※潰瘍性大腸炎とは

 大腸の粘膜や粘膜下層に潰瘍やびらん(ただれ)をつくる炎症で多くの場合は再燃(再発‐びらん、潰瘍が腸内で多発する)、寛解(安定状態)を繰り返し慢性化する原因不明の病気です。

主な症状は、持続性又は反復性の血便、粘血便、下痢、腹痛、発熱、体重減少、嘔気、嘔吐や貧血などです。
 炎症が起きる場所は、直腸を中心として始まり、徐々に大腸全体に広がります。
 また、長期にわたり良くなったり、悪くなったりを繰り返します。

◎ 潰瘍性大腸炎の羅漢範囲(初診時)

(厚生労働省特定疾患 難治性炎症性腸管障害調査研究班 平成6年度報告書より)
・直腸炎症型・・・・16.8%
・左側大腸炎型・・・41.4%
・全大腸炎型・・・・33.5%
・その他・・・・・・・8.3%

◎ 病気の原因

 原因は明らかになっていません。
 これまで腸内細菌の関与や本来は外敵から身を守る免疫機構が正常に機能しない、自己免疫反応の異常、あるいは食生活の変化の関与などが考えられていますが、原因は不明です。

◎ 発症年齢は?(わが国における特発性炎症性腸疾患の疫学より)

15歳から35歳までが多く全体の60%程度、発病率に男女差はありません。
 発症年齢は、男性で20〜24歳、女性で25〜29歳に多く、20歳代を中心とした若年者に好発します。
 しかし、小児や50歳以上の方にも発症することがあります。
 (ちなみに55〜59歳の男性では発症率は5%程度)

◎ 患者数は?(以下、消火器系疾患調査より)

潰瘍性大腸炎の患者数を厚生労働省の特定疾患医療受給者証交付件数でみると、平成14年度で77,073人でした。
 最近は、毎年約5,000人ずつ発症しており、年々患者数が増加しています。
 世界的にみると欧米諸国を中心に患者数が多く、北欧やアメリカの白人、ユダヤ人に多いといわれています。

◎ どんな症状があらわれるか?

持続性または反復性の粘血便、血便が主で、下痢、腹痛、発熱、体重減少、嘔気、嘔吐、貧血などを伴います。
 症状が強い活動期と、症状がほとんどない緩和期があります。
 長い期間の経過には、症状の移り変わりのタイプから、

1) 再燃緩解型・・・悪くなったり(再燃)、良くなったり(緩解)を繰り返す。
2) 慢性持続型・・・緩解期がほとんどみられない。
3) 急性激症型・・・発症から急激に症状が悪化します。
4) 初回発作型・・・将来再燃緩解型になる可能性もあります。
(これらの病型のうち再燃緩解型が最も多い)

◎ 治療方法は?

治療は第一に心と身体の安静(考えられる疾患要因)。
 腸に負担のある食べ物を避け、食事に注意する。

(内科的治療)

 現在、潰瘍性大腸炎を完治に導く内科的治療はありませんが、腸の炎症を抑える有効な薬物治療(サラゾピリン、ペンタサ、ステロイド、その他、血球成分除去療法、免疫抑制剤等)は存在します。
 大腸粘膜の異常な炎症を抑え、症状をコントロールすることです。
 重度にならない限りは、再燃(再発)防止、寛解(疾患が安定)の時期を長くする事と早く寛解に導くという事を目的に治療に専念することになります。
 完治という事はないので、疾患者はずっとこの病気とつきあっていくこととなります。
 また、発病から10年以上経過した全大腸炎型の患者は、一般の人より大腸がんを合併する危険性が高くなります。
 したがって、定期的に腸内の検査等を受け続けることが必要となります。
 また、合併症、併発症の可能性も考えなくてはいけません。
 中毒性巨大結腸症、消化管大出血、腸狭窄、・・・・・・・・・・・等々
 使用する薬剤については、身体に負担のあるものや副作用のあるものもあります。

(外科的治療)

 潰瘍性大腸炎は、その疾患原因がはっきりしないために、根本的に治療するには、病巣となる腸部分を摘出するしかありません。
 (炎症のある大腸の一部だけを切り取っても、切ったところから炎症がまた始まるので、手術をする場合は大腸全部を切り取るしかありません)
 通常は大腸以外に炎症は出ません。
 幸いなことに大腸は無くても生きていけるので可能なオペです。


腸相(ちょうそう=大腸の姿)は健康のバロメーター
〜 潰瘍性大腸炎闘病の記録 (上) 〜




腸相(ちょうそう=大腸の姿)は健康のバロメーター
〜 潰瘍性大腸炎闘病の記録 (下) 〜