青山白雲  82.05.16 富士山ー側火山と樹海
            船津口登山道〜富士林道〜精進口登山道〜東海自然歩道
日曜日 晴 前夜発日帰 単独
<コース>河口湖駅→富士林道起点→富士/精進十字路→精進/鳴沢十字路→長尾山→鳴沢/軽水十字路→鹿の頭→軽水/精進十字路→精進/東歩十字路→西湖入口→河口湖駅

側火山と樹海  78.07.16から4年振りで精進口登山道を歩こうと夜行で出掛けた。

 河口湖駅23:30出発、スバルラインと並行する船津口登山道の舗装路を行く。

 夜目に黒々と行く手に富士、後ろに三っ峠が見える。アカマツ林に入る。

 標高800〜1200mの剣丸尾溶岩流の上に幅1km、長さ7kmの日本でも稀な大自然林だそうだが、只1人黙々と歩むのみだ。ゴルフ場への道を分け、その先開発道路が合流、ライトの点滅する別荘村入口から先は無舗装の林道になる。懐電使用。キョッツ、キョッツと言う鳴き声が彼方此方でする、キツツキかと思っていたが、後でヨタカと知る。お陰で淋しくない。朧月が昇って来た、寒くなりセーターとヤッケを着る。

 2:08富士林道起点の三叉路に着いた、これより西へ向かう、幅も広くなり懐電を消し、針葉樹の脂の匂いの立ち込める中ひたすら歩くが、疲れて夜露の降りた草の上にシートを敷き横になる。しかし寒くて30分程で目覚め歩き出す。3:10樹林が切れ南方幼苗地となり展望が良さそうなので、少し風はあるがここで夜明けを待つ事にした。

 寒いので辺りを歩き廻る中3:40東方が白んで来た、同時にカッコウ、ツツドリ、ジュウイチ、ウグイス、コマドリそれにキジの交響楽となり、4:00には朝焼けに御坂山塊が延々と霧の彼方に浮かんで来た。南アも未だ寝惚け顔だ(゚-゚)カラマツ、ウラジロモミの植林地でカラマツの新芽が瑞々しい。
 ↓AM4:30 富士林道1350mにて
富士林道にて  気配を感じ後ろを振向くと、残雪を沢筋のみに付けた富士がすっくと在ってぎょつとする。富士山を歩いているのに何故富士山を見て驚いたのか。

 その後色々考えたが、山頂がこんなに高く遠くに在ると予想していなかったせいかと思う。事実鞍部を介し別の山から眺めている感じだった。オートミールの朝食を摂る。

 5:10出発、林道沿いに見られた花々、フジザクラ(マメザクラ)、クサボケ、バッコヤナギ、オオカメノキ、スミレ、シロバナヘビイチゴそしてツバメオモトの清楚な姿。コメツガの小苗が道端に一杯だ。6:22、2合目で精進口登山道との十字路へ着き、北へと下る。側火山まず弓射塚への道を探るが、山裾で切れ藪なので敬遠して引き返す。イタヤカエデ、コミネカエデ、ウリハダカエデ、コハウチワカエデ、ヤマモミジ等かえでが多い。シロバナエンレイソウの花を見る。

 ↓弓射塚手前の草原より
弓射塚手前より  7:45、1合目、鳴沢林道へ左折直ぐで天神峠、素朴な天神様があった。この先の道で長尾山へ向かう。他の側火山や北西が展望された。

 北へ向いた噴火口を半周する。ここよりの溶岩流が青木ヶ原樹海を造ったという。戻って先へ進むと直ぐの道より弓射塚には行けそうだ。

 軽水林道との交差点には独立樹があり、根元に"若彦路合戦場跡"の木柱があった。泥だらけのオフロードバイクが行き来して煩い。片蓋山も藪で次回とする。軽水林道を行くと間も無くカヤトの草原になり、ジープの轍が幾つも付いていて、その1本は鹿の頭に急登しておりこれを登る。天子山塊が見え、近くに片蓋山、大室山が大きい。

 標高1200mの樹海南端迄コケモモが見られ、ツマトリソウの尖った白の7弁花が可愛い。アセビも花を付けシシガシラが多い。低木主体のマント群落、草本主体のソデ群落等が林内の乾燥を防ぐという。10:23精進口登山道に戻りこれを行く。開拓道路を越すとユキザサ、チゴユリ、マイズルソウ、フデリンドウ、ウシコロシの花々。ミズナラが多くなる。

 磁性熔岩の一片を拾いコンパスを当てると針が動く、これだから林内で迷うと危ない。(注)立看板に「命は両親から戴いた大切なものです、もう一度親兄弟のことをよく考えましょう。一人で悩まず相談下さい。富士吉田署」とあった。松本清張の小説で有名になり自殺の名所になったらしい。

 "富士山原始林"といわれるこの一帯、1100年を経過してヒノキ、ツガを主体として樹齢300年のゴヨウマツ、モミ、ハリモミ、ソヨゴ、クロソヨゴ、アセビ等の低木が見られるという。割と明るいのは未だ常緑と落葉の中間であるためらしい。13:18精進道右折、東海自然歩道を行く、フジサンシキウツギ、トウゴクミツバツツジ等咲く中、騒々しい国道に出てバスに乗る。40km歩いた。

<コースタイム>出発20:27→河口湖駅23:27→富士林道起点2:08→仮眠2:20〜2:45→待機3:10〜5:10→富士/精進十字路(2合)6:22→精進/鳴沢十字路(1合)7:45→長尾山8:11→鳴沢/軽水十字路(独立樹)8:55→鹿の頭9:40→軽水/精進十字路10:23→精進/東歩十字路13:18→西湖入口14:40→帰着19:00
<歩いた距離>山道(大部分林道)33km 車道7km 計40km
<行動時間>23:30→14:40 歩行10:30 休止4:40 計15:10
<掛かった費用>¥2870
<使用地図>昭文社6万 富士/5湖  地理院2.5万 鳴沢/富士吉田

(注)地域によっては地盤自体が磁気を帯びているので、コンパスが正確に磁北を指さない。樹海は正しく北を指さない場所として有名だが、全く機能しない訳ではなく、部分的に磁北を指さない事があるるが、全体として殆んど問題ない。最新読図術p92より 山と渓谷社 村越真氏  PR→オリエンテーリングの第一人者による山で迷わない、迷った時にとても参考になる本です。←PR

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