ラジオ・シャック

学研の大人の科学−真空管ラジオ(キット)

学研から2006年3月発売の真空管ラジオを組み立ててみました。
ハンダづけ不要の簡単キットのつもりでしたが,そうはいかず紆余曲折があり,なかなかのものでした。

     組み立ては説明書どおりに順に行いました。ただし,ループアンテナの枠は接合部が外れやすいので接着剤を使って組み立てました。配線も順調に行くかに見えましたが,スピーカのリード線を引っ張ってしまい,スピーカの端子基板が外れてしまいました。このため,端子基板に接続されていたボイスコイルが完全に切れてしまいました。
学研にお願いしたら,パーツを送ってくれるとのことでしたので,それまで待っていようかと思いましたが,壊れたスピーカをなんとか応急的に修復できないかと,ダメ元で分解修理に挑戦してみました。
     分解した振動版にボイスコイルが接着されています。そこから出ているコイルの線にビニル線から取り出した細い芯線(それでもボイスコイルよりは太い)をハンダ付けし,この部分を振動版の縁にショートしないように接着して固定しました。
       修理した振動版,本体,端子基板をそれぞれ元の形に接着し,ボイスコイルに繋いだ細線を端子基板のランドにハンダ付けし,なおかつ細線が動かないよう接着剤で固定します。テスタでクリック音が出ることを確認し,スピーカが生き返らせることに成功しました。ただし,特性は元通りか通電する前に壊してしまったので,解りません。後ほど,学研から送られてくる正規のものと比較してみたいと思います。
 
     とりあえず完成した真空管ラジオです。だいぶ苦戦しましたが,なんとか完成しました。(2006年3月29日)
再生検波式のラジオをいじるのは初めての経験なので,チューニングが難しかったですが,慣れると何とか受信できました。NHK静岡第一と日本放送が入感しました。バリコンの操作も微妙ですが,再生調整のバリオームは特に敏感です。


回路基板:修理後の不具合箇所
(黄色の矢印)
     ランニング動作のため,しばらくそのままにしていましたら,何も聞こえなくなってしましました。バリコンや再生のバリオームをいじっても何も聞こえません。学研のFAQにあった回路電圧の記載された資料を見ながら電圧チェックをしましたが,各所の電圧は正常です。真空管のヒータも切れていません。1K2のプレート電圧(2番ピン)も再生バリオームを回すと変化します。
試しにテスターの発振器(C測定用についている)の出力を後段から順に第一グリッドに加えて見るとAFアンプ(1B2,2P2)は正常に動作してますが,1K2からの信号は極端に小さく聞こえます。
そこで,基板を取り外して表裏の外観を調べてみることにしました。そのとき,ハンダ付け部に1箇所だけハンダクラックが認められました。ハンダのフィレットは形成されていますが,突き出たリード外周にわずかな隙間があります。よく見ないと見逃してしまうほどです。基板上の回路記号はC4,1B2の入力結合コンデンサの1K2プレート側のリードです。ここを再ハンダ付けしたら,みごとに復旧しました。

ヒータ用の単2電池は減り方が早いようです。新品を入れましたが,この間に1.5Vになっていました。(初期値は1.6V以上あります。)



スピーカ交換後の様子
手前は応急処置のスピーカ
     昨日(3月30日)学研からスピーカが届きましたので,交換してみました。応急処置のスピーカに比べて多少音が大きくなったような気がします。
同調は非常にデリケートです。ブックバリコンを1mmほど開いたところでNHK静岡第一(882kHz)が受信できます。夜になるとたくさんの放送局が入ってきますので,混信がかなりあります。(ABC放送や東北地方のHNKも入感します。)
私の受信手順はだいたい次のように行います。
  1. 再生ボリウムを発振状態まで上げ,バリコンのツマミを回し,発信音が濁って聞こえるところで止める。
  2. 再生ボリウムを臨界点まで下げる。
  3. さらにバリコンを調整して音が最大になるように調整する。
特に最後のバリコンの調整はツマミを軽くつまんで,息を止めるようにして調整します。
当地(富士市北東部)ではこのラジオから出る音量は非常に小さいです。夜寝る時に枕元で聞くのにちょうど良いくらいです。
 

< 現在の状態 >

     ブック型バリコンをジャンクのFMチューナから部品取りしたバリコンに交換してみました。
減速ギアもついているので,同調が楽に出来るようになりました。
     バリコンはAM2連,FM3連です。裏側の端子で各セクションを何通りかに組み合わせ,それらを手前の「みの虫クリップ」で切り替えて同調周波数を調節します。FMセクションだけを使えば短波も受信できそうですが,再生を安定して動作させるのは難しそうです。
     しかしながら,出力管の3S4は抜き挿ししているうちにピンの付け根でガラスにヒビが入り,ご覧のとおりオシャカとなってしまいました。幸い,手持ちの球があったので現在はそれに換えて使っています。タイトのソケットは固いので注意が必要です。
 
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