青山白雲  81.08.02八ヶ岳 権現岳2704m→編笠山2523.7m
日曜日 快晴 前夜発日帰 単独
<コース>小淵沢駅→三っ頭登山口→早乙女河原展望台→三っがしら→権現岳→青年小屋→編笠山→観音平入口→小淵沢駅

権現岳  新宿23:55発は待時間が長く混むので、出発が忙しいが、1台前の21:00発甲府行に乗って見たらガラガラだった。甲府で小淵沢行きに乗り換え0:30には着いた。

 役場先で中央線を渡り右折、星は見えない。どうやら甲府名物雲海の下らしく蒸し暑い。小海線を潜ると別荘地を北上、2:10八ヶ岳横断道路を横切り三っ頭登山口に到着。

 林道を行くと指導標があり山道に入ると、樹林帯の緩い登りだ。3:00ベンチがあり10分ばかり横になる。静かな森の中もこうしていると結構木々や動物の立てる物音が時々する。

 夜道をひたすら歩き、ようやく木の間越しに空が白み始めたのを知る。やがて東から南に掛けて開けた"早乙女河原展望台"に出ると、奥秩父の山々の向こうに光が射し、雲海の上に富士と南アが浮かんでいる。鳥達が鳴き出した。ここで撮った写真は大きく伸ばし数ある山行の中でも一番気に入った物となる。

 ↓早乙女河原展望台より雲海の富士
雲海の富士  ヘリポートは雲海に転げ落ちそうな感じの所だ。南アをこんなにはっきり見たのは初めてで、中アも見えた。

 植物が豊かになって来た。クガイソウ、サラシナショウマ、ミヤマオダマキ、マルバダケブキ、ニッコウキスゲ、ヤマホタルブクロ、チシマフウロ、イブキジャコウソウ、シモツケ、イワシャジン、ミネウスユキソウ、オトギリソウ、コオニユリ、タカトウダイ、カニコウモリ、ミヤマコゴメグサ、セリバシオガマ、ナベナ、テガタチドリ、ムカゴトラノオ。樹はダケカンバが多く、他にシラビソ、トウヒ、ナナカマド、ハクサンシャクナゲ、ミヤマハンノキ。アキアカネが乱舞する。

 ↓ヘリポートより南ア
ヘリポートより南ア  木戸口公園では編笠山が見え出す。女子中学生の遭難碑を過ぎ、又樹林帯の飽きる登りが続く。ようやく大泉口を併わせると三っ頭山頂だ。

 谷川から北ア迄見える。キレット小屋泊りで赤岳から来たという若者に写真を撮って貰う。御岳と乗鞍の間に微かに見える雪の多い山、白山らしいという。帰って地図で調べたら矢張りそうだった。

 下界の人に見せたいですねと互いに雲上人の気分だ。ハイマツ帯の急登で北に高い権現岳を目指すと、道はザレて来た。ゴゼンタチバナ、タカネシオガマ、ミヤマダイコンソウ、ハクサンイチゲ、コケモモ、の花々。ハクサンシャクナゲは残り花、チシマギキョウは沢山あるが八ヶ岳のは余り開ききらぬそうな。

 ↓権現岳より最高峰の赤岳
権現岳より赤岳  8:20八ヶ岳南端の峰、権現岳2704mに到着する。北に主峰赤岳、阿弥陀岳、蓼科山を望み360°小屋泊りの人達がドッと登って来た。

 これより編笠山へ向かう。ギボシの捲道はザレて非常に危ないが植物も豊かだ。イワオウギ、ミヤママンネングサ、オンタデ、タカネツメクサ、ミヤマウイキョウ、イブキボウフウ、タカネグンナイフウロの花々。花は未だだがイワベンケイ。

 一寸展望の良いノロシバを過ぎ、下り着いた鞍部は小広い平地で、青年小屋とキャンプ場、水場は西岳へ5分。大石ゴロゴロの中赤ペンキの指示するルートの登りで、樹林に入ってもそれが続く。遠くから見た御椀型の穏やかな山容とは大違いだった。

 ↓ノロシバより編笠山 下方は青年小屋
ノロシバより編笠山  アキアカネが飛び交う編笠山頂に着いた頃は山々も雲に隠れて来た。快い風に吹かれてしばし休息。再びゴロ石の南下、横断道路に出た頃足の裏はマメだらけだ。

 小海線を渡ると南に甲斐駒がのしかかる様に高く、振り返ると西岳、編笠山、権現岳がそれぞれ長く裾野を引き、東には茅ヶ岳が形良い。しかし残念! フィルムが無くなった。

<コースタイム>出発19:37→新宿駅21:00→小淵沢駅0:29→三っ頭登山口2:10→早乙女河原展望台4:10→三っ頭7:15〜7:50→権現岳8:20→青年小屋9:30→編笠山10:15〜10:35→観音平入口13:10→小淵沢駅14:40→帰着19:30

<歩いた距離>山道14km 車道13km 計27km
<行動時間>0:30→14:40 歩行10:50 休止3:20 計14:20
<掛かった費用>¥4200
<使用地図>昭文社4万 八ヶ岳  地理院2.5万 八ヶ岳西部/小淵沢

(注)木戸口公園付近より権現岳中腹に掛けて、縞枯現象を見る。シラベの純林に限り縞枯状(帯状)に凡そ百数十年のサイクルで枯死し移動する現象。南側緩斜面の風衝地帯に発生するという。

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