青山白雲  81.12.30〜31奥秩父主脈縦走
     雁  がん1780m雁坂かりさか2050m木賊とくさ2468.6m
木/金 単独
<コース>塩山駅→新地平→雁峠→つばくろ山→古礼山→水晶山→雁坂峠→雁坂嶺→東破風山→西破風山→木賊山手前→新地平→塩山駅

第1日 12/30 快晴 新地平→雁峠→古礼山→水晶山→雁坂峠、雁坂小屋泊
奥秩父主脈縦走  新地平で中年登山者と下車、雁坂峠へ向かうと言うこの方と別れ私は雁峠へ、この道で81.08.14笠取へ登ったが今日は良い天気だ。

 振り返ると西に乾徳山、黒金山、その奥に国師ヶ岳が聳えている。行手雁峠左に燕山がカヤトに黒木を点在して高い。

 カラマツの植林地は林道終点より、氷結した沢道となり苦心して登り11:06カヤト原の雁峠に立った。西に奥秩父主脈の最高点の北奥千丈岳がドッシリ、東は和名倉山が南北に長く平坦な頂部を見せている。

 近くに笠取山が尖がっている。前は悪天で見なかったこの素晴らしい景色に満足する。和名倉山は良く見ると山頂近く迄伐採され将監峠よりの往復なら楽なようだ。強い風を避け燕山東面で食事にする。

 ↓奥秩父主脈縦走路 古礼山付近
古礼山付近  捲道もあるが直登、樹間より雁峠が見下ろされる。雪は北面で10〜20cm。古礼山頂は樹林らしいので北を捲く。行手水晶山が秩父側に長く尾根を張出し、巨大なガレを幾筋も引いている。その左前方には雁坂嶺が望まれる。見通しのよくない水晶山を過ぎると良い展望地があり、風が寒いが我慢する。西に見えるは鶏冠山らしい。

 15:00雁坂峠着、数名の登山者がおり、バス停での中年の方も程なく登って来られる。速いですねえと言われた。小屋は雪道を10分程東へ下る。小奇麗で水も7分の所にある。今日の泊客は8人。α米に山菜の缶詰で夕食とし19:00就寝。23:00を過ぎると毛布4枚ではシンシンと冷えて来る。翌日使い捨てカイロを持っていたのに気付く。風音が凄かった。


第2日 12/31 曇、小雪  雁坂峠→雁坂嶺→破風山→木賊山手前→新地平

 雲取迄強行軍の若者が4:00に出発、大弛への若者も出た。私も納豆汁に餅5ヶを入れて朝食、5:30には出る。峠に登るとゴーゴー風が鳴っており慌ててウインドヤッケを着用、オーバーズボンも穿く。
 ↓雁坂峠より雁坂嶺
雁坂峠より  雁坂嶺への長い登りの途中で夜は明けたが、低気圧通過とかで曇っている。しかし一帯は樹氷が見事だ。シラビソ、オオシラビソ(アオモリトドマツ)トウヒ、コメツガがびっしりの奥秩父そのものを行く・・・雪は20〜30cm。

 煙草一服中の若者に追い着く。さっぱり展望の無いのをお互いにぼやく。私は木賊手前で降りる事にした。東破風山からの平らな道ではハイマツが見られこれも樹氷になっている。シャクナゲは巻いた葉がカチカチで、寒さに良く耐えている。西破風山頂で若者が写真を撮ってくれた。急降の途中犬を連れた中年夫婦始め、数名の甲武信小屋と思はれる人々と擦れ違う。

 ↓破風山頂にて
破風山  笹平避難小屋より又長く苦しい木賊山への登りが続く。雪は30〜40cm、小雪がチラついて来た。山頂は後少しだが、分岐より南下する戸渡尾根(近丸新道)に入る。

 氷結の急降でアイゼンを付ける。ダケカンバとシャクナゲの道はやがてヌク沢に出て、対岸の尾根を行くようになる。ガレが多く危ない。

 林道に出たら箒の材料を取って帰る車がありバス停まで載せて下さる。バテ気味の犬を連れた中年夫婦が雁坂峠より下りて来た。タクシーの帰り車があり、1人¥800で行きますというので1人の若者と同乗、運転手は話し好きで甲府の四方山話のうちにあっという間に駅へ着く。

<コースタイム>第1日:出発4:15→塩山駅6:54→新地平8:44→雁峠11:06〜11:34→燕山12:25〜13:03→古礼山13:53→水晶山14:23→雁坂峠14:56→小屋入15:20 第2日:出発5:50→雁坂峠6:00→雁坂嶺6:57→東破風山7:47→西破風山8:20→戸渡分岐9:46→林道13:06→新地平13:43→塩山駅15:50→帰着18:10
<歩いた距離>第1日:山道9km 車道5km 計14km  第2日:山道13km 車道3km 計16km
<行動時間>第1日:8:44→15:20 歩行5:11 休止1:25 計6:36  第2日:5:50→13:43 歩行6:57 休止:56 計7:53
<掛かった費用>¥5970(中小屋素泊2100、毛布200)
<使用地図>昭文社4万 奥秩父1、2  地理院2.5万 金峰山/雁坂峠

<地名の異称>雁峠→秩父側の呼称、ツバクラノタル→甲州側。 古礼山→ヤニダチ・・・トウヒの一の瀬での方言。コレイ・・・・ギボウシの方言、コレイ沢のツメにある。古礼は当て字。 破風山:何所から見ても屋根の破風に似る。

 雁坂峠日本武尊やまとたけるのみこと蝦夷えぞ地平定の為利用と日本書紀景行記にあり、日本最古の峠道に数えられている。戦国時代武田氏の重要な軍用道路甲斐九筋のひとつで狼火台があった。峠道は秩父往還と呼ばれ、旧中山道の熊谷と甲斐の甲府を結んだ交易と秩父霊場巡拝の道だった。98.04国道140号雁坂トンネルが開通。北ア、針ノ木峠2541m、南ア、三伏峠2580mと共に日本3大峠とされる。
<参照>甲斐の山山 新ハイキング社 小林経雄氏 p130〜133 
        PR→甲斐の山山←PR

前へ   上へ   次へ  目次へ   青山白雲   リンクへ