ラジオ・シャック |
低周波出力回路の製作
(画像をクリックすると拡大して見ることができます。)
低周波出力回路 |
受信機の調整や感度測定などに使うための低周波出力回路を作ってみました。 これは、受信機の出力負荷であるスピーカの代わりに出力管につなぐ回路で、更にこの回路の出力を交流電圧計につないで受信機の出力電力を測定する測定用アダプタです。この測定方法については既にJIS規格や無線工学の書籍で紹介され、よく知られていますが、このサイトの「受信機の特性測定(PDF)」でも紹介していますので、詳細についてはそちらをご覧ください。 以前の真空管ラジオではスピーカに出力トランスが付属している形式が多く、低周波出力回路も出力管のプレートに直接つなぐのに適した回路として説明されていましたが、今回はインピーダンスが8オーム又は4オームのスピーカを外付けで用いる受信機でもそのままで測定できるよう、工夫してみました。 回路図,構造図は下記のドキュメントをご覧ください。 |
回路図(PDF 114kB) 構造図(PDF 135kB) | |
パネル |
低周波出力回路のパネルです。受信機の出力回路の状況に応じて、接続方法を次の2つから選択できます。
低周波出力はBNCコネクタから取り出されます。ここに交流電圧計をつないでオーディオ出力電圧を測定します。出力のインピーダンスは常に600オームになっていますので、交流電圧計のdBm目盛(通常はZ=600オーム)で出力レベルが直読できます。 パネル下にある出力監視ジャックにイヤホンをつなげば低周波信号を耳で聴くことができます。 |
測定の様子 |
自作5球スーパーの感度測定を行っている様子です。 低周波出力回路の8オーム入力に受信機のスピーカ端子8オームをコードでつなぎ、出力のBNCコネクタと交流電圧計(菊水電子:MODEL 164D)を接続しています。 受信機のアンテナ端子には自作の擬似空中線回路網を通して標準信号発生器(アンリツ:MG645A)から高周波信号を与えています。信号波は振幅変調(AM)で搬送波は1000kHz、変調波は1000Hz、40%変調です。 この状態で、交流電圧計の指示が最大となるように受信機の同調をとり、次に交流電圧計の指示がこの場合では10dBm(2.449V)を示すように標準信号発生器の高周波出力を加減すれば、そのときの標準信号発生器の出力ダイヤルの目盛の読み(dBμ)がその受信機のオーディオ出力50mW時の感度になります。なお、このときの受信機の音量ボリウムは通常は最大です。 各種受信機も併せた測定の結果は、下記のドキュメントをご覧ください。なお、資料にはこの低周波出力回路に繋いだ交流電圧計の電力レベル指示値(dBm)と出力管の負荷にかかる出力電力との関係を出力管の負荷インピーダンスに応じて求める計算式の説明があります。 |
受信機の感度測定結果(PDF 87kB) | |
内部の配線 |
低周波出力回路内部の配線の様子です。ケースはリードの傾斜型(SM−1)を使用しています。コンパクトにするため、ケースの上下に部品を配置して立体的な構造になってています |
内部上側の配線 |
低周波出力回路内部上側の配線の様子です。インピーダンス整合のための直列抵抗がたくさんありますので、12P平ラグ板2個に実装しています。これらの端子からロータリースイッチに向かう電線が混み合っています |
底部の配線 |
低周波出力回路底部の配線の様子です。出力管のプレート負荷となる低周波チョークとスピーカ用出力トランス、大型コンデンサなどが配置されています。低周波チョークは周波数特性が気になったため、ノグチトランスのFMC−3070H(30H70mA)を使いました。これ1つで部品費の6割近くを占めています。他にもラジオなどではめったに使わない大容量フィルムコンデンサー(1μF400V)が2個並列で使われています。これも比較的高価です。スピーカ用出力トランスは1次、2次を通常とは逆に使い、入力トランスとして動作します。 |
背面の様子 |
低周波出力回路の背面の様子です。 |
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