「あんたきしょいのよねー あっち行ってよ」 
          遠い昔、初恋の人に振られた時の台詞がこんなだった。 
          私は自分の容姿にコンプレックスを持っている。 
          ちびで小太り、薄い髪の毛・・・。顔が大きく、「河馬雄」というあだなで呼ばれていた。 
          恋愛に絶望した私は、必死で勉学に打ち込んだ。 
          以後、中学、高校と常に主席、大学に入ってからは遺伝子工学の研究に没頭し、 
          今では私も遺伝子工学の分野で多くの業績をあげた有名人だ。 
          多くの著作を持ち、特許を取得し、一財産を築きあげた。 
          そして今春、私宛に中学校の同窓会を知らせる葉書が初めて届いた・・・ 
           
         
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