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雨は心に刺す刃 全ての時を凍らせ 全ての記憶を大地に沈ませる 麗しの都、フィンジアスよ あなたは何故に、 小さき者を裏切ったのか 〜 アトロポロス 「地平」 〜 錬金術師の名門、ケルトー家を巡る叙事詩が今語られる。 ――君に悲しい御伽噺を聞かせよう・・・。 その夜フィンジアスは、霧のような雨に包まれていた。 21才の若き開業医、オルアーノ・ケルトーは疲れのせいか机に臥していると、 突然電話のベルが鳴り響いた。 電話は兄のミアーノからだったが、 受話器の向こうから『ガタン!!』という音が聞こえ、呼びかけても返事が無くなった。 兄が倒れたのかもしれない・・・オルアーノは急いで実家へ向かう。 館の鍵は開いていた。 足を踏み入れると、邸内は真暗闇であった。 居間のドアをゆっくりと開き、ミアーノを探す。 父や妹は無事なのか? オルアーノがそう考えたその時、 血溜まりの中で、父が腹をえぐられて死んでいるのを見つけた。 目の前で父が死んでいる。恐らく兄も、何らかのアクシデントに見舞われたのだ。 妹は!? オルアーノは半ば狂ったように妹の名を叫んだ。 「アルミーズ!! アルミーズ!!」 そして彼は、見たくないものを見つけてしまった。 まるで美しい人形が置かれているように、 血まみれの妹が、裸のままソファーに座っている。 ・・・彼女の脈は止まっていた。 しかし、医者である彼自身が妹の死を確認したはずなのに、 アルミーズは生き返った。 父は何者かに殺され、ミアーノも行方不明。 オルアーノが妹を発見した時、彼女は完全にこときれていた。 その経緯を、一体どう解釈すれば良いのか? 疑問に答えられる者は、 誰一人として居なかった。 否、可能性を語るとすれば現在行方不明になっている兄が居る。 ミアーノなら、その答えを知っているかもしれない。 何らかの事件に巻き込まれたと推測するオルアーノは、 アルミーズと共に事件を追っていく―― |
〜 『製作ノート(2月11日)』 より抜粋 (ちょっと改) 〜 イベント当日、朝の4時。強引に作品を完成させた。正直、完成度は低い。 誤字、脱字は残っているし、全体の校正もかけてないし、 そもそもボリューム的にも予定より減らしている。 例えば最後の「夢」の場面は、会話を数パターン用意し、ランダムに切り替える予定だった。 でも時間切れで断念した。 今回はRE-SHARPによる企画だったのだが僕が身体を壊して、 当初の予定通りに製作が進まなかった。そのせいで、シナリオは僕の独断で暴走している。 彼が本来作りたかったものとは違うので、その点は申し訳無く思う。 とはいえ、僕なりの解釈で良い物を書こうと努力した。それは感じてもらえたら嬉しい。 この作品を簡単に表現すると、 「ブ○ックジャック」のキャラ設定。 物語の進行は「三つ○が通る」。 テイストは「フランダー○の犬」。 タイトルは当初、「生命の方程式」とRE-SHARPに指示されていたが 「フランダー○の犬」に合わせて「フィンジアスの少女」にしたのだ。 「フランダー○の犬」の悲しいラストを自分の小説の中で再現してみたかった。 そういう願望が強かったので、この作品は制作当初からマルチエンドの予定は無かった。 例えば、「フランダー○の犬」で選択肢によってはネロが助かるとか、想像するだけでかっこ悪いと思う。 だからこの物語はラストでアルミーズを確実に殺す。 でも、何度も読み返して面白いように、時間と空間をずらして物語の展開は変わるようにした。 でも、いずれの展開を辿ろうと、アルミーズは死ぬ訳だ。 マルチストーリーについて今回の狙いは「答えの無い推理小説」であった。 普通の推理小説は、探偵が全ての情報を集めて推理をし、最後に推理結果を披露する。 ところが本作には、まとまった形で事件の真相が語られる事は無い。 断片的な情報が得られるだけであって、読者は自分で推理をしなくてはならない。 とはいえ、情報さえ集まれば真相は非常に単純で推理せずとも想像が付くようになっている。 しかしながら、ミアーノが教会を訪ねた経緯が書かれていない。 これも時間切れでやれなかった部分なのだ。ごめんなさいというしかない。 条件が揃えばバージョンアップしようと思う。 僕のサイトに来てくれた方は知っていると思うのだが、僕は昨年末体調を壊して倒れてた。 今も完全には回復していない。 脳梗塞の可能性もあるという事で、MRIまでやったのだから、洒落になってない。 率直に言えば、とてもノベルを製作できるような状況ではなかった。 逆に言えば、そんな状況で製作した本作は、まさしく『命懸け』の一作なのだ。 ぶっちゃけ、今までの作品と比較すると粗が目立ち、洗練されていない。 様々な調整や、修正作業が多く残されている。 でも一区切りつけて、一応の完成を見た今現在、 自分の分身のような作品として、非常に愛着を感じたりしている。 昨年末、目眩が酷くて倒れたとき、ほぼ2日寝たまま食事も取れずにいた。 その時、「あ、死ぬかも」と思った。それから様々なことを感じ、考えた。 その時の思いがこの作品には反映されている。 若い方は「死」を予感する事は滅多に無いと思う。 でも、確実に誰もが「死」を迎えるのであって、金持ちだろうが貧乏だろうが、 天才だろうが馬鹿だろうが、善人だろうが悪人だろうが死は平等に訪れる。 で、だからこそ「今生きて何を成したいのか」 そういう話になるんだけれど、まあ、どうでもいいか(苦笑 人それぞれだしなww |
イベント時のポスター |
サンプル画像 |
タイトル | 通常 | 選択肢 | イベント絵 |
キャラ紹介 |
オルアーノ・ケルトー | アルミーズ・ケルトー | ミアーノ・ケルトー | ディアーナ・オージ・ケルトー | |||
本作の主人公。兄と共に養父 |
偉大なる錬金術師ディアーナ の娘。とても美しい少女で、彼 女の事を 『シー(Sidh-妖精)・ アルミーズ』 と呼ぶ人もいる。 14歳、130cm。 |
オルアーノの兄。錬金術師とし て非常に優れた才能を発揮す る。その実力はディアーナも認 めており、自分の後継者として 期待するほどである。温厚な 性格。 25歳、180cm。 |
この国エリンを代表する『オージ (偉大なる)』の称号を持つ錬金 術師。アルミーズの父。ミアーノ ・オルアーノ兄弟の養父であり、 錬金術の師でもある。プライドが 非常に高い。 45歳、170cm。 |
オグマ・ケルワド・グランアネッヘ | ゴヴニュ執事 | クロウ・クルーアッハ | タラニス警部 | |||
オルアーノの医術の師。現在は 詩人として活躍している。『ケル ワド(Cermait-甘き言葉の)』は、 彼の詩に感銘を受けた編集者 達が彼を 「ケルワド・オグマ」 と 呼び始めたのがきっかけ。昔は 兄弟子であるディアーナと双璧 をなす錬金術師であった。40歳 、193cm。 |
ケルトー家に仕える、初老の執 事。 彼の家系は代々ケルトー 家に仕えている。若い頃から武 道を嗜んでおり、老いてなお壮 健。執事でありながら護衛もし、 主人であるディアーナからも非 常に信頼されている。 |
モリガン派の若き天才女錬金術 師。非常に気性が荒い。当錬金 術世界には、思想の違いからい くつかの派閥があり、ミアーノと クロウは対立関係にあるのだが ・・・。 24歳、163cm。 |
そうは見えないが敏腕警部。彼 の言動と思案している事は違う ので見かけに騙されてはいけな い。国を代表する者が関わる事 件を担当することからも彼の力 量がわかる。その頭脳で真実を 見極める。 |
↑ 棚P作品をプレイしたことのある人には、見たことのある顔も登場します… ↑ |