出雲 H22年8月14日〜16日 うさ うさ父 ひめ母
  今年の夏休みの旅行は、出雲にしました。神話のふるさと・出雲と世界遺産・石見銀山、そして木次線のトロッコ列車を訪ねる旅です。ねこちゃんはモンゴル旅行(いずれアップします)、ひめちゃんは部活のため留守番です。
 ひめ母にとって、出雲は単なる縁結びの神様・出雲大社ではなく、日本神話の重要な舞台であり、壮大な古代史に夢をはせる場所なので、一度行きたかったのです。何を隠そう、ひめ母は、作家高橋克彦先生の大ファンなのです。高橋先生の提案する出雲族と大和族の対立とか、大国主の命幽閉なんかは信じているし、因幡の白ウサギ宇宙人説などにも入れ込んでます。
 そんな母を白い目で見ながらトロッコ列車に目を輝かせる男どもとの2泊3日の旅です。
1日目 石見銀山  
 
 自宅から車で10時間かけて、石見銀山・世界遺産センターにたどり着きました。ここから路線バスで銀山、大森エリアに向かいます。大森バス停が中間点で、みんなここで降りたのですが、私たちは、レンタサイクルが使いたかったので、その先の代官所跡まで行ってしまいました。
   
  大森代官所跡の近くでレンタサイクルを借り、大森エリアの町並みを走り抜け(人が多いので、ゆっくりゆっくりですが)、山道はひいて上って、やっとたどり着いた龍源寺間部です。  猛暑で汗だくでしたが、中はひんやり。汗もさっとひいていい気持ちです。坑道を歩いて行くと、あちこちに横坑があって、奥までみられるように照明がついています。 
   
 間部の入り口から少し下ったところのあるお店でお昼ご飯にしました。昔の民家をそのまま使っているような、いい雰囲気のお店です。これは焼きそば。具がたっぷりでおいしかったです。うさ君はこの後昔懐かしいラムネを飲みました。冷やしたきゅうりも売っていて、おもしろかったです。 
   
 自転車で下ってきて、少し横道に入ったところから上っていくと、清水谷精錬所跡があります。1895年に完成した、石見銀山の中で一番新しい精錬所だったそうですが、わずか1年半で閉鎖されたとのこと。当時はこの狭い段の所に精錬所の建物が建っていたそうで、案内板にその当時の写真がありました。  急な坂道や階段を上っていくとこんな山の上の出ますが、特に何かあるわけではありません。 たぶん、こういう所を通って間部から鉱石が届くようになっていたのでしょう。
   
 大森代官所跡・石見銀山資料館です。当時のままという門や明治35年に作られたという役所跡を使った建物が、情緒たっぷりです。銀山の資料も興味深かったです。 
   
  大森地区の町並み。江戸の風情が何とも言えません。   大森地区で一番大きな商家といわれた熊谷家住宅。内部が公開されています。中で、ボランティア(?)の方が説明をしてくれました。生活の様子がよくわかっておもしろかったです。
   
 熊谷家の2階からみた屋敷の様子です。正面に小さい倉、そして左手に大きな倉が見えます。とにかく広いです。部屋数が50やそこらあるそうな。土間にある台所とか、地下倉庫とか、見ていて飽きません。この、瓦がまたいいんですね。出雲地方のお宅には、この瓦葺きの家があちこちにたくさんありました。 
2日目 木次線トロッコ列車 
   
  今回の旅のメインのひとつ、木次線のトロッコ列車です。宿泊先の玉造温泉から自家用車で木次駅へ。木次駅から終点備後落合まで、うさ君と母はトロッコ列車で、父は列車と前後しながら車で行きました。  見どころのひとつ、出雲坂根駅を出た後に急勾配を上るための3段のスイッチバックです。あっという間に駅が遙か足下になっていきます。 
   
 最大の見せ場は、おろちループ橋です。ぐるりと円を描くループ橋を上から望みながらゆっくり進んでいきます。 
   
 トロッコ列車の車内は、木を使ったレトロな内装になっています。天井にやまたのおろちのイルミネーションがあって、トンネルに入るときらきら光るのはご愛敬です。   暑い日でしたが、入ってくる風が気持ちよく、快適な旅でした。車窓の景色もさわやかです。 
   
  備後落合駅に着いたトロッコ列車です。  トロッコ列車を降りてからの帰り道、おろちループ手前の赤い橋(2段上の写真です)から見たトロッコ列車です。 
 
 出雲大社     備後落合から、途中出雲そばを食べ、出雲大社にたどり着きました。駐車場から近道して入ってしまったので、参道を通らずに神楽殿からの参拝になってしまいました。ちょっと、後悔です。
   
 神楽殿。しめ縄の大きさにびっくりです。   出雲大社は、現在平成大遷宮の真っ最中。それで、これが御仮殿です。神社前の模型展示館で説明してくださったお兄さんによれば、いつも本殿の奥深くにいらっしゃる大国主の命が、こんな近くまで来て願い事を聞いてくださるんだから、今はお得ですよ、とのこと。
   
 改装中の本殿。楼門まではいけますが、その向こうは、申し込みをした人だけしか見られないそうです。 覆いの大きさから、本殿の大きさが想像できます。遷宮が終わったら、是非来てみたいと思いました。  有名な「因幡の白ウサギ」のエピソードを表現した彫像が、参道脇にありました。 反対側には、「さきみたま、くしみたま」の彫像もあります。
   
  境内への入り口。やはり、ここから入って少し下がった末の参道を通り、大きな拝殿に向かうという道筋をたどるべきでした。  左の鳥居から反対を向くと、向こうに大鳥居が見えます。 大鳥居まで、ぽくぽく歩いて行ってきました。近くで見ると、圧巻の大きさです。また、そこまでの門前町は、お土産物屋があったり、甘いものが食べられるお店があったりと、楽しそうでした。時間があまりなくて急いでいたので、通り過ぎてしまいましたが。でも、この一角で勾玉のストラップを売っていたので、おばあちゃんとねこ・ひめちゃんへのお土産にしました。勾玉の色によって効能(?)が違うのがおもしろかったです。長寿・健康とか社交性アップとか・・・。
   
 左の鳥居のすぐ脇に、「古代出雲大社模型展示館 雲太」があります。これ、見たかったんです。高さ48mの本殿の10分の1の模型です。階段は109mあって、実際には、銅の鳥居の手前から続いていたとか。もし実物を見ることができたら、さぞかし壮大でしょうね。
 この本殿は、大国主命が天照大神に出雲を譲った代わりに建ててもらった立派な宮殿、というのですが、どう見ても「立派な宮殿」には見えません。「譲った」というと穏便に聞こえますが、ホテルのロビーにおいてあった神話の本によれば、天照大神がよこした子どもが、天の雷(いかづち)の一撃で野を焼き尽くしたので、降参して出雲を譲ったのだとか。そうなると、この本殿は、やはり高橋克彦先生の小説にあるように、大国主命を幽閉する建物だったのではないかと思えてくるのです。基礎も1mくらいしかなくてよく倒れたというし。
 そんなロマンを肌で感じる出雲大社でした。せっせとこのロマンを語るひめ母に、男どもは「はいはい・・・。」という反応でしたが。
 歴史はおいといても、今はやりのパワースポットという言葉で言えば、スピリチュアルパワーは、ひしひしと感じる場所でありました。 
   
 大鳥居までの間にあるのが、ここ、一畑電鉄出雲大社駅です。  映画「レイルウェイ」を見て感動したうさ父が、熱心に見ていました。
3日目 八重垣神社    
   
 ヤマタノオロチ伝説で有名なスサノオノミコトが、助けたイナタヒメノミコトを妻にして新居を構えたといわれる神社です。本当に縁結びに効果がありそうな・・・。小さな社なのですが。  スサノオノミコトが作った最古の和歌といわれる「八雲たつ・・・。」の石碑。  
   
 側面から見た社。出雲大社に似ていませんか?     神社の奥にある池です。紙にコインをのせて縁占いをするとか。私たちが見ている間にも、若い女性が2人も占いをしていました。
宿   

 今回の宿は、温泉旅館 玉造温泉・玉井別館です。石見から玉造温泉へ来て、次の日木次へ行き、出雲大社へ行き、また玉造温泉へ戻る、という行程は、ちょっとばかり無駄が多いです。でも、玉造温泉という何となくロマンチックな響きに惹かれて選んでしまいました。
 玉井別館さんは、とっても立派な旅館で、我らにとっては贅沢ですが、まあ、このくらいなら出してもいいかなという値段と、連泊割引、そしてじゃらんのポイントを使って、施設・サービスの割にはリーズナブルでした。
 旅館は純和風の内装がおしゃれで、部屋も落ち着いていました。お風呂は充実!!露天風呂も完備です。さらに、ロビー近くに充実した足湯もあって、食事のついでにちょっと、なんて楽しむことができました。どこでもタオルが自由に使えるというのが、贅沢ですが便利でした。食事もおいしかったです。
 
 出雲は車で行くには、さすがに遠かったです。交代で運転していっても、途中眠くなったりして、大変でした。 でも、神話の故郷出雲は、不思議なパワーを感じるパワースポットで、また、日本の国の成り立ちに思いをはせるロマンあふれる場所でした。行ってよかった!!  
    宍道湖の夕日。