カルタゴ carthago 
  
  カルタゴは、数世紀もの間地中海全域にわたって栄えたカルタゴ帝国の首都です。建国されたのは紀元前814年。当時は武力で制圧するのではなく、商業と文化、そして外交の力で統治したとのことです。その後、紀元前143年ローマとの戦争で破壊されましたが、紀元前122年からローマ人によって都市が再建されました。それからも支配者が変わっていきましたが、最終的に698年、アラブ人の支配下に置かれ、それから荒廃し忘れられていったのだそうです。
 
 チュニス市街からカルタゴに行くには、まず路面電車でチュニスマリン駅へ行きます。  マリン駅で乗り換えます。
   
 チュニスマリン駅。この水色の電車に乗り換えます。   カルタゴ・ハンニバル駅で降ります。駅からまっすぐ、坂を登って、ビュルサの丘にあるカテドラル(大聖堂)へ行きました。 
 ビュルサの丘に建つカテドラル(聖ルイ大聖堂)。1884年から1890年にかけてフランス人によって建造されました。 
 
 大聖堂の内部。二段に重なるアーチの列が特徴的で、階上は回廊になっています。   回廊から見た、カルタゴ市街。
   
 カテドラルの横にある国立カルタゴ博物館。ポエニ時代やローマ時代などのモザイクや彫刻など、考古学地区の出土品が多く展示されています。   展示品の1つ、ポエニ時代のカルタゴの模型。
   
    ビュルサの丘にあるポエニの住居跡。広大な遺跡です。ポエニ時代の繁栄が思われます。
 ビュルサは都市の最初の中心部で、フェニキアの王女ディドが建設したといわれているそうです。2800年も前の遺跡です。
   
 アンフィテア トルム(円形劇場)。ローマ時代の遺跡です。西暦1世紀末期から2世紀初めにかけて建築されました。今はアレーナ(舞台)周辺しか残されていませんが、当時は最高収容人数4万人を誇る帝国でも最大規模の円形劇場だったそうです。人間と、猛獣が闘う闘獣や剣闘技を中心に、様々な競技が開催されたようです。  ローマ劇場。ローマ時代の遺跡ですが、補修をして今なお コンサートなどが行われているそうです。
   
 ローマ時代の住居跡。紀元前146年、カルタゴはポエニ戦争によってローマ軍に破壊され、荒野と化しました。しかし、紀元前122年から都市再建が着工し、紀元前29年には、ローマ、エジプト・アレクサンドリアに次いでローマ帝国で3番目の大きさを誇る大都市として栄華を取り戻しました。 この遺跡を見ると、その繁栄ぶりがうかがわれます。右はローマの別荘ヴォリエーラ(鳥舎)荘。庭には、花や果物、鳥などを描いたモザイクが敷かれています。
   
 カルタゴ観光最大の見どころ、アントニヌス帝の浴場跡。ローマ帝国の中でも、ローマのカラカラ浴場、ディオクレティアヌス帝の浴場に次いで3番目に大きいそうです。全長300メートルに及んでいます。完成したのは西暦145年から162年の間。右の絵が想像図です。 
   
 遺跡の中に入ることもできます。中から見ると、その大きさを実感できます。彫刻が施されたフリーズとモザイク床の断片も浴場跡の至る所に残っていて、この浴場設備の豪奢さが分かります。 
   
 ポエニ港跡。円形の港のまん中から見ています。近くに小さな小屋のような建物があり、ポエニ時代の港の模型が見られます。 
   
  ビュルサの丘から見たポエニ港。遠くから見ると円形であることが分かります。  ポエニ-カルタゴの模型に描かれているポエニ港。軍港内は220艘のカルタゴ軍船を係船できるように壁で仕切られた係留スペースが開き、その階上は設備用の倉庫になっていた、という記述が見られるそうです。
   
 聖域トフェト。古代カルタゴの最も重要な2つのパンテオン、タニット女神とバール・ハンモン神の神殿がそびえたカルタゴの重要な聖域です。案内のおじさんがいて、説明をしてくれたところによると、この場所では、神への生け贄として捧げられた子どもが火で焼かれたのだとか。たくさんの墓碑らしきものもあって、心なしか、空気もひんやりとしていました。 
   
 カルタゴへは、チュニスマリン駅から電車で30分ほど。カルタゴ・ハンニバル駅で降りて、坂をまっすぐに上っていきます。ビュルサの丘に行くには、その結構太い坂道から細い脇道に入らなければいけないのですが、とてもわかりにくいです。でも、観光客に慣れているのか、その辺でのんびりしていたおじさんが「あそこだよ。」と親切に声をかけてくれました。
 ビュルサの丘では、タクシーがたくさん止まっていて、カルタゴ観光はタクシーが一番、と誘ってきます。「カルタゴを一回りして、チュニスでも駅でも、シディブサイトでも連れて行ってあげる。」とのことだったので、その後はタクシーで回りました。もちろん、値段の交渉をして。とても親切な運転手さんだったし、確かに効率よく回るにはタクシーしかないと実感したので、使ってよかったです。
 カルタゴ観光は、どこかのポイント(私たちはカテドラル)で券を買うと、すべての場所に入れるようになっています。(切り取り制のチケットが付いています)
 カルタゴについて、結構くわしく説明が書けたのは、 アントニヌス帝の浴場を出たところにあるお土産屋さんに、日本語のガイドブックがあったからです。びっくりです。日本語訳も分かりやすく、きちんとしています。このお土産屋さんはすべて料金表示があるので、とても安心です。旧市街で買ったらくだの置物が、値切りに値切った値段より安く売っていたので、残念でした。
 私たちは、この後、タクシーでシディブサイトまで行きました。シディブサイトは坂の上に見どころがあるのですが、きちんとそこまで送ってくれたのでよかったです。