中波用ループアンテナの製作

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中波用ループアンテナ	中波用ループアンテナを製作しました。前回，三球ラジオを製作しましたが，室内アンテナでは十分に聞こえなかったため，ループアンテナを試してみることにしました。昔のラジオにはループアンテナを内蔵したものもあると伺っていましたが，ループアンテナの性能はどのくらいのものなのか，興味のあるところです。 最近発刊されたラジオの製作本などを参考に構造を設計し，部材を買い集めて組み立てました。バリコンや端子台はジャンクのＦＭチーナーから部品取りしたものを使いましたが，ほとんどの部材は容易に手に入るものです。ただし，線材はアンテナコイルとして細くて長いものが必要なので，電気部品パーツ専門店で購入しました。 ループアンテナの大きさは幅７０ｃｍ，高さ７６ｃｍです。このアンテナでは一次コイルの電線の長さは約３０ｍになりました。
中波用ループアンテナ等価回路	ループアンテナの等価回路は左図のようになっています。 アンテナの役目をする一次コイルはバリコンと共に同調回路を形成しており，二次コイルは受信波をピックアップしてラジオのアンテナ端子に送り込みます。 各コイルにはＡＷＧ２６番線を使い，一次コイルは外側から２３回捲き，二次コイルは一次コイルに続けて内側に３回捲いてあります。この状態でバリコンは約３５０ｐＦのもの（ＦＭチューナー用バリコンのＡＭセクション）を使用したところ，うまい具合に中波帯(約５５０ｋＨｚから１７００ｋＨｚ）に同調しました。
ループアンテナの構造・配線	十字に組んだコイル枠には１０ｍｍ間隔で１．５Φの穴を開けますが，穴を垂直に通すためにはボール盤を使うと楽です。枠の断面は１７ｍｍの四角形ですから貫通穴を開けるために１．５Φのロングドリル（ホ−ムセンターで５４８円）を購入しました。ロングドリルは回転すると先がぶれるので，前以って１．２Φの下穴（深さ数ｍｍ）を開けておきました。 端子台の取り付けは本来なら台の下側からナット締めするところですが，手持ちには長さの合うネジがなかったため，木製の台に２．８Φの穴を開け，そこにＭ３のコネジを木ネジのように締め込んで端子台とスペーサを共締めにしています。 ループアンテナの配線は左写真のようになっています。 コイルのコールド側の処理は縦枠の後ろ側で一次コイルと二次コイルの境に６Φの穴を開け，それぞれの捲き線の端をこの穴から後ろ側に出して下にある端子台の（−）端子に接続しています。 参考までに今回製作したループアンテナの部品と値段の表を末尾に掲載しておきます。 構造図は下記のドキュメントをご覧ください。 構造図(PDF 31kB)
ループアンテナを繋いだラジオ	完成したループアンテナを３球ラジオに接続してみました。特にアースをとらなくても，１０ｍほどの単なる室内アンテナコードよりよく聞こえます。 別の５球スーパ（Ｓメーター付きのもの）で比較したところ，当地のＮＨＫ第一放送（８８２ｋＨｚ）は１４メートル高のアマチュア無線用５バンドＨＦ垂直アンテナでは「Ｓ９＋」で入感していますが，このループアンテナに切り換えて（アースも外して）「Ｓ８」位の強さになりました。 ただし，このループアンテナは一次コイル側は同調回路となっていますので，当然ながら受信周波数を変えるたびにバリコンを廻して同調を取り直すという手間がかかります。また，指向性がありますので，アンテナの向きを調整する必要があります。 ループアンテナは電源不要で長い線を部屋中引き回したりすることなく，アースも要らないので，小型の真空管ラジオをベッドサイドで使うときなどに便利かと思います。

中波用ループアンテナ部品表　(部品価格は2009年1月製作当時の金額)