夏休みというのに天候不順と体調不良のダブルパンチに見舞われ、南ア2泊→奥秩父1泊→黒金山日帰りと計画を下げて来たが、明日は良くなるの予報で出掛けた。しかし大月辺で降り出し、小雨だが止みそうに無い。私と同じ恨めしい気持ちの人達約30人が思案投首状態だ。

 08.01の台風No.15で各方面のバスも途中迄しか行かない。考えた末、日川尾根→源次郎岳→塩山駅のコースが楽だろうとこれにする。バスより見る道沿いの重川の荒れている事、道も各地で壊れている。裂石より小雨の中を登って行くと石橋が流失しトラックが沢に逆さに埋っていた。山道に入っても約100mの山抜けがありテープ誘導でおっかなく進む。そんなのが何箇所もあった。だがガスの中ブナを主体の鬱蒼たる原生林は美しい。

日川尾根  上日川峠は車道も上がって来て、小広く長兵衛山荘が在り人も多い。晴れていれば富士一望の筈。一休みの後日川尾根に入る、歩くにつれ段々藪っぽくなり倒木も多い。

 砥山峠に出ると高原状で花が賑やかになる。ワレモコウ、オオバギボウシ、クガイソウ、コウリンカ、レイジンソウ、レンゲショウマ、オカトラノオ、ホタルブクロ、オトギリソウ、ウツボグサ、キオン、ノブキ、チダケサシ、キリンソウ、ママコナ、ヤマヨモギ、ウスユキソウ、ヤマハギ等々。

 特に多いのはオオマツヨイグサ、コオニユリ、フシグロセンノウ、ヒヨドリバナ、ソバナだ。シラカバの混じったウラジロモミ、ブナ、等の林内ではキバナアキギリを見る。ガマズミが早や赤実を一杯付けていた。晴れていれば良いコースだが倒木多く精力を費う。

 源次郎岳方面もこの調子では堪らないので、日川林道に下りて帰る事にした。中日川峠の二本木への道は頼りない、林道があると"新ハイキング誌"で見た記憶があり先へ進む。雨も強くなり稲荷寿司を2分で立ち食いする。11:30稚苗植林地に出た。三角点は見附けられなかったが日川尾根最高点1627.1m付近と思われる。

 道が良くなり日川無線中継所に到達、柵内に入り軒下で一服させて貰う。直ぐで下日川峠らしいが確認の気力なく専用道で下山する。出来たばかりらしいのに各所で崩れ、軟らかい土が山となり恐々通過する。フジウツギ、ネジバナ、ヤマユリ、タケニグサ、シモツケ、イタドリ、メイゲツソウ、の花々、エビガライチゴ、イヌシデの実。変わった紫の花穂の草、後で調べたらカワミドリ(シソ科)で風邪、頭痛に効くそうだ。

 日川林道に出たが初鹿野駅迄更に15km歩かねばならない。この道も至る所崩れ巨木が遥かな下の日川に横たわっている。道沿いの花々、シデシャジン、コマツナギ、ツリフネソウ、ノカンゾウ、アカソ、クズ、ボタンズル、セイタカアワダチソウ、ノリウツギ、タマアジサイ、リョウブそして白いクサボタンの花、茎下部は木化するので木と主張する学者もいると。フサザクラの実を取る。

 嵯峨塩鉱泉の傍に自然記念物の樹があり、標示に拠ると、オオバボダイジュ、モイワボダイジュ、ハルニレ。モイワはオオバの変種、共に日本海側の生育だが富士方向に支脈がある事が判り貴重であると。近道の竜門峡も通行不能で、雨も止んだ初鹿野駅に着く頃はギクシャクとロボットの歩みになっていたが、賑やかな植物達には慰められた。

<コースタイム>出発4:00→塩山駅7:26→裂石8:10→上日川峠9:37→砥山峠10:02→中日川峠10:43→下日川峠(中継所)11:40〜12:05→日川林道12:40→初鹿野駅15:10→帰着17:15
<歩いた距離>山道8km 車道18km 計26km
<行動時間>8:10→15:10 歩行6:20 休止:40 計7:00
<掛かった費用>¥2470
<使用地図>昭文社4万 大菩薩  地理院2.5万 大菩薩峠/笹子
<参照>新ハイキング誌No.284 野瀬氏  甲斐の山山 新ハイキング社 小林経雄氏 p123〜124

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