スイス 1996.4.1〜4.4

 ルガノは、スイスの中でも最南端に位置するティチーノ地方最大の都市です。複雑な形をしたルガノ湖畔にあり、スイスというよりイタリアに近い趣のある街です。スキーをするために訪れたダヴォスから、氷河急行で有名なレーティッシュ鉄道でアンデルマットまで行き、そこから南下してルガノへ行きました。
 ダヴォスからルガノへ鉄道の旅〜氷河急行のルートを普通列車で何回か乗り換えながらアンデルマットまで。そこで乗り換えてゴッタルドトンネルをぬけてルガノまで。氷河急行に乗ったわけではないのですが、周りの景色を堪能しました。
氷河急行ルートの最高地点、オーバーアルプヘーエ付近。麓はもう早春の趣なのに、ここはまだ冬の世界でした。 アンデルマットで乗り換え、ルガノに向かうゴッタルドトンネルの入り口があるゲッシュネンへ、列車が急勾配をそろそろ下りていきます。ラックレールを使っているのでしょう。日本ではちょっと考えられない急勾配です。さすが鉄道が発達したスイスです。写真ではよく分かりませんが、この渓谷に「悪魔の橋」と呼ばれる美しい橋が架かっているそうです。
メリデ〜スイス・ミニアチュール〜
  ルガノから湖岸の街を巡る船に乗ってメリデまで。桟橋から少し歩くとスイスミニアチュールがあります。スイス各地の見所が実物の25分の1サイズで作られています。建物だけでなく、船や鉄道といった交通機関、サーカスのテント、ユングフラウの山など、実に精密なのです。それに、見るだけでなく、ミニ列車が園内を廻っていたり、ボートやバッテリーカーなどの遊具があったり、レストランがあったり、親子で1日楽しむことができました。特にうさくんとうさ父は、鉄道模型からなかなか離れようとしませんでした。
  全体の広さは、そんなではなく、日光・鬼怒川の東武ワールドくらいかなと思います。大人だけなら、1時間もあれば見て回れるでしょう。でも、子どもたちと遊んだり、食事をしたりしてゆったり過ごす時間はとても楽しかったです。
園内を廻るミニ列車。 船などの動きも精密で、見飽きません。
こんなちょっとした遊具も、子ども連れにはうれしいです。
モルコーテ
 ルガノから船で約1時間、複雑に入り組んだルガノ湖畔の美しい景色を見ながら進んでいくと、突き出た岬の小さな漁村モルコーテに着きます。
 その趣は、まさに16世紀のイタリアの田舎そのものです。岬の斜面にへばりついた16世紀の家並みと湖の眺望の美しさは、忘れられません。

 湖沿いの一番下の段には石造りのアーケードが走り、そこから狭い路地や階段で上へ上っていくようになっています。このくらい登ってくると、あちこちに左側に見えるような公園があって、ちょっとした遊具がおいてあります。子どもたちを遊具で遊ばせながら、ゆったりと景観を楽しんでいました。
 一番の高台にあるサンタマリア・デルサッソ教会。ここまでは、街中の石段を登っていきます。大変ですが、途中に16世紀のフレスコ画があちこちに飾ってあったり、湖と町並みが見渡せる展望台があったりして、楽しめました。
 教会の中でもフレスコが画たくさん見られました。観光客は他に誰もいなくて、子どもたちにはちょっと怖かったようです。
街の中はこんな感じです。まるでジブリの映画にでも出てきそうな路地です。もう、すっかりイタリアな雰囲気です。 我が家の旅で欠かせないのが、動物へのえさやりです。朝食のパンを少しいただいて持ってきては、あちこちでえさをあげます。今回は、モルコーテの船着き場でかもにえさをあげました。
サン・サルバトーレ山
 この後、帰りはバスでルガノに戻り、帰る途中でサンサルバトーレ山に登りました。麓から赤くてかわいいケーブルカーが出ていたので、それに乗って山頂まで行きました。山頂の展望台からは四方が見渡せました。残念ながら少し雲が出ていて、遠くの山までは見えませんでした。うさくんが、なぜか枯れ草を踏む「がさっ。」という音にやけに反応して「キャハハ。」と笑って何回も繰り返していたのが思い出です。
独り言
 この旅はルガノに行ったと言っても、実はルガノの街には全然行ってないのです。そして、なぜかこの旅に関しては、忘れていることが多いのです。例えば、ホテルはどのあたりにあったのかとか、夕ご飯はどこで何を食べたのかとか、船で移動したのに、船着き場がどこにあってどんな様子だったかとか。ひめうさは当然何も覚えていなくて、ねこは「ミニアチュールでうさくんとうさ父が鉄道模型から離れなかったことしか覚えていない。」とのこと。ミニアチュールやモルコーテのことは鮮明に覚えているのに抜けていることが多いというのは不思議ですね。