塩山駅2:23着、登山姿が殆どだ。駅を出ると新聞店が早や忙しく働いている。満月だ、地図を便りに歩き出す。北に尖がって黒々ある山は塩ノ山だろう。流れ星だ、タクシーが追い越した他は人にも遭わず裂石迄11km、2時間を歩く。
閉まっている茶店、点在する山荘の在る林道を行くと、丸川峠への指導標があり沢に下りる。沢沿い2〜3回迷うがやがて尾根に乗れ、空も白み始めた。富士、南アルプスが望見され、ツピーツピーとシジュウカラが1羽鳴いているのが冬枯れの山々に寂しい。
シラカバの混じる樹林を急登して、6:50丸川峠着。丸川荘先の草原で軽く食事、寒くて指の感覚が無くなり痛む。いよいよ長い縦走に出発、少し登ると見晴らしの良い小峰があり、富士〜南アをバックにセルフタイマーを押す。
これよりは2.5万図の様には稜線通しでなく、北面を大きく捲いて行く様になっていた。見事なコメツガの森林帯で下は笹、雪が少しある。北へ下る谷は大黒茂谷と云い、彼方には奥秩父主脈の山波が木の間通しで朝陽に赤く連なっている。