臨時登山バスの最終に間に合わすべく、山姿で中野の会社へ。皆に凄い、本格的等と言われながら退社、其の足で高尾へ。寿司とジュースで腹拵え、河口湖直通電車の中で仮眠をとる。バスは河口湖駅を20:30発車。山腹45°に点々と灯る小屋の明りに皆あれを登るのかとその急な事に驚きの声が上がる。21:15新5合目着。
風が強いので帽子は仕舞い、懐電と手袋を出して歩き出す。樹が無くなると強風で倒れそうだ。静かな小屋を幾つも過ぎ、7合目辺の小屋のベンチで休んでいると、上は団体で満員ですから安くしておきます言う。ツエルトでビバークしている人あり。私もその先の岩陰を見付け、懐電で照らすと奥に1人位横になれそうで、ヤッケ、セーター、合羽を着込み入り込む。
寒くて眠れず30分も経った頃、騒々しくなったので見ると大勢登っている。昼間小屋にいた人々が出て来たようだ。これはいけないと身支度をして人々に加わる。満員の団体は本当で話振りで関西らしい。リーダーがハンデイトーキーで連絡を取っている。担架を持った人もいる用意のよさだ。皆ゼッケンを付けている。
8合目で玉子とビール¥700を注文。隣の男性が話し掛ける「眠くて・・・」「眠いけど眠れませんね、この風じゃ」「全くです、後30分ですがこの30分がえらいですよ、でも頂上には無料休憩所がありますから、そこで横になります」この人ゆっくり登るのはいいが、ハーツ、ハーツと大儀そうに息をする。私は良い具合に心配した高山病の気配は無い。強風と霧が時々ドドツと来る中をひたすら耐えて登る。